■松下・日本ビクター売却 | 真空管のアナログ世界に魅せられて

真空管のアナログ世界に魅せられて

「温故知新」と言う言葉が有りますが、真空管は将にそんな存在だと思います。真空管を今では知る人も少なくなりましたが、デジタル全盛の今でも、真空管のアナログ技術を学び、真空管ラジオを楽しむ人は沢山います。私もその中の一人です。真空管を愛しむ想いで・・・・。

私は、この日本ビクターの売却について、名門「日本ビクターの末路」と題して、書きました。それは、昨年の暮れの12/23日のことでした。


その時、来年の春(2007年)には、大きな動きが有るでしょうと予測しましたが、どうやらそれが当ったようです。

昨日から本日にかけて、日本ビクターの命運に関わる報道が盛んになりました


松下電器は、子会社の日本ビクターの売却に向けた入札を3/9日に実施しました。米投資ファンド会社の2社が応札したそうです。(サーべラス と TPG の2社)


松下電器では、両社の提示した価格とか日本ビクターの再建策を比較した上で、3月中には、1社に絞る予定。


松下電器が、ここまでして、子会社の日本ビクターを売却する動機は、自社の製品と日本ビクターの製品が競合していることと、日本ビクターの業績低迷が松下電器の足を引っ張る構造になっていることに有ります。決算は、子会社全てを併せた、連結決算ですからね。


昨年の暮れごろは、日本の音響電気会社のケンウッドに売却の予定と報道されていましたが、今回は入札に参加はしなかったようです。


日本ビクターは、1927年設立の電機の老舗です。自社で開発した家庭用録画機のVHS方式を、ソニーのベーター方式と戦い、その戦いに勝ち抜き、VHS方式を世界の標準方式に育てました(1976)。


この技術により、親会社の松下電器に、莫大な利益をもたらしました。松下にとって、日本ビクターは稼ぎのいい優良児だったのに、どうして、ここまでも業績が振るわなくなったのでしょう。一時の成功に酔い痴れた結果なのでしょうか。


日本ビクターは、3/9日、07年3月期の連結営業損益を下方修正しています。従来予想は100億円の黒字でしたが、10億円の赤字に転落です。


今夜、9時15分から奇しくも、NHK総合テレビで・・・・、

ドラマ「ハゲタカ」が有りますが、このドラマも外資による日本の企業の買収劇です。


日本ビクターの場合は、親会社の松下電器自身が売却に動いている訳ですから、「ハゲタカ」の如き、買い叩きには、成りません。


しかし、ビクター経営陣とか、従業員にとっては、辛い日が続きそうです。日本ビクターは、エリート企業だっただけに屈辱感が他会社の場合と比べ、何層倍も大きいものと思います。


日本ビクターは、米欧に於ける、ブランド力は、松下電器を凌駕するとさえ言われています。しかし、今月の末には買収会社が決まり、米の会社になります。寂しいと思うのは私だけでしょうか。


その外資ファンドは、日本ビクターの再建策は、如何なるものになるのか、大変気になるところです。

森 一夫
中村邦夫「幸之助神話」を壊した男
ローレンス A カニンガム, 増沢 浩一, Lawrence A. Cunningham
バフェットからの手紙 - 「経営者」「起業家」「就職希望者」のバイブル
真山 仁
ハゲタカ〈上〉
真山 仁
ハゲタカ〈下〉