『ブレイクスルー・トライアル』  伊園旬 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

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ブレイクスルー・トライアル (宝島社文庫)/伊園 旬
¥590
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***この本は2010年1月に読了しました***
技術の粋をつくしたIT研究所に侵入し、ミッションをクリアすれば1億円が手に入る一大イベントが開催されることになった。元IT企業の社員チームや、ひょんなことから紛れ込んだダイヤモンド強盗犯グループなどが参加を表明。生体認証や警備ロボットをはじめ、数多のセキュリティが設置された難攻不落の要塞を攻略するのはどのチームなのか。第5回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
(Bookデータベースより)



とある企業が主催する賞金1億円を賭けた一大イベント「ブレイクスルー・トライアル」。
その内容とは、防犯セキュリティを完備した建物に侵入し、目的物を奪取し、無事脱出すること。
主催元の会社に勤めていた門脇は大学時代の同級生丹羽に誘われ、会社を退社して参加することを決める。
実は丹羽は、賞金目的ではなく、建物内に極秘に保管されているあるものが目的だと言う。
しかし門脇も、丹羽には言えない参加した理由があった・・・。
他のチームには、最新鋭の防犯ロボットの情報奪取を企むライバル企業と思しき3人組や、ダイヤモンド強盗犯の一味が参戦。そこに頑固一徹の管理人、さらにはその管理人の娘とSPのような恋人までが私立探偵として参入してきて入り乱れ。
果たしてトライアルを攻略するのはどのチームか――。



侵入攻略イベント、こういう設定は個人的に好きですねー。
しかし内容的にはスリリング感やスピーディー感はなく、見どころとなるようなド派手なアクションもない。いやあることはあるがちと弱い。
面白い設定の割には地味で安っぽい印象を受けてしまいました。
デビュー作なのかな?だからか、書きたいこといっぱいで詰め込みすぎてぜーんぶ中途半端になってしまったって感じ。
もう少しページ数が多くなっても、部分的にはもっと掘り下げた方が良かったのかなぁ。


「このミス大賞」ですが、今回は「このミス大賞」の謳い文句に踊らされず、軽い気持ちで読み進められたので結構楽しめました。
ミステリー要素やどんでん返しを期待すると肩透かしを食らうことになると思います。いつぞやのこのミス大賞作品もそうでした。。。
あんまり揚げ足取りせず軽く読むのに向いてる作品でしょう。
未読の方は、「このミス大賞」を意識せず読まれたほうが、先入観も入らず良いかもしれません。



同時並行で進むそれぞれのチームからの描写、これなかなか良かったし、好きですね。
あるところで何かが起きたときの裏では、また違う何かが起きている。
あるチームが行ったことが、違うチームの邪魔をしたり、時には思いもよらぬラッキーをもたらしたり。
しかもそれが仕掛けた方が全く意図していない形で作用しているところなんかはニヤリとしちゃいました。
ちょっとした時間軸のズレなんかを、もっとうまく利用できてればなお良かったかな。



ご都合主義過ぎちゃうようなところは、もはやご愛嬌でしょうか。
続編意識した終わり方だったけど、続編が出たら読んでみたいと普通に思いました。
映像化に向いてそうだけど、映像化したらしたでしょぼいハリウッド映画みたいな薄っぺらい作品になっちゃったりして。。。



★★★



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