『 ハゲタカ 』 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

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読んだ小説&観た映画の感想中心のブログです。基本的には良い評価でのレビューを心がけています。レビューと言うか、ただの感想だったりしますがw 過去に読んだのもあり。自分の備忘録も兼ねてます♪貴方のオススメの映画や本があったら教えて♪漫画の紹介も始めました♪


貴方の忘れられない本&映画は何ですか?


***この映画は2009年6月に観ました***


投資家から募ったファンドで徹底した合理主義を貫き、企業を買いたたいく“ハゲタカ”の異名を取っていた鷲津政彦(大森南朋)は、閉鎖的な日本のマーケットに絶望して海外生活を送っていた。
そんな鷲津のもとへ盟友・芝野健夫(柴田恭兵)が現われ、日本有数の大手自動車会社を巨大ファンドによる買収の危機から救ってほしいと頼む。(シネマトゥデイ)


貴方の忘れられない本&映画は何ですか?




貴方の忘れられない本&映画は何ですか?



「日本は宝の山だ。」
「日本を買い叩け!」




日本の基幹産業、世界的に技術力を誇る自動車産業。
その中で大手メーカーであるアカマ自動車。
そのアカマ自動車を陰で中国が操る赤いハゲタカが狙ってくる。
迎えうつは、かつて日本を席巻したハゲタカ鷲津。

物語は、まるでアカマGTがエンジンを吹かすかのように熱く、そして猛スピードで疾走するかのようなスピード感で進んでいく。





資本主義社会の現実をありありと描いていると思います。
金や数字だけが全ての世界に身をおく人間達。
だが、心の奥底に眠るアツイ気持ちを捨て去ることはできない。


紙面を賑わすファンドや買収、TOB等の言葉達。
そこからは全く窺い知ることが出来ない裏で行われている必死の攻防戦。
金や数字が全ての世界でも動いているのは、アツイ心を持った人間達なのだ、と言うことをしっかり見せてくれる映画です。


玉山鉄二ふんする劉が、お前は一体誰なんだ?と問われるところや、誰かになるんだよっ!と叫ぶところや、金を撒き散らされても金を拾え!と自分で這い蹲り拾う姿が印象的です。
何者でもない、誰でもない、ということを自分が一番良くわかっている劉が、まるで自分自身に言い聞かせているようにも聞こえました。




「強くなれ。」
「世の中、金だ。金が悲劇を生む。」



冷徹な表情にも見える鷲津の顔。
現実の焼け野原を歩いているその男には、今後も資本主義の焼け野原を歩き続けるという決意の表情が現れているようでした。








ハゲタカは、真山仁の原作「ハゲタカ」「ハゲタカⅡ(バイアウト)」は読みましたが、NHKのドラマは見ていませんでした。
今回の映画の「ハゲタカ」の原作となる「レッドゾーン」、この原作は読まず、今回映画を観てみました。

これはしょうがない事なのかもしれませんが、経済標語を知らない方にはキツイでしょう。
かつてホリエモンがフジテレビ等に対して行った一連の買収騒動の辺りから、日本経済界でもよく「ファンド」「TOB」を始めとした標語がよく耳にするようになりました。
本作においても「TOB」「ホワイトナイト」「大量保有報告書」等といった言葉が頻繁に出てきます。
こういう言葉の意味や、なぜこういうことをしたり、しなければならないのか、と言うことを知らなければ、面白さ半減だと思います。

また、自分は「ハゲタカ」「ハゲタカⅡ」の原作を読んでいたのでわかりましたが、原作も読んでおらずNHKのドラマもみていない方には、登場人物達がなぜ鷲津に頼ったり協力するのか、登場人物達のバックグラウンドや今までの鷲津との関係を知ってると知っていないとでは、これまた面白さ半減でしょう。

まぁ2時間ちょっとと言う枠の中に収めるためには仕方なかったのかも知れませんが、内容が内容だけに勿体無い気がしました。
ファンドの組成や、ファンドの存在意義自体の意味をかじっていた方が圧倒的に面白いでしょう。

まぁそうは言っても、この作品、経済色が色濃く出ているだけではなく、メインはやはり、人間と人間とのやりとり。
前述の言葉をまったく知らない人でも、アツイ人間関係で面白いと思えるのかも知れません。




あ、あと玉山鉄二はとにかくかっこよかったわー(・ω・)/

★★★★



原作はこのレッドゾーンなんですかね。ハゲタカ、ハゲタカⅡ読み直してから、読んでみようかな。

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