5月8日放送の「プロフェッショナル 仕事の流儀 」は経営者・坂本幸雄氏。今回はその2回目です。(前回はコチラ )
前回に引き続き、スタジオトークから続けます。
坂本氏は電車で通勤するそうです。なぜ電車で通勤をするのかを聞かれて次のように答えています。
「従業員と同じ視線で仕事をしないといけない。違うのは給与のみ」
前回の記事 にも書きましたがやはり共感を重視しているように感じます。
人間は自分との距離が近くなればなるほど、親近感を感じるでしょう。
最高の情報を収集することを重視する坂本氏にとって現場の生の声を聞くためには従業員を(感情的な意味で)敵にまわすわけには行きません。
敵にままわさないだけでなく、親近感をもてるくらいにならないといけない。そのためにはなるべく従業員と同化する戦略なのでしょう。たたき上げであるだけに変なプライドもないのかもしれません。
さらにスタジオトークは坂本氏が成し遂げた黒字化の件に及びます。
どうすれば黒字化できるのか?坂本氏は3つポイントを挙げています。
①苦手なことをやめ得意なことに集中する
売り上げの80~90%を占めるパソコンをやめ、携帯電話に特化した。
②無駄な会議は全て禁止
会議は全て1時間以内。
知っているべきことを知って会議に出る、それが当たり前。そうしていれば無駄な会議はなくなる。
茂木健一郎氏(脳科学者)の解説・・・情報を時間をかけて脳内で熟成させた方がいい判断ができる
③1年で勝負をかけた
会社が傾くと優秀な人がいなくなる。長期化すると立ち直らなくなる。3年経ったら優秀な人はいなくなる
実は私は③番がものすごく気になります。
自分の属する組織でこういうことが起こっているのではないかと。
公務員の世界で自己都合退職をする人はあまりいないと言うイメージがあるかもしれないけど、そんなことはないようです。
- 山本 直治
- 公務員、辞めたらどうする?
上記書籍「公務員、辞めたらどうする?」のp22とp24に次のような記載がある。
三十歳未満の事務職公務員が、多い年で約500人も辞めているというのは厳然たる事実である。辞めたらもったいないはずの公務員とはいえ意外と辞めているのだな、と思うのではないだろうか。
実際、私の組織でも年齢の若い人がボチボチ辞めています。面識がありませんが、文書で回ってきますから。
私より後に入ってきた人なんて、私のときよりも公務員試験は大変だったと思います。
行革の加速化で相当採用を絞ってましたから。
それでもやめていく。
「何かものすごくやりたいことがある」と言うポジティブな動機でやめていくのはいいことかもしれないけど、「この組織、もうダメだ」と思われているのではないか。そういう懸念があります。
ダメと言うのは人それぞれかもしれません。
就業環境が悪い(悪化した)、頑張っても報われない、努力するほど損をするのが腹が立つ、メンタルの病気になりそうだ・・・・
そういう状況で一番乗りにやめていくのは優秀な人からです。自信も実力ありますから。それで最後まで残るのはダメな職員ばかり。これは民間の早期退職制度などのリストラでも同じことでしょう。
そんな風になってしまったら最悪です。
「優秀な人が民間で仕事をした方が経済学的にはよい」と言う意見もあるけれども、行政力が落ちて被害を被るのは国民・住民の方ですから、その辺の視点も必要だろうと思います。
この前、何年かぶりに来た外部の方に「ずいぶん、職員数が減りましたね。全然、人がいないじゃないですか!これで仕事は回っていくのですか?」と随分驚かれました。
行政改革による人員削減等の話をさせていただいたのですが、外部の方が来てびっくりするくらい私の職場は人数が減らされています。
単純な話ですが、人数が減れば行政力は落ちます。少ない人数でカバーしていくにも限界があります。
極端な考え方であり、かつあくまで個人的な見解ですが、将来人材面から見て本当にマズイことになる可能性を秘めているのは製造業と公務員の世界ではないかと思っています。
ある時、ガタンと組織が半分崩壊しかねない。
ちょっとそんな気がします。