Great Pop Songs 80年代編 5 | ver.5 - 洋楽チャートをデータと共に

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過去と現在の洋楽シーンをチャートデータをもとに紹介するページ(週一更新予定)

Great Pop Songs 300


Purple Rain (1984 Film)/John L. Nelson
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1983年に続いて1984年も80年代の中で華やかな年でした。ブリティッシュインベイジョンの嵐は引き続いて、Duran DuranやCulture Clubがチャートで活躍しました。80年代後半のチャートを牽引するWham(George Michael)の全米デビューもあります。一方、全米のアーチストも徐々に勢いを盛り返します。Cyndi LauperやMadonnaといった女性ポップシンガーの登場があり、PrinceやBruce Springsteenはそれぞれ大ヒットアルバム「Purple Rain」「Born In The USA」を発表します。音楽の全体の流れとしてはシンセポップが後退し、ギターロックが再び勢いを盛り返し、ロックとポップスが再び分かれ始めます。



121 Owner Of A Lonely Hearts / Yes (84)


70年代にプログレッシブロックバンドとして有名なYesですが、トレバーホーン(Beckのプロデューサーとしても有名)を迎えて84年に出したこのシングルで全米チャート初の1位を2週間記録しました。最近では日本の乾電池のCMでも使われているので耳にしている人も多いと思います。


122 Karma Chameleon / Culture Club (84)


Culture Clubは83年あたりから起きたブリティッシュインベイジョン(UKの音楽が世界を席巻した時期)の代表として大活躍を見せます。日本でも人気があって、日本語で歌う「危ないストリート」なんてシングルも発売されてました。私の記憶ではNHKの7時のニュースにも登場していたようにも思います。「Karma Chameleon」はCulture Clubの代表曲で、全米で1位に輝きました。「カーマ~カーマ」なんて歌詞で、Boy Georgeがオカマ風(実はゲイ)だったこともあって「オカーマは気まぐれ」なんて言われたこともありました。3週間全米1位に輝いています。


123 Girls Just Wanna Have Fun / Cydie Lauper (84)


84年に登場したCyndie LauperとMadonnaは女性ポップボーカル時代のさきがけのようなものでした。Cyndie Lauperのこの曲の中に登場する歌詞「Oh daddy dear you know you're still number one」が象徴的です。当時はCyndie派とMadonna派に分かれるほど人気、実力共に伯仲していましたが、84年に限ってはCyndieの方が勢いがありました。全米で最高2位を記録しています。


124 Lucky Star / Madonna (84)


当時は今のようなカリスマという感じではなかったMadonnaですが、この曲のヒットから一気にポップスターとしての人気を確立します。ビデオクリップのダンスはアル・ヤンコビックもパロディにするほど話題になりました。84年に最高4位まで上昇しました。


125 Pride(In The Name Of Love) / U2 (84)


現在ではロックの大御所U2ですが、この当時はアイルランド出身のパンクバンドとして、若々しいというか危険な雰囲気がありました。そんなU2がメジャーバンドとなる第一歩となったのがこの曲で、エッジのシャカシャカとしたギターは今もなお変わらないU2の魅力です。84年に初のトップ40ヒットとなる33位を記録しています。


126 When Doves Cry / Prince (84)


1999のヒットから既にスターの座にあったPrinceが爆発的にブレイクしたのがこの曲でした。当時ラジオで聞いた時、「なんでこんな曲がヒットするの?」と思ってましたが、DJが「念仏みたいな曲で、妙に癖になる」という風に話していて納得しました。84年に5週間1位に輝き、年間1位にも輝いています。


127 You Might Think / Cars (84)


ミュージックビデオの代表的なアウォードであるMTVMusic Awardは1984年から始まりましたが、この年の最優秀ビデオがこの曲です。70年代後半から全米のニューウェーブロックを代表する存在として活躍してきたボストン出身のCarsですが、1984年にはその代表作『Heartbeat City』を発表します。先行シングルとしてカットされたこの曲は全米で最高7位を記録しました。


128 I Want A New Drag / Huey Lewis & The News (84)


シンセポップからギターロック再びという流れの中で1983年末からニューヨーク出身のHuey Lewisを中心とするHuey Lewis & Newsがチャートで大活躍を見せます。映画「ブルースブラザーズ」のような60年代のオーソドックスなロックスタイルが受けに受けて、アルバム『Sports』は大ヒットを記録します。2ndカットとなったこの曲は全米で最高6位を記録しました。


129 Jump / Van Halen (84)


全米を代表するロックバンドVan Halenは78年に傑作アルバム『Van Halen』でデビューするもののシングルヒットには今一つ恵まれませんでした。しかし、1984年にはバンド史上最高のヒットとなるこの曲が誕生します。アルバム『1984』(全米2位)から先行シングルはDavid Lee Rothのパワフルなボーカルとパフォーマンス、間奏のエディ・バン・ヘーレンの(ライトハンド)ギターソロからシンセサイザーソロ、そして迫力のドラムと全てが神がかっていて何度聞いても鳥肌が立ちます。全米1位を5週間も記録した大ヒット曲です。


