我が家の二匹、しろねこ と ちゃとら は元気に秋の日々を過ごしております。

しろねこ はこのところ ちゃとら に負けないぐらいよく食べるのは、生き物本来の冬支度かと、4.0kgありまして。ずいぶんオバサンになったはずだけれど、あいかわらず木に登る姿は ちゃとら よりもうわてか、と見とれてしまいますし。

ちゃとら は9月の終わりに我が家に来て一年を迎え、目下4.8kg、図体は大きくなったものの、あいかわらず何かして欲しいときにはピーピー鳴きながら飼い主たちの脚にまとわりつき、座っているときにはよじ登ってきてあごをあごに擦り付けて世にも幸せそうな顔をしておりますし。

そろそろ、また少しずつ更新ができたらいいな、と。よろしかったら、お付き合いくださいませ。

朝食の準備をしようと台所に立つと、台所の汚染水…鍋や食器の汚れをお湯の中で落としたあとの水や、お米のとぎ汁などを専用のバケツに入れておき、菜園や庭木に与える…入りバケツの横に、太いミミズが死んでいる。

25センチぐらいはある大きなミミズがこんなところまでどうやって入ってきたのかしらん、と、ハエタタキですくって外へ捨てようとしたら、太ミミズはハエタタキの上でひっくり返った。

ひっくり返ったミミズは、お腹の色が白っぽく、ヒモのような体の片方の端が割れている。

毛の長いしろいねこ-7/30ミミズにあらず



普通ミミズの体は、「表」と「裏」で色は変わらないものではなかったかしら、とよく見たら、体にはウロコがあって…これはミミズではない!ヘビなのですよ。小さな口を開けている。そして、いうまでもなくすでに昇天している。

外に持ち出したところで記念撮影をした後、しばし考えた:

こんなものをこんなところへだれが持ってきたのか…まずまちがいなく ちゃとら のしわざにちがいない。

ミミズならば地面の上に放り出しておけばそのまま土に戻っていくだろうけれども、ヘビなら、穴を掘って埋めた方がいいだろう、ニワトリがつついても、猫たちがオモチャにしても、何か病気(寄生虫)がいないとも限らない気がするので。

穴を掘り、丁寧に埋葬することにした。今年生まれたばかりのヤマカガシの子だったろうか。

午後5時過ぎにゴロゴロいい始めた曇り空は、まもなく土砂降りの夕立になった。ピカピカ、ゴロゴロはずいぶん近くで、家の周囲は雨水が川のように流れている。この家は斜面を利用して建てられた二つの棟からなり、どこへ行くにも何をするにも上がったり下りたりする必要があるのだが、ところどころ自然石を利用して階段のようにしてある通路は、降雨量が多いと川のようになり、土が次第に侵食されてデコボコになって歩きにくかったりする。

その土砂降りの雨が降り始める直前に我が家の猫たちは家の中に戻ってきていた。

ピカピカ、ゴロゴロ、時折ダダーンとなる雷の音をどう聞いているのか、猫たちは二匹ともくつろいで床に寝そべっている。仲がずいぶんいいようにも見える。

毛の長いしろいねこ-7/29くつろぐ


画像は、網戸から外を見たり、隣にちょっかいを出したりしている我が家の猫たち。しろねこ の目の前には、引越してすぐに当面のつもりで作った猫専用出入口(濃い茶色の板の部分)が。四六時中彼らは好きなときにここから出入りすることができる。

夕立の間中、猫たちは、窓から外を眺めてみたり、ちゃとら はゴハンを食べ始めてみたり、仰向けに寝そべったり、二匹とも音にも光にも全く驚いた様子はなく、すっかりくつろいでいる。

しろねこ も ちゃとら もごく小さいときに、多分経験する初めての雷に、筆者はかれらの小さな体を包み込むようにして抱き「いい子、いい子、ダイジョブ、ダイジョブ」とカミナリが遠のくまで優しく撫でてやった。まるで念力をかけるように。

