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かけ出し女医のトホホ体験記著書です。どうぞよろしく。

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2009-11-20

馳星周「沈黙の森」

テーマ:アイアン
沈黙の森沈黙の森

徳間書店 2009-10-20


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 組の金を持ち逃げした男が軽井沢に隠れている…噂を聞きつけ、ハイエナたちが軽井沢に集い殺し合う。以前は新宿で名うての暴れ者だった主人公・健は軽井沢でカタギになり別荘の管理人になっていたが、否応なしに抗争に巻き込まれていく、暴力タップリのサスペンス。

 途中までは、刑事もいい味出してるしヤクザどもはとんでもないし面白くなるか?! と思ったのだが、健の性格がいまひとつすっきりしなくて好みではなかった。それゆえ、終盤に明らかになるショッキングな事実も、とても凄絶な設定のはずなのに、健に感情移入しきらない読者にはあまりインパクトを与えなくてもったいない。

 私が本書で最も気になったのは女性キャラ。私は馳作品における女性キャラは、いつもあまり好きではない。納得できるのは「不夜城」の夏美くらいかなあ。

 まあ、ヒロイン役のあの人のことなんだけど、もう最初に出て来てほのぼのしてる時点から、嗚呼この人はきっと映画「ダーティ・ハリー」における可哀想な娘みたいな役どころなんだろうなあ~と思ったら、やっぱりそういう展開になってしまった。
 
 そんなことがあったのに犬の散歩に行く心情も理解しがたいし、あんなに勇ましいワンコロが、そういう場面ではちょっとひっぱたかれたくらいで逃げ出しちゃう(しかも、前置きでワンコロがその人をすごく好きだという描写がされているのに!!!)のがすごい不自然。悲劇を無理に起こすために無理に物語がねじれているような気がして、そこで興が冷めてしまった。
2009-11-20

著者索引

テーマ:当ブログの取説
2009-11-19

麻生荘太郎「闇の中の猫」

テーマ:アイアン
闇の中の猫 (ミステリ・フロンティア)闇の中の猫 (ミステリ・フロンティア)

東京創元社 2009-09-29


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 本格ミステリファンの集う会員制サイトで、そこにアップされた小説の通りに殺人が起きる。会員たちは警察にたよらず謎を解こうとするが、第二、第三の殺人が起きて…。

 現役医師作家にして島田荘司の名付け子と聞いたら俄然読みたくなるわけですよ。
 まず不満な点から述べると、単調なこと。仕掛けから見ればミスリードしなきゃなんで仕方ない点はあるかもしれないが、キャラがたくさん出て来る割に彼らの独白がみな同じ調子なのが気になる。

 きちんとしたミステリーでサプライズもしっかり用意されているが、ヒントをフェアにちりばめすぎていて、ミステリファンなら真相が早いうちから予測できてしまうかも。

 ミステリーマニアの集いが警察を頑なに拒むのも理解できない。自分たちで推理したいにしては、メンバーに推理力があまりないし…黄金パターンの、終盤名探偵が推理的中、だけど手遅れ…みたいな印象。もっと早くタレコミがあってもいいと思うが。どうも、次の事件が起こるようにと関係者が手をこまぬいているように見えてしまうんだわな。

 いみじくもキャラクターの一人が作中で言うように“ミステリマニアにうってつけの事件”というのが本書に感じる最大の違和感なのかも。芦辺拓「殺人喜劇の13人」などミステリマニアたちが実際殺人事件に遭遇し、現実感の希薄なまま殺されていく…というのは新本格の王道なのだが、それが成立するには或る種の異様な雰囲気がないとダメなんじゃないかと思うわけ。本書では、エキセントリックなはずの殺人者すらも、どこか上品でおとなしすぎる気がする。

 ラストは余韻があっていい感じ。
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