『きみとぼくの壊れた世界』  西尾維新 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

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きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)/西尾 維新
¥924
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***この本は2006年9月頃読了しました***

禁じられた一線を現在進行形で踏み越えつつある兄妹、櫃内様刻と櫃内夜月。
その友人、迎槻箱彦と琴原りりす。
彼らの世界は学園内で起こった密室殺人事件によって決定的にひびわれていく・・・。
様刻は保健室のひきこもり、病院坂黒猫とともに事件の解決に乗り出すが―?
『メフィスト』に一挙掲載され絶賛を浴びた「体験版」に解決編を加えた「完全版」。
これぞ世界にとり残された「きみとぼく」のための本格ミステリー。
(Bookデータベースより)






禁断の一線を越えつつある兄妹。
そしてその友人たち。彼らの世界は学園内で起こった殺人事件によってひび割れていく・・・。



フーダニットからハウダニットへの移行、そして二段重ねのワイダニット。
でもワイダニット、いわゆる動機の部分が弱かったな。
帯にある通りの、これが本格ミステリーなのかはもう横に置いておいておきます・・・。
この作品の面白さはそういうミステリー云々ていうところじゃないでしょうから。
学園ものという形式上、登場人物達も学生なため、そこがまた情緒的な題名と絡み合ってるのは良かったとは思う。


面白かった!、と言うより、今まで読んだ事ない感じでインパクトがありました。
まぁ女性より男性の方が単純に面白いんじゃなかろうか(笑
めちゃくちゃかわいい妹「櫃内夜月」、ペチャパイだけど勝気で肩胛骨がキレイな「琴原りりす」、陰な感じでオタクっぽいけど自信家で饒舌なDカップ娘「病院坂黒猫」。
萌え系妹に、スポーツ美少女に、ブルマ姿に・・・。オタクかっ!書いてるだけで自分がオタクかと思ったわ(笑
恋愛推理小説ながらエロさも兼ね備えていると言うか。まぁ装丁の時点ですでにすごいですが・・・。
そして登場人物の名前が誰も彼もすごいし。。。
とにかくいままで読んだことのないジャンル・・・、ジャンルと言うのか、強烈でした。



まどろっこしい言い回しや理論的な叙述も最初は気になったけど、あまり冗長に感じなかったのはなんでだったんだろう。挿絵のお陰か、漫画のように読めたのかも。ただこの言い回しは好き嫌いが分かれるだろう。
それにしても、病院坂黒猫はすごい強烈だった。
特に真相究明の際の場面で、ほぼ丸々23ページにも渡って一人しゃべり続けるなんて・・・。
今までこんな展開読んだこと無かったわ。
そういうキャラの濃さの衝撃や個人的な新鮮さがすごい良かったな。




自分の取り巻く世界があまりにも狭かったあのころのような・・・。
そう、限定されたこの世界はまさに、「きみとぼくの世界」。



最大の能力を発揮して、最良の選択を選ぶ。
常に仮定し得る「最高で最善の結果」を求め、「調和のとれた世界」を望む櫃内様刻。
彼の、「ぼくの世界」は壊れた世界なのだろうか。いやきっと・・・。



Crazy world is beautiful world.




★★★★




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