それ以後は、よほどの雷でもひとりで平気で過ごすようになったもの。「カミナリ教育」といっている。

同じことはニワトリたちにも。ヒヨコのときに、雷が鳴り始めると手の中に包み込んで「怖くないよ、平気だよ!」と話しかけながら飼い主はゆったりとした気分を維持してやる。

だから(と思いたい)、この二匹は外でどんなに大きな音と光が炸裂しても、ほとんど驚きもしないで平気で過ごしているのであるよ。




朝には雨が降っていたが、午前中半ばになって上がった。

外で ちゃとら は草を食べていたし、しろねこ はただでさえいつも体を舐め回しているし、今日は何となく飼い主にまとわりついて離れない。

家にいる しろねこ に毛球症対策ペーストを舐めさせることにした。あとで ちゃとら にも与えようか、と。

まもなく ちゃとら が帰宅し、パソコンに向かっている筆者のひざに乗ってきた。草の中を歩き回ってきたのか、体の下…四足とお腹…が濡れている。最近は古シーツとは限らないが、猫用に用意してある古い布「猫布」をポットのお湯で湿らせて拭いてやることにした。

その ちゃとら、昼少し前に家の中からガラス越しに何か一心に見上げて「ァア、ニャ」などと興奮している。何かと外を見ると、ホオジロの夫婦が松の木に止まり、枝をあちらこちら飛び移っていた。

そのホオジロたちを捕まえるつもりで外に出かけたのかどうか ちゃとら はしばらくすると小さめの、羽が透き通ったセミを捕まえてきた。取り上げて逃がしたら、セミはヒグラシだった。

筆者は、ヒグラシを何度も捕まえようとして今までに一度も捕まえたことがない。神経質というのか、警戒心が強いというのか、ヒグラシは木の高いところに止まり、すぐに飛んで隣の木に行ってしまうのだが、ちゃとら はあんなに捕まえにくいものをよく毎日に近く生け捕りにしてくるものよ、といささか舌を巻いてしまう。ネコとヒトの運動神経の差なのかしらん(筆者が鈍いだけかも)。

今日の午後、旧居の片付けに出かけている家族とやり取りしたメールより、時間を追って我が家のネコたちの模様。

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14:53 今、コーヒーを飲みながら猫鶏の二食目の支度をしている。猫たちは二階で寝ている(と思う)。引越してきて、ひと月経った。

16:44 しろねこ は外から帰ってきて一食目を食べてまたすぐに出かけた。ちゃとら は二階から降りてきて二食目を食べ、ちゃとら も出かけた。

18:44 ラジオを止めるほどではなかったけれど、夕立で雷が鳴った。少し雨が降って涼しくなった。

その、雷がかなり近くで鳴っていても ちゃとら は外に走り出て、あたりを駆け回っているかと見ているうちにどこかに行ってしまった。全く音や稲光を怖がっていない感じで、誰に似たものやら。

しろねこ は二階にいるらしい。コトコト音がしているけれど静かなもんだ。

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その後、背中に雨粒を少しつけて ちゃとら は雨が止みかけたころに帰ってきた。ポットのお湯で湿らせた「猫布」で体を拭き、ブラシをかけた。二匹とも夜の間はなぜかおとなしく家の中で眠っている。24時間出入りできる猫専用出入口が開いていることがしっかりとわかっているからかも。

夜中の三時前に、ちゃとら が寝ている筆者の顔にまとわりついて来て起こされた。ちゃとら にドライ・フードを与え、起きたついでにトイレに行き、戻ってくると しろねこ は居間のパソコンを置いてある木のテーブルの上に丸くなって眠っていた。眼を覚ました しろねこ にもドライ・フードを出してやる。

しろねこ は、何かして欲しいことがあるとき、その方をじっと見ているらしい、と気がついたのは しろねこ がまだ手の平よりは少し大きくなったぐらいの子猫の頃だった。しろねこ はドライ・フードが食べたかったらしく、当時階段においてあったドライ・フードの箱の前に座り、お尻をこちらに向けて前足を立てて座り、箱をじっと見つめていたのであるよ。

その後、大きくなってからのