訃報「超伝導関連技術の物理学者・外村彰さん」 | 真空管のアナログ世界に魅せられて

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「温故知新」と言う言葉が有りますが、真空管は将にそんな存在だと思います。真空管を今では知る人も少なくなりましたが、デジタル全盛の今でも、真空管のアナログ技術を学び、真空管ラジオを楽しむ人は沢山います。私もその中の一人です。真空管を愛しむ想いで・・・・。

物理学者の外村彰さんが本日、5月2日病死されました。70歳の惜しい生涯でした。

外村彰さんは東京大学を卒業後、日立製作所に入社、生涯、量子力学的現象の解明に取り組んでおられました。ノーベル物理学賞に最も近い人でも知られていました。

この学問の分野は半導体とか超伝導技術の発展に貢献する学問でした。

JR東海がリニアモーターを採用したリニア新幹線の大阪開業を2045年を目標に進めています。外村彰さんの技術成果が将来、大きく貢献すると思われていましたが、同氏の死去は残念なことです。

ここで半導体と超伝導現象について触れておきます。

半導体と超伝導体の両者とも電流量が温度に依存します。

半導体は熱を与えると電流が流れやすくなります。電気良導体である銅、鉄、アルミニュームなどの金属に温度を与えると電流が流れ難く成ります。温度依存性について、両者はお互いに正反対の性質があります。

ここで、温度を低下すると、

 ・半導体 → 電流が流れ難く成る
 ・金属   →     〃  流れ易く成る

超伝導技術は温度を下げることで電流が流れやすくなる性質を利用して、抵抗損失の少ない電線を実現して効率の良い電気モーターとか電気コイル(電磁石)を実現します。

金属を冷却するには現在は液体窒素よりも低温度の液体ヘリュームを使用して、マイナス269℃まで冷却しています。

しかしながら、液体ヘリュームを使用することは本来構造が複雑になり高価な設備になりますから、出来るだけ高い温度で超電導を実現したいところです。

この技術を高温超電導技術といいます。この高温超電導の開発に世界の企業が競っています。

日本では住友電気工業が一歩進んでいるようです。

この高温超電導技術の確立に、亡くなられた外村彰さんの技術指導が待たれていました。

この高温超電導技術は、電気を貯める技術にも応用できます。電気損失が理想的にはゼロですから、いつまでも電気を貯めておくことが出来ます。

末筆ではありますが、

外村彰さんのご冥福を
お祈りします。

あらしアメーバ ♪

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