魔王 | Book Review’S ~本は成長の糧~

魔王

魔王 魔王
伊坂 幸太郎

講談社 2005-10-20
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おすすめ平均

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★★★★★★★★★★

やっとこのブログでも紹介できます。というより、厳密には年内に紹介しないと僕自身がすっきりしなかったといのがあります。そして、どうせなら今年最後に紹介する一冊にしたいと思いました。それほどまでに、僕の心を掴み、魅了してくれた一冊です。

伊坂幸太郎さんの作品はこの魔王が初めてだったのですが、たった一冊で虜になってしまいました。今も少しずつですが、過去の作品を集めていっています。もちろん、新刊の砂漠は購入済みです。僕が一冊だけでファンになってしまっただけあって、伊坂さんのファンはたくさんいるみたいですね。少しずつ読み進めて、話題に入れるようになりたいです(笑)

さて、わき道にそれてばかりなので作品の紹介と感想にうつりたいのですが、この本を読み終えたのは1ヶ月以上も前で記憶があいまいだったりします。読み終えてすぐに感想を書けばよかったのですが、当時はあまりにも衝撃的だったのでうまく書ける自信がなかったんです。

魔王と呼吸という二本立てになっていますが、二つのストーリーはつながっています。兄弟が主人公のストーリーで、魔王では兄に、呼吸では弟にスポットライトが当てられています。どちらも良い作品だったのですが、特に印象に残ったのは魔王でした。

兄は、目の前にいる相手に自分が言わせたい言葉を発言させることができるという特殊な能力を身につけます。そして犬養というカリスマ性を持った政治家に対し、この能力を使って立ち向かうことを決意し実行していきます。本当に大雑把なあらすじはこんな感じです。あまりストーリーについては触れたくないので。

兄の口癖である、「考えろ考えろ」という冒険野郎マクガイバーから取ったフレーズがとても心に残った。考える続ける兄と、考えることをめんどくさがり、大衆化する人々のギャップが今の日本の状態を示しているようで、いや自分自身を指摘されたような気持ちでハッとさせられた。

ファシズムだとかいう政治をテーマにした本ではないと、あとがきで作者は書いているし、たしかにそれ以上に上手く伝えることはできないけれど、受け取れるメッセージがあった。しかし、この大衆化していく国民については一人一人が考えてみるべきではないだろうか。

考えることは疑問を持つこと、その疑問を解決しようと努力することとも言い換えられる。一方的に与えられる大量の情報のせいで多くの人は受動的になりすぎているのではないだろうか。

ひとつひとつのセリフや人物のやりとり、物語の構成すべたが良く出来ていて、これがハイクオリティなエンターテインメント作品なのだと心から思えた。

途中から文体が変わっているのに今更気づきました(汗)この作品の良さを伝えることに必死になりすぎたようです。でも、上手く伝え切れていない・・・。今年から書評ブログをはじめましたが、どれだけ成長できたのだろうか・・・なんて情けなくもなります。来年も継続してブログを書き、もう少しレベルアップを目指していきたいと思います。

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