- 恋愛中毒 (角川文庫)/山本 文緒
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***この本は2006年5月頃読了しました***
恋愛において普通の人は傷つくのを恐れ、何らかの逃げ道を作り、バランスを保つ。
しかし普通の人ならブレーキを踏んで、躊躇してしまうようなところで、ブレーキをかけないどころか、さらにアクセルを踏み込んで行くような愚直なほどの愛し方。
多くの人はここまで極端に行動には移せないだろうが、心のどこかでこの物語のような感情を抱いているのかもしれない。そこがこの作品が支持された要因の一つかなと思う。自分としてもここまでされたら怖いけど、やっぱり共感できる想いが多々あった。
愛することへの不安。愛されることへの不安。恋人への不安。様々な不安を、恋人に依存することで自分を納得させていく。
自分の全てを恋人に依存する。そこまで他人を愛することができるのは幸せなことのように思えるのに、逆に辛く、苦しむ。
一度それを知ってしまうと、失ってもまた追い求めてしまう。自分自身を見失い、見失ってることにすら気付かないほどに・・・。まさに中毒・・・。
「これからの人生、他人を愛しすぎないように。
私が私を裏切らないように。
他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。」
この言葉が虚しく聞こえるほど、また繰り返していくのだろう。
★★★★
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