毎度毎度更新に間があいてしまいすみません。
仕事が忙しいのもあるのですが、話が思うように書けずってのが一番の原因です。
そんな中手を出したのが・・・「「リク魔人」の妄想宝物庫 」の魔人様の罠でした。
色々な罠の中この話の続きが気になり書いてみようとチャレンジしてみました。
本来なら続き物は全て書き終えてから連日UPしたかったのですが・・・。
これ以上お待たせするのもなと思ったので出来たらその都度更新していくことにします。
まずは魔人様の書かれていたプロローグを少し弄らせていただいてのUPです。



まやかしの恋 プロローグ



「キョーコ、こっちに来て」

「なんですか、敦賀さん」

「うん、今日の仕事先で、たまたま入荷したばかりのコレを見つけてね」

「・・・・・・・バッグ・・・・・・・ですか。こないだも戴きましたよ?」

「うん。でも、あまり使ってないみたいだったし、これとはサイズも色も違うし」

「・・・・・・ありがとうございます。でも、バッグも・・・・・靴も、服も・・・・アクセサリーも、私一人では使いきれない位戴いてますから、もう買ってこないでくださいね?」

「・・・・・・・・・・・俺のプレゼント、気に入らない?あんまり、というか、使ってるの見た事ない・・・・・・・・」

「そ、そんな・・・・・・・こと。あの・・・・・・私には高級品過ぎて・・・・・似合わないというか、勿体ないというか。だから、その・・・・・・・私は自分で買ったもので事足りているので!!もう、無駄使いはやめてください・・・・・・ね?」

「無駄使いじゃないし、俺がプレゼントした物も使ってくれないと勿体なくない?」

「・・・・・・・そう、ですね。そのうち・・・・・・使わせていただきます。それじゃ、これ・・・・・バッグありがとうございました」

そう言って、折角出したバッグをまた奇麗に箱に包み直してしまう君。きっとそれも使ってもらえないんだよね。指輪は邪魔だからしないという君に、ネックレスを贈ってもやっぱり着けてくれなくて。服を買っても着てくれないし、靴もバッグも駄目。
君が身につけるのは自分で買ったものか、作ったものだけ。
付き合う前から俺が君に何かを贈ろうとする度に、猛反対していた君。
でも、今の君はあの頃の・・・・・・・自分の為に無駄使いさせたくないというのとは違う気がする。
ねぇ、キョーコ。君はいつになったら、俺のモノになってくれるの?
君が遠く感じるよ。
こんなに側にいるのに。
まだ俺を受け入れては・・・・・・・・くれないんだね。



「高そうなバッグ・・・・・・・はぁ・・・・・・・・」

何度やめてほしいと言ってもプレゼントを買ってきてしまう敦賀さん。
私が使うわけにはいかないから、包装を解く事もせずに仕舞っているものがほとんどだけど、今日のようにすでに開けられてしまった物は、なるべく元通りに包み直すしかない。

「もうこんなに沢山あるのに」

私の自宅には敦賀さんから渡された贈り物専用クローゼットができてしまった。そして今日もまたそこに、先程のバッグの入った包みをお店の紙袋ごと仕舞う。視線の先には同じように仕舞われた山のような・・・・・・・・・あの人へのプレゼント。

敦賀さんが精神的に参っているときに、なんとなく付き合いだしてしまったのが悪かったんだと思う。でも、私はちゃんと理解してる。あの人の身代わりだってことを。
だから、あの人に渡したかったであろうプレゼントは使わない。私のお古になんかするわけにはいかないから。私はあくまでも預かっているだけ。このプレゼントの山も・・・・・・・・敦賀さんも。
時々心が痛くて堪らなくなるけど、あの時敦賀さんを突き放せなかったのは私のミスだから。
罰だと思って、この痛みも受けいれるしかないと思っている。
でも、嘘でもまやかしでも、今敦賀さんと付き合っちゃってるのは私な訳で。
その事実が、本物のあの人を遠ざけちゃってることがわかっているのに、敦賀さんの手を離してあげられない自分の弱さに・・・・・・・・・・自分は馬鹿女のまま成長できていなかったことを思い知らされる。

「はぁ。なんだか、どんどん自分が嫌いになっていく気がするわ」

敦賀さんの幸せを思えば、今すぐにでも別れたほうがいいのだけれど・・・・・・・・それだけじゃ駄目なことにも私は気づいていた。
なぜなら。
敦賀さんもまた、私に逃げているから。
だかこそ成立している、まやかしの恋人関係なんだと思う。

敦賀さんの背中を押してあげる。
それが、私から彼に贈れる最後のプレゼントなのかもしれない。

「幸せになる為に遠ざかる背中を見れば、諦めもつくってものよね」

こうして私はやっと、甘くて苦しいまやかしの恋の世界から一人で生きる現実の世界へと戻る決心をしたのだった。



つづく



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