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2012-05-29

三津田信三・幽女の如き怨むもの

テーマ: コッパー
幽女の如き怨むもの (ミステリー・リーグ)幽女の如き怨むもの (ミステリー・リーグ)
三津田 信三

原書房 2012-04-17


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 同じ遊廓で、三人飛び降り事件が三度起きる。それは全て、幽霊が出るという曰く付きの部屋からだった…怪奇ミステリー。

 刀城言耶シリーズ、相変わらずカバー画がムードたっぷりでイイネ! 中身も怪異と論理のバランスが絶妙で面白い。

 今回、途中までは怪奇味強めだと感じたが、それすらも仕掛けで、ラストまで読めば、きっちりミステリだった。

 しかし、遊廓での出来事は陰惨でヘヴィーなので、読後感は苦い。本作は小説であるけれども、かつて日本に、ここに描かれたことに似たあれこれがあったということが、重々しく心に残った。

p.s.読み終えてすぐには、おおっ!とビックリしたけれど、このトリックは実行不可能かもしれないなぁ。もっと多くの人が気付くんじゃ…?あと、もものアレは女ごころ的に、焼くか剥いででも消すと思う。

2012-05-28

水沫流人「七面坂心中」

テーマ:読書感想
七面坂心中 (幽BOOKS)七面坂心中 (幽BOOKS)
水沫 流人

メディアファクトリー 2007-05-16


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 ピンクチラシ配りで日銭を稼ぐ済は、墓場で美女に出会い、魅せられてしまうが…心中物語。
 
 のぞきの達人千さんや、嫁が間男と心中した巴の店主には異様な迫力と魅力を感じたが、カッちゃんと妹を同一視している割に、通りすがりの美女に心奪われる主人公の心境がぴんとこなかった。それは私が女だからなのか、それとも別な理由によるものなのか…。

 ラストはまんま純文学といった感じで、夢かうつつかわからずたゆたう世界は好き嫌いが分かれそうでもある。幻視部分はぞくぞくしたけれど、現実との結びつき方が理解不能であった。だって、カッちゃんのこと気にならないの、そして兄が養っているはずの妹はどうでもいいの?
 世界があって美しいが、ラストが腑に落ちない小説であった。


p.s.幽怪談文学賞を受賞した作品で、文体がいかにも文学といった風で味わい深い。私は浅学ゆえ泉鏡花の影響がよくわからなかったので、「文豪怪談傑作選」の泉鏡花集を見てみなければと思った。


2012-05-27

岡部えつ「枯骨の恋」

テーマ:読書感想
枯骨の恋 (幽BOOKS)枯骨の恋 (幽BOOKS)
岡部えつ

メディアファクトリー 2009-06-03


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表題作は、恋人の骸骨と暮らす女を描く。
 女の孤独がにじみ出ていて、ものすごく厭な話である(←ホラー的な意味での褒め言葉)。

「親指地蔵」仲良し三人組は、いつの間にか疎遠になり…。
 これまた、女の孤独がすさまじく身に迫る作品。女性読者にはぐっとくるのではないか。

「翼をください」実家に住み続ける姉の首に、醜いシミが…。
 ミステリーでは使い古されたネタゆえ新味はなかったが、心通いあわぬ姉妹が哀れ。

「GMS」子宮に腫瘍があると知らされた女は、子作りに奔走するが。
 ライトな語り口のせいか、どことなくユーモラス。

「棘の道」児童虐待をする母は、夫の不倫に悩み…。
 これが本書の中では一番好みだった。定石とはいえ、小出しにされていく情報がじわじわと、取り返しのつかない感覚を盛り上げてくれる。

「アブレバチ」自殺した元同僚の家を訪ねた女は、地元の不気味な因習を知り…。
 田舎の風習がいかにもで良かった。

「メモリイ」通りすがりに入った喫茶店には、生きた人間ではない客が訪れ…。
 苦い後味の短編が多い本書の中で、ラストは希望を感じさせて爽やかであった。







2012-05-26

夢枕獏 山岳短編集 呼ぶ山

テーマ:読書感想
呼ぶ山 夢枕獏山岳短篇集呼ぶ山 夢枕獏山岳短篇集
夢枕獏

メディアファクトリー 2012-04-20


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 著者の山岳短編小説をまとめたもの(単行本初収録作を含む)。

「深山幻想譚」厭世的な気分になって山に登った男は、通りすがりの男から奇妙なものを見せられ…。
 中盤の変調から、鮮やかなラストへの着地が見事。

「呼ぶ山」山に呼ばれた男の運命。
 儚くせつない命の灯が書かれている。

「山を生んだ男」吹雪に遭い、山小屋に避難した男を襲った困難。
 雪山の峻烈な空気すら感じとれそう。クラシックな題材を新しく調味する技の冴えが楽しめる。

「ことろの首」
 かつて一度読んだはずが、年月と共にすっかり内容を忘れていて、めちゃくちゃ面白かった。

「霧幻彷徨記」
 SFちっく。

「鳥葬の山」
 実話怪談では定番の因果を、チベットの風習に絡めてヒッチコック。怖くておもろい。

「カパーラ」器を買い求めた作家は、その材料を知り…。
 エッセイっぽく描かれているが、どこまでが現実で、どこからが創作なのだろう、気になる。

「歓喜月の孔雀舞」叶わぬ恋と、呪いの物語。
 哀しくも透明な、美しい余韻が後を引く。


2012-05-25

七飯宏隆「座敷童にできるコト」2・3

テーマ:■ライトノベル 電撃文庫
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 高校生の克喜が寮で出会った座敷童は、セーラー服を着た美少女だった! どたばた伝奇ロマン。

 一巻では恋愛要素が足りないなーと思ったら、ニ巻では恋の芽吹きが…でも、そっちじゃないー!! 未麟がどうにもアンビバレンツ。彼女には、もっと毅然としたキャラでいてほしかったような…自称が“俺様”なのに、自信のないくよくよキャラだとは、残念な方の意外。

 変人三人組は、ますますパワフルで楽しめた。

【中古】ライトノベル(文庫) 座敷童にできるコト (3) / 七飯 宏隆
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 三巻は鎌倉旅行なのだが、事件が起きるまでのコメディが退屈か。
 新たな座敷童には期待。ていうかこれ、百合メインにして少女小説だったらうけたんじゃない? 三千院とかバリ美形だし…。

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