マーズの助けを借りて、探求する方向性のカイン。
でも、その前に、ちょっとだけ確認したいことがあった。
それは、ターニア周りの事情について。
どっちのターニアかって?
それは、夢も現実も、どっちも。
カインは夢と現実のライフコッドを飛んで回った。
今までの経緯を整理しておこう。
夢の世界でのライフコッドでは、
ターニア、ランド、ジュディという三角関係があった。
ジュディはランドのことを想っていたが、
デートをすっぽかされたことから愛想を尽かし、
徐々にカインに魅力を感じるようになる。
そして、結婚を申し込むが、カインに拒絶される。
諦めないジュディは、ことあるごとに、
「結婚の約束を覚えてる?」と再考を促し、
そんな約束はしていない、と言うと、
「そんな慎重なところもステキ。」と、
ますますカインに惚れ込んでいった。
ところが、カインがしばらくライフコッドに戻らないでいると、
「女はそうそう待てるもんじゃなくてよ。」と、
掌を返すように、想いも薄れていた。
ランドはジュディに好かれていることを承知の上で、
ターニアに一途な男であり、
カインのことを「アニキ」と呼ぶ存在である。
アニキと呼んでいても、同い年で、
ターニアを嫁にもらうことを宣言しているようなものだった。
一度、祭りの夜に2人で会って、結婚の申し込みをしたことがあった。
そのとき、ターニアは、「まだ自分のことがよくわからないの」と、
ランドの申し入れを断った。
この祭りの夜、というのが、
ジュディとのデートをすっぽかした日である。
カインから見たら、ランドは軽薄な男であったが、
ターニアに相応しい男になるべく、
バーテンをやり、ツアーガイドをやり、
職を変えながら、自分の価値を高めていく努力をしていた。
カインが、ランドを軽薄だと思ったには理由があって、
それは、カイン自身がターニアのことを想っていたからであった。
だから、ランドがターニアに結婚を持ちかけているのを目撃したとき、
心中穏やかではなかった。
実の妹に対してこういう感情を持つことは、シスコンなのだと、
カインはずっと思っていた。
しかし、時は進み、ターニアと血縁関係がないことが発覚してから、
さらに気持ちは発展した。
シスコンでもなんでもなかった。
極めて自然な感情であることがわかってきた。
一方で、ターニアはカインのことを血縁関係がなくても、兄は兄、
そういうスタンスで接している。
そして、
ランドのことも真剣に考えてみようということを言うに至った。
カインはこれを聞いて、言葉にこそ出さなかったが、気が動転した。
ハッサン、ミレーユ、バーバラはそれを察したかのごとく、
これでいいのか、カイン?と聞く。
答えられないカイン。
これでいいわけではない。
でも、自分には大魔王討伐がある。
なぜ、いつも二者択一を迫られるのだろう。
そして、なぜいつも辛いほうを選ばないといけないのだろう。
両方選べたらどんなにか楽だろう。
しかし、まだ、ターニアを迎えに行けるわけではない。
真の平和を取り戻してこそ、ターニアを迎えに行ける。
そして、そのときに、もしターニアがランドを選ぶとすれば、
それも仕方のないことである。
現実のライフコッド。
ランドは乱暴者で、カイン本体を良く思っていなかった。
というのも、ターニアが怪我をしたカイン本体を介護し、
家族同然に付き合うのに、嫉妬していた。
ランドはターニアを気に入っていた。
そこに、
どこの馬の骨ともわからないカインが転がり込んできたのだから、
ランドは穏やかでない態度をとっていた。
当初はカイン本体を村から追い出そうともしていた。
しかし、村にモンスターが襲ってきたときに、
カインが活躍する姿を見て、カインを見直し、
村に残るように説得する。
もちろん、
活躍したのは、カインとカイン本体が同化したからの話であるが、
ランドにはそんなことはわからない。
カイン本体の存在がなくなってから、
ターニアの家にはランドが居座っている。
そして、カインがターニアを訪ねても、
もう「おかえり」とは言ってくれない。
「いらっしゃい」と言われる。
ここには居場所がなくなったか、となんとなく悟るカイン。
夢でも現実でも、ターニアはランドと向き合おうとしている。
カインは辛い心境になった。
カインもターニアも、お互いを大切な人だと認識している。
でも、認識のスタンスが違う。
今は、
今はまだ気持ちの整理がつかない。
夢のターニアと現実のターニア、
2人のターニアは同一だと納得できたばかりだったカイン。
同一だということと、結ばれたいという気持ちは、
論理的には直結しないが、カインの中では直結していた。
この件についてのカインの心の整理は、今しばらくかかりそうである。
真の平和を取り戻す道を選んだカインは、
そんな複雑な思いを胸にしまい、
仲間たちとマーズの館を訪れるのだった。
マーズからは次のお告げが言い渡される。
ガンディーのへ行けと。
はいはい、よくわからないけど行きます。
カインは心の中でいつも占いの正確さに驚かされながら、
もうちょっと具体的に占ってくれればいいのに、
と思っていた。
さて、場所を移動して、ガンディーノのお城。
この城下町を歩きながら、
ここ最近で劇的な変化を遂げた町であるとわかってきた。
その変化は王様が代わったことに由来する。
先代の王はギンドロ組というヤクザと通じて、
荒れ放題の政治を行っていた。
王宮、平民、奴隷に分けるならば、
たいていの仕事は奴隷が行っていたようである。
また、平民でも美しい娘は王への献上品とされていた。
しかし、先代の王妃は、美しすぎる娘を嫉妬し、
奴隷行きを命じ、地下牢に閉じ込めるのであった。
この話を聞きながら、バーバラがなぜかうれしそうにつぶやく。
私だったら、絶対地下牢行きじゃん、と。
よほど自分の美貌に自信があると見える。
オシャレコンテストで負けたことなんて、
すっかり忘れているようだった。
しかし、先代の王が死去し、新しい王になってからは、
ギンドロ組からの上納金を跳ね除け、
善政を敷き、奴隷を解放し、旅人にも親切だった。
国の人々はそのことを喜び、
逆にギンドロ組は逆境に立たされていた。
組長のギンドロは老衰で動けなくなっていて、
その血を継ぐ一人娘も、
もっと日のあたる場所でまっとうに生きたいと望んでいた。
国は活気付き、ギンドロ組は衰退の一途を辿っていた。
そんな活気のある国において、王は一人悩んでいた。
ムドーが倒れたというのに、平和になった気がしない。
これをどう思う、旅人よ?
と言うのである。
カインから見たら、
ムドーが倒れたことよりも、ギンドロが倒れたことのほうが、
この国の平和と関係あるような気がしたが、
それはそれとして、表情には出さないで、
大魔王の存在に気付いているという話をする。
王は、やはりそうかと納得し、
伝説の盾の話をしてくれる。
実は、先代の王のときに、
一度ギンドロからの上納品として、
スフィーダの盾が献上されたのだが、
その盾はまったくの偽物だったというのだ。
その後、王が代わり、
新王は国の学者にスフィーダの盾の調査を命じる。
そして、情報を総合すると、
スフィーダの盾の眠る洞窟の場所がわかってきた。
また、洞窟を進むに際しての、謎のヒントもわかっていた。
洞窟の場所の情報源は、ある盗賊の日記であったのだが、
水のきれいな町から「鷹の目」の特技を使うと、
船でしか行けない洞窟が見えたという。
カインは、盗賊を極めていてよかった、とあらためて思った。
さっそく、水のきれいな町アモールへ行き、
鷹の目であたりを見回した。
そして、それらしい洞窟を見つけた。
洞窟の中は入り組んでいたが、
ここにスフィーダの盾があると思えば話が早い。
伝説の盾が眠る場所には多くの仕掛けがあり、
そのヒントをあちこちで聞いたのだが、
カインはまったく覚えていなかったし、
果たして、どの洞窟がその洞窟なのかもわからなかった。
しかし、今や、この洞窟こそが伝説の盾の眠る洞窟だとわかっている。
そして、細切れに散りばめられたヒントは、
ミレーユが全部暗記してくれていた。
そして、苦労の末、伝説のスフィーダの盾を手にすることができた。
さて、誰が装備するか、と考えるカインだったが、
どうやら、カインだけにしか装備できないということがわかった。
セバスの兜も同じく、カインのみしか装備できない。
父親のレイドック王さえも装備できなかったという。
こうなってくると、仲間たちの意識として、
カインは非常に特殊な存在であるような気がしてきた。
夢と現実を行き来できる存在、それだけではないような気がする。
王家の血を引く存在、それだけでもないような気がする。
もしかすると、ラミアスの剣もオルゴーの鎧も、
