妹のターニアが、ランドのことをどう思っているか気になっているカイン。
旅の途中で急転して家へと帰る。
そこにはターニアの姿があるが、
話しかけても、「村長さんから頼みごとされたんだ。よかったね。」的な会話で、
核心へ迫ることはできなかった。
何度話しかけても、同じ会話でお茶を濁されてしまう。
干渉しすぎる兄だと思われてはいけないので、
仕方なく、
ほんとに仕方なく、
渋々とマルシェへの道を進むのだった。
山で寝転がるランドを尻目に、ひたすら道を下る。
下って下って、歩いて歩いて、
やっと麓のマルシェの町までたどり着いた。
今年こそカインが請け負ったものの、
例年は村のおじいちゃんが冠を買いに行っているという話であった。
ご老人も山道でぶちスライムにぶちのめされながら、ひたすら町を目指したのであろう。
ご老人は、今年もやる気満々であったのだが、
村長さんにお役御免を言い渡され、バーでやけ酒を飲んでいた。
毎年恒例のご老人の活躍の場を
精霊の冠のことも知らない若者に奪われてしまったというのは、
なんともかわいそうなことであった。
そんないきさつをなんとなく肌で感じながら、役割の重要さを感じているカインである。
そうこう考えて町に入ると、
バザーが開かれているのが目に入る。
っていうか、バザーの時期だから民芸品を持って町まで来たのだった。
バザー中を歩いていると、ドガとボガという荒くれの兄弟が買い取り専門店を出していた。
一方は、カインの持つ民芸品を300Gで買おうと言う。
他方は350Gで買うと言う。
それを聞いて、最初のほうに話しかけると、
では390G出そうと言う。
もう一声、と思って逆のほうに聞いてみると、420Gでどうだ、と言う。
渋れば渋るほど値が上がりそうな気もするカインであったが、
420Gの声に、ある程度満足して、民芸品を売りさばく。
結局、兄のほうに売ったのだが、
それを聞いた弟は、くやしそうに、
「いつかは兄さんを超えてやる!」
と息を荒くしていた。
なんとなく120G得をした気分になっているカイン。
財布のヒモも緩くなってしまって、バザー品に手を出してしまう。
「これが最後の1つだよ。たったの100G。買うかい?」
と言われて、何ともわからないものに手を出してしまった。
買った後によくよく見てみれば、おなべのふた。
鍋のフタだけって!
フタだけで100Gって、どんだけぼったくりなんだ!
ちなみに、この世界の貨幣価値がどんなものかというと、
宿に1泊素泊まりしたら、この町では4Gか6Gくらい。
いや、素泊まりじゃないなぁ。
たぶん1泊2食付き。
だから、20泊分くらいの金額を取られて、鍋のフタだけ買ってしまった、ということ。
100ゴールドは高かった。。。
途方に暮れたカインは、鍋のフタの有効利用法を考えて、
盾として装備することにした。
なんだかんだで、言うほど悪くなかった。100Gは高いけど。
町の人々の声を聞くと、
例年レイドック王がバザーに来るのに、今年は来ない、とか。
なんでも、魔王ムドーが力をつけてきたからレイドック王も忙しいのだ、とか。
レイドックの王様を知らないわけだが、
そういうお城があって、そういう王様がいるんだろう、たぶん。
おっと、本題を忘れるところだった。
冠屋さんで精霊の冠を買うんだった。
冠がいくらするのか知らないが、さっきの420Gは完全にお小遣いだと思っているカイン。
果たして、精霊の冠は手に入れれるのか?
冠屋に入ったカイン。
冠職人ビルテさんの娘という人と会った。
「お父さんは3日ぐらい前から戻っていません。冠の木材を探しています。」
冠の材料探しに3日も家に戻らないとは!?
それを気にする風でもない娘さん。
どんだけ呑気なんだ?
急ぎたいカインは、ビルテさんを探しに行くことになる。
大雑把に場所を教えてもらって、探しに行くことに。
で、そのあたりの森に行ってびっくり。
地面に大穴が空いていて、その下に別の世界が広がっているではないか。
世界は平たいのか?
そして2層構造なのか?
地動説を唱えても大丈夫なのか?
近付いてよくよく見てみると、その穴の淵にしがみついているオッサンが。
話しかけると、そのオッサンがビルテ氏であった。
そして、今まさに穴に落ちそうになっている。
助けようと手を伸ばすカイン。
その手にしがみつくビルテ氏。
一進一退の救出劇の末、
ビルテ氏は助かり、逆にカインが穴の淵に足を滑らせる。
間一髪で淵にしがみつくカイン。
さっきとは逆の展開で、とっさに駆け寄るビルテ氏。
だが、皮肉にもカインがビルテ氏の手を掴むことはできなかった。
腕がしびれて、ビルテ氏の助けよりも前に力尽きるのであった。
穴の中に落下しながら、
昔の思い出が蘇って後悔していた。
もっと懸垂を真面目にやっておくんだった、と。
大地の大穴から落下したカイン。
絶体絶命かと思われたが、奇跡的に、見事な着地を果たした。
懸垂は苦手だったが、コウモリ降りは得意だったのだ。
人には得手不得手があるものだ、としみじみ思った。
落下した先は見知らぬ町。
見知らぬ町の見知らぬ教会で、ひとりお祈りをするカイン。
お祈りしながら冒険の書をチラ見したら、この町はトルッカという名前だとわかった。
なんでチラ見する必要があるのか?
それは、大地の穴に落ちて以来、
体が透明になってしまって、周りの人から見つけてもらえなくて、
町の名前すら聞けないからであった。
だから、教会でも神父さんとは話していない。
ただ勝手に祈っているだけ。
誰にも気づいてもらえなくて、いろいろと不便に感じたのだが、
逆に都合がよいこともあった。
つぶやきや囁きを聞けたり、内緒話を聞けたりすること。
おかげで、町の子供たちが、古井戸で遊びたがっていることがわかった。
古井戸は危険であると言われているが、子供だったら行くんだろう、たぶん。
一方で、街の片隅で、誘拐を企てようとしている輩を発見した。
金目当ての誘拐のようだから、
ターゲットはおそらく・・・、大屋敷の娘。
このことを伝えようと大屋敷に駆け込むが、姿を確認してもらうことができない。
ただ、大屋敷の犬にだけは吠えられた。
この動物的カンを誰か持っていてくれたら・・・。
今は残念ながら、事の顛末を見守るしかないのか。
ああ、重大なことを知ってしまったが、それを伝えられない。
こんな自分を神はどうお思いか?
といった気持ちで、また教会でひとりお祈り。
お祈りしたところで、本日はこれまで。
ここは一体どこなのか。
この世界はどうなっているのか。
カインはもとの村に戻れるのか。
次回、乞うご期待。
ただいまレベル6、プレイ時間1時間2分。