監督・脚本・撮影 モハメド・アルダラジー
脚本 ジェニファー・ノリッジ、ミトハル・ガズィー
撮影 デュライド・アルムナジッム
出演 ヤッセル・タリーブ、シャーザード・フセイン
2009年 イラク/イギリス/フランス/オランダ/パレスチナ/UAE/エジプト
AFP通信によると、イラク中部の都市ディワニヤ近郊で6日、
遺体約900体が埋葬された集団墓地が発見された。
旧フセイン政権下で虐殺されたクルド人とみられる。
遺体は溝に埋められており、フセイン元大統領独裁下の
1980年代に死んだと推測される。同政権は、クルド人や
イスラム教シーア派を大量に殺害、これまでにも数百人規模の
集団墓地が各地で見つかっている。
(2011年7月7日 時事通信社)
本作は、2003年4月、サダム・フセインが失脚してから3週間後、
イラク北部にあるクルド人自治区に住むアーメッド少年が、
湾岸戦争(1991年1月に勃発)以来戦地から戻らない父親を探しに、
祖母と共に1000キロ先の南部にあるナシリア捕虜収容所をめざす旅を
描いたロードムービーですが、最終的には、身元不明者が数多く
埋葬されている集団墓地へ辿り着くと言うストーリーです。
悲惨な現実と対照的に描かれる、少年と年老いた祖母が旅で出会う
人々の善意に、イラク北部で緊張関係が続いているアラブ人と
クルド人の和解を願う監督のメッセージが込められています。
ハリウッド映画ばかり観ていると、このような現実がある事を
知らずに近視眼的な見方に陥ってしまうので、
若い人には、勉強のつもりで観てもらいたい作品です。
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