少年計数機 ~池袋ウェストゲートパークII / 石田衣良 | 活字中毒

少年計数機 ~池袋ウェストゲートパークII / 石田衣良

池袋ウェストゲートパークの2冊目になります。今回のタイトルになっている「計数機」って知ってました?私は存在は知ってましたけど、名前は知りませんでした。漢字の通り、物を数える機械(例えば銀行にあるお金を数えてくれたりする機械とか、道端で人数数えるのに使ってるのもそうらしいです)なんですよね。それがなぜ少年とくっつくのか。


作品のタイトルとなっている「少年計数機」は10歳の少年・広樹の話。広樹は自分で自分のことを「自分はただの計数機で、人間なんかじゃない。そんな不正確で、信用ならないアナログ的存在じゃない。」という。彼は目に付くものをなんでも数えながら生きている。どうやら彼の人生で3869日目にマコトに出会ったらしいのです。たった10歳の少年がなんでそんな風に生きているのか。興味を持ってしまったマコトは騒動に巻き込まれていきます。


この他には、ネットののぞき部屋の仕事をしているアスミが主人公の「妖精の庭」、下ネタ好きな老人2人組みと共にひったくり犯を追いかける「銀十字」、女子高生監禁事件の「水のなかの目」の全部で4作品が入っていました。


私が気になったのは水の中の目です。女子高生が2週間も監禁されて陵辱された後に、逃げ出している最中に車に轢かれて死亡してしまった事件をマコトが調べているというストーリーなのですが、これがなんだか悲しい話でした。監禁していたのはその女子高生の弟を含むメンバー。ラストは私の予想外。なぜそんなことができるのかと泣きたくなるくらいです。

ちなみに、「少年計数機」も「水のなかの目」もと同様にとても切ないものでした。


唯一救われたのは「銀十字」かな。きよじいと鉄じいの2人がエロじじいなのにかっこいいんです。あんなおじいちゃん友達がいたら楽しそうだなと思わせてくれる作品でした。


IWGP2作目は1作目同様にマコトの周辺のトラブル解決の話でしたが、相変わらずおもしろかったので3冊目も楽しみです。


** 他に読んだIWGPシリーズ **

 >> 池袋ウエストゲートパーク
 >> 骨音 IWGP3

 >> 赤・黒 IWGP外伝

 >> 電子の星

 >> 反自殺クラブ

 >> 灰色のピーターパン


タイトル:少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉
著者:石田 衣良
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