それは、この狭間の世界の無の海の岬に翳すことで、
デスタムーアの根城へと近づけるアイテム。
真実のオーブを手にしたカイン一同は、
デスタムーアに近づくために、
そして、大賢者マサールを救出するために、
無の海の岬から、更なる旅路を行く。
カインたちの向かう先には、嘆きの牢獄、という、
大賢者マサールを封印した牢獄があり、
この牢獄の番人は、ズイカクとショウカクというモンスター。
ズイカクとショウカクは、デスタムーアから、
マサールに忠誠を誓わせるように指示を受けていた。
そして、ズイカク達がマサールを落とすのに使った方法は、
幻覚で、弟クリムトの処刑場面を何度も何度も見せ続ける、
というものであった。
最初は毅然として屈さないマサールであったが、
弟の処刑場面を延々と見せ続けられるのには、
だんだん心が耐えられなくなってきた。
そして、とうとう、マサールは膝を屈し、
大魔王に忠誠を誓う決意をするに至る。
そのとき、
「騙されてはなりません。本物の私はここにいます。」
と、マサールの心理世界へと足を踏み入れるクリムト。
クリムトは、
マサールが封印されていることをカインから聞きつけて、
急ぎ駆け付け、マサールの心理世界へと入り込んだのだった。
ここで慌てふためいたのがズイカクとショウカク。
なぜなら、彼らは、大魔王の指示で、
マサールとクリムトを引き合わせてはならない、
と言われていたのだから。
ズイカクとショウカクは、
大魔王から指令を受けた日のことを思い出していた。
「ズイカク、ショウカク。お前たちにはマサールを跪かせてワシのもとへ連れて来い。ただし、弟のクリムトとは絶対に引き合わせてはならんぞ。」
「ムーア様、2人とも生かしておけば、そのうち引き合ってしまうかもしれません。クリムトのほうは殺しておいたほうがよろしいかと。」
「だめじゃ。マサールとクリムト2人の力が必要なのじゃ。」
「じゃあ、結局2人を引き合わせるつもりですか?」
「そうなったときにも、2人がワシの言うことを聞くように、お前たちがなんとかするのじゃ。」
「いやぁ~、ムーア様。それはハードルが高いですよ。殺したらダメ、引き合わせてもダメ、忠誠を誓わなかったらダメ、逃げられてもダメ、ちょっと注文が多いですよ。」
「やかましいわ!とにかく、クリムトのほうはアクバーに任せてあるから、お前たちはマサールのほうだけに専念しろ!」
「わかりましたけど、アクバーがやられたときは、責任持てませんからね~。」
そんな無理難題を押し付けられた上に、
どうやらアクバーがやられたらしく、
クリムトがやってきてしまった。
ズイカクとショウカクは、慌てすぎてパニックになった。
ど、どうする、ズイカク?
どうしようか、ショウカク?
2人が引き合ってしまった場合、なんか俺たちにできるんだっけ?
いや、この場合、どうしていいかわからないぞ、ショウカク。
殺してしまうか、ズイカク?
いや、それはムーア様の指示に背いてることになってしまうぞ。
でも、アイツらもうなんか祈り始めてるぞ、ズイカク?
黙って見ておくわけにもいかんよなぁ、ショウカク。
とりあえず、クリムトが連れてきた旅人だけ殺しておくか?
そうだな、ショウカク。
カインが何者かも知らないで、
パニクって襲い掛かるズイカクとショウカク。
冷静さを欠いたズイカクとショウカクは、
戦闘に突入しても、
どうしていいかわからずに、まごまごしていたりする。
ズイカク、あの青いツンツン頭の奴が、剣を掲げた途端、
なんか、他の奴らの攻撃が痛くなるんだけど、
アイツ何やってるんだと思う?
ショウカク、それよりも、あのバトルレックス、
なんであいつらに味方してんの?
ズイカク、俺たちさあ、回復が全然追いつかないんだけど、
生き残れると思う・・・?
ショウカク、
生き残ってもさぁ、ムーア様のお咎めは逃れられないんじゃない?
ズイカク、それもそうだなぁ、
なんか、ダメージも全然与えられないし、すぐ回復されちゃうし、
どうだろう、この辺で降参してみようか、ズイカク?
ズイカク?
もう死んでしまったのか、ズイカク!?
俺一人じゃ、回復もできないし、どうしていいかわからないぞ?
完全に八方塞がりになってしまったショウカク。
そして、カイン一味の集中攻撃に呆気なく沈んでしまう。
仲間を奪われ、守備力も奪われ、
夢も希望も、そして命も奪われたショウカク。
薄れ行く意識の中で、こう思うのだった。
今お前のところに行くからな、ズイカク。
俺たちって、結構いいコンビだったよな。
今まで、お互いをかばい合って、共に戦って、共に出世して、
大賢者を屈服させる重要な任務を与えられて。
俺がお前をかばって、お前が俺を回復させて、
そんな戦術も良かったんだがな。
今回ばかりは、相手が悪かったみたいだ。
でも、これでムーア様のお咎めは受けずに済むな・・・。
そして、ゆっくりと息絶えるショウカクであった。
そんなズイカクとショウカクの苦悩など、
全くわからないカインであったが、
とりあえず、マサールとクリムトを引き合わせたわけで、
デスタムーアの城への道を整えてもらう。
マサール曰く、
どうやら、デスタムーアが彼らの忠誠を求めたのは、
彼らが持った特別な力を手に入れたいがためだったという。
それは、ある空間と別の空間を繋ぐ「旅の扉」を
自在に作れる能力であるという。
そして、その力を使って、
デスタムーアの居城への道を開いてくれると言うので、
カインは楽しみにしていたのだが、
実際には、単に力技で山を壊して、
山の上にあった居城を下に落としただけであった。
え・・、旅の扉は・・・?
とカインは思ったが、
マサールもクリムトも、なんか満足そうにしていたので、
ま、それはそれでいいか、大魔王の居城には行けるわけだし、
そう思い直すことにした。
ところで、マサールに会ったら、
大賢者の宝箱について聞こうと思っていたカイン。
だが、マサールは、何も知らない模様で、何も語らなかった。
えっと。
ということは、どういうことか?
やっぱり、マサールは宝箱なんて用意してなかった、ということか。
とすると、デスタムーアの罠だった、ということか。
となると、牢獄の町で、一網打尽にしようと考えていた、
っていうことまでは合ってるわけだな。
そっか、それなのに、嘆きの兄弟が裏切っちゃったから、
デスタムーアの作戦通りに事が進まなかったのか。
それで、腹を立てて、鉄槌を落としたわけか。
なるほど、やっと真相が見えてスッキリしたカインであった。
ただいまレベル38、プレイ時間51時間38分。
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