130 Out Of Touch / Hall & Oates (84)


80年代を代表するヒットメイカーHall & Oatesはより強くバンドスタイルの音を意識した『Big Bang Boom』を84年末に発表します。そこからの先行カットとなるこの曲は全米1位を3週記録しました。Hall& Oatesの魅力でもあるキャッチーなメロディは勿論、ビデオクリップのDaryl HallのStepのカッコよさが最高です。


131 Hello / Lionel Richie (84)


80年代の傑作ビデオ。Motownを代表するソングライターとして活躍していたLionel Richieのソロとして3曲目の1位曲(2週)です。盲目の少女とそれを支える先生という愛と感動のストーリーですが・・。盲目の少女に電話がかかってくるシーンこれが間違いなく笑えます。「Hello」って言っただけで電話切んなよって皆突っ込んでいました。


132 Let' s Hear It For A Boy / Deniece Williams (84)


84年も映画がらみのヒットが多かったですが、ケビン・ベーコン主演『Footloose』はプロモーションビデオが映画になったような映画で話題を呼びました。サントラから6曲がヒットして全米1位もこの曲(2週)を含んだ2曲が記録します。「Hero」 は邦楽でカバーもされました。歌っているDeniece Williamsは「Free」で有名なソウルシンガーですが、この歌でもいつも以上に力強いボーカルを披露しています。映画ではケビンベーコン演じる主人公がダンスの下手な男の子をレッスンする場面で流れていました。


133 I Can Dream About You / Dan Hartman (84)


84年の大ヒット映画マイケル・ペレ、ダイアン・レインの映画『Street Of Fire』のサントラから。古典的なヒーロー映画という感じで、ベタですけど今でも好きな(気持ちよくなる)良い映画でした。日本ではTVドラマに使われたこともあってFire Incの歌う主題歌 が大ヒットしましたが、全米では挿入歌のこちらが全米で6位のヒットを記録しています。邦題は「あなたを夢みて」。この年のソウルナンバーの名曲です。


134 Missing You / John Waite (84)


今でも時々歌いたくなる曲がJohn Waiteのこの全米1位(1週)曲です。当時はJohn Waiteが映画俳優さながらに活躍するビデオクリップが話題を呼び、MTVでヘビーローテーションされていました。今でも名ビデオクリップの一つとして有名ですが、なんといってもビデオにピッタリのこの曲が素晴らしい。飾り気のない独特の歌い方がホントに大好きです。


135 I Feel For You / Chaka Kahn (84)


チャートマニアはChaka Karnと言えばこうインプットされています。「チャカチャカチャカ・チャカカーン」。Kanye Westが影響を受けた70年から80年にかけてのR&Bシンガーの代表的なChakaですが、この曲はPrinceが作曲したこともあって全米で3位に入る大ヒットを記録します。


136 What's Love Got To Do With It / Tina Turner (84)


この年のGrammy獲得曲で、84年を代表するTina Turnerの名曲です。1960年にチャートヒットを放ってから24年、その間に私生活でトラブルに逢いながら掴んだ栄光でした。最近これまでの女性ロックシンガーのベストを選んでいる記事 がありましたが、Tinaが1位でした。曲はTina の独特の唸るようなボーカルが本当に活きています。84年に全米1位を3週間記録しています。


137 Cruel Summer / Bananarama (84)


Bananaramaと言えば、誰もが「Venus」(88年)のディスコヒットを思い出すかもしれませんが、もともとは本来の意味のポップユニットでした。「ちょっと真ん中の子大きいぞ」などと言ってはいけません。84年に全米チャートで9位に入るヒットを記録しています。90年代にはAce Of Baseによってカバーされてヒット(98年10位)しています。


138 They Don't Know / Tracey Ullman(84)


UKのバラエティタレントTracey Ullmanもブリティッシュインベイジョンの勢いで全米で84年に8位に入るヒットを放ちます。しかしこの曲は原曲が良くて、私も尊敬するKirsty MacCollの書いたナンバーで、60年代のゴールデンポップスの雰囲気が堪りません。ビデオクリップの最後にはPaul McCartneyが登場しています。


139 Reflex / Duran Duran (84)


ブリティッシュインベイジョンの中心的バンドDuran Duranの初の全米1位はNile Rogersのリミックスによって生まれました(2週)。83年に発売されたDuran Duranのアルバム「Seven& The Ragged Tiger」からの3rdカットのこの曲はアルバムverではシングル向きでなかったのですが、これをNile Rogersが見事にダンストラックにリミックスしています。曲はFle-Fle-Fle-ReflexというイントロからChicサウンド全開です。これによりDuran DuranとNile Rogersの関係が強くなり、その後もヒットを次々と生み出していきます。


140 Like A Virgin / Madonna (84)


Madonnaの世界的なブレイク曲です。デビューアルバムが大ヒットしたMadonnaはNile Rogersをメインプロデューサーに迎えてアルバム『Like A Virgin』を製作。その後の活躍は言うまでもありません。Billy SteinbergとTom Kelly作曲した曲をNile Rogersがグルーブを加えて、Madonnaが自身の曲にしました。84年に全米1位を6週間記録しました。