『GO』  金城一紀 | ページをめくった先に広がる世界と解け合う心

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GO (角川文庫)/金城 一紀
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***この本は2006年8月頃読了しました***




「いつか、俺が国境線を消してやるよ」


ボリュームも軽く、読みやすいのでさらっと読める。
国籍や民族と言う概念に囚われることのないアイデンティティーを求める在日朝鮮(韓国)人三世の主人公杉原の物語。
ちなみに窪塚主演の同名映画は観てません。


在日、差別、イジメ、偏見と重くなりがちなテーマを、作品冒頭でこれは「僕の恋愛の話だ」と言い切り、ストーリーが展開していく。
ストーリー展開だけでなく、それぞれキャラのたった登場人物たちが作品を明るく爽快にしていく。
特に主人公と同等以上に、主人公のオヤジの生き様とセリフはかっこいい。
ただし、冒頭に言い切ってる割には、恋愛だけを見ると大した話じゃない気も。


んでもって一番不満なのが・・・
(ネタバレになりますので、読んでない人は次の行注意。)



正一が死ぬ必要性はないんじゃないかと・・・。
盛り上げるためなのか・・・。こんなシーンがなくても全然いいと思うな。
その点が個人的には残念。。。



文中に出てくるラングストン・ヒューズの「助言」と言う詩、ちゃんと調べた。
この詩に、この小説の内容が、ぎゅっと凝縮して詰め込まれてる感じです。
良い詩ですよ。まったくその通りだと思います。


以前、「嫌韓流」ってマンガを読んだときに知らない事だらけで、単純なおれは嫌韓流に傾いた。ある側面からしか描いてないとわかっていながら。
この作品は嫌韓流の逆をついていると思った。どちらも事実であり、どちらも重要なこと。



「僕は、韓国人でもない、日本人でもない、ただの根無し草だ」。

大事なことはこういうことだろう。
そして彼は、国境線を越えていく。



★★★★




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