年の差婚の正体:マーケティング的ターゲット像の設定 | 売れる仕組み=マーケティング研究所所長 関西学院 准教授 理央 周(めぐる)

年の差婚の正体:マーケティング的ターゲット像の設定

ブログとフェイスブックで仲良くしていただいている、牛窪恵さん と明治大学教授諸富祥彦氏の共著、年の差婚の正体 を読んでみた。
副題に、なぜ同世代に惹かれないのか とある点も興味深い。

ボクは消費財マーケターなので、市場を捉えターゲットを「標的群」としてとらえることを生業にしている。

大きくとらえどころのないターゲットを、いろいろな要素を分析したうえで塊にするということが実は重要なのだ。

たとえば、20代男性を狙うブランドで、強大な競合ブランドMがある場合に、新規に市場に出ようとするLはストレートに同じ層を狙っては勝ち目が薄い。

そこで、20代男性をもう少し分析しライフスタイルや価値観をもとに、競合と自社ブランドを差別化できるポイントを探す。

たとえば、Mがパーティー好きで仲間を大事にする人たちを狙うなら、Lは自分の価値観にこだわる人をターゲットとする、といった具合である。

これを因子分析⇒クラスター分析という。

もともと、マズローの5段階の欲求に当てはまらない人たちの群れを心理学的に、外部と内部要因に分けて説明する心理学をベースにする手法(VALS類型論)も、このようなアプローチによるものである。

牛窪さんの著書は、恋愛や仕事にあまり覇気がない男性を“草食系”と呼んだりこの本では“年の差婚”と呼んだりして、現代の世相の中での、生活者の塊に、実にうまくネーミングをつけている。

とらえどころのない市場を細分化し、そこから重要な塊=Critical Massを見つけ狙っていく。実はとても基本的で重要なマーケティングのアプローチなのだ。



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マーケティング エヴァンジェリスト

理央 周(めぐる)

名古屋 売れる仕組み研究所