カインだけしか装備できないかもしれない。
父親が装備できないのに、息子が装備できる。
これは、血の繋がりがないことを示している可能性がある。
他人だと思っていたレイドック王が父親だったとわかり、
今また逆に、父親ではないかもしれないことが脳裏をよぎった。
ターニアの件といい、レイドック王の件といい、
世界の平和を求めるカインであったが、
自分の家庭環境は非常に問題だらけであった。
少なくとも、現時点ではカインはそう考えた。
さてさて、スフィーダの盾を持った一同は、
またガンディーノに戻る。
王にお礼を言わなければならない。
と、そんな途中、教会で懺悔をしている老人がいた。
老人は悔いていた。
昔、ギンドロ組に孫娘を差し出し、
対価としてお金をもらったことを。
10年も前の話である。
その罪の意識に耐えられなくなった老人は、
今になってギンドロ組に掛け合うに至った。
孫娘を返してくれ、と。
ギンドロ組は、とりあえず娘が仕切っているわけで、
ギンドロ娘は老人をこうなだめる。
その娘は先代の王に献上しているし、
美しかったのでたぶん奴隷になっている。
王が代わったときに、奴隷はすべて解放されたので、
もしそのときに帰らなかったのであれば、
どこかに逃げたのではないか、と。
そう言われると、どうにもしようがなくなった老人。
すごすごと家に帰り、寝込んでしまった。
そして、寝言でこうつぶやく。
「ミレ・・・」
カインはミレーユのほうを見た。
そういえば、ガンディーノに入ってから、
ミレーユがずっと無口なのである。
意図的になにもしゃべらなかったのだろうか。
老人が口にした寝言とミレーユは関係があるのだろうか。
しかし、
カインには、そんなに気軽に聞けるような質問ではない気がして、
今のところ、質問を自重することにした。
もし仮に、この老人の孫がミレーユだったとしたら。
カインは想像を膨らませた。
ミレーユはガンディーノで生まれ育ち、
金でギンドロ組に売られ、先代の王への献上品として差し出され、
先代の王妃の嫉妬を買い、奴隷にされたということになる。
カインは断片的な情報をもう少し整理して考えた。
王室の地下牢に、今もいる老人が言うには、
昔いた奴隷の娘に、不思議な笛を渡して逃がしたことがあるという。
彼女は城を脱出したら、弟を探す、と言っていたそうだ。
これがもしミレーユのことならば、
ミレーユには弟がいることになるし、
不思議な笛というのが、
ムドーを倒すときに役に立ったオカリナのことかもしれない。
一方、ギンドロ組の組員からの情報。
10年前に、姉を返せと子供に斬りつけられた、
その傷がいまだに痛む、というのである。
この子供が、ミレーユの弟なのかもしれない、
カインはそう考えるに至っていた。
しかし、ことはナイーブな問題。
まだ、そのことに触れるのはやめておこう。
いずれ、ミレーユが自ら話したくなったら話してくれるであろう。
といっても、カインが思っているとおりだったらの話であるが。
そうこうしているうちに、
カインは、ついに勇者に転職することができた。
魔物マスター、盗賊、商人、レンジャーを経て勇者へ。
なんか、そんなに勇気のある職業には就いたことないんだけど、
勇者だから伝説の武具を装備できるのか、
伝説の武具を装備できる特殊な人物だから勇者になれるのか。
そこはカインにはわからなかったが、
勇者たるもの、勇気を見せなければならない。
これまで、戦闘では常に先頭に立って指揮を執ってきた。
その勇気が、今認められたのかもしれない。
ちなみに、勇者にも階級がいろいろあって、
今のところ、カインは「町勇者」である。
なんとなく、ガンディーノには、
きっとまた来ることになるような気がしているカインであったが、
当面の見通しはまたなくなってしまった。
残す伝説の武具はオルゴーの鎧であるが、
どこにあるか、よくわからない。
こんなときは、いつものところを頼るとするか。
教えて、グランマーズ。
ところで、すれ違いの館というところで、
夢告白をしようとしていたら、やたら時間がかかってしまったカイン。
しまった。
こんな間にも大魔王は次々と悪事を働いているかもしれない。
平和が戻るまでは、夢告白はしないようにしよう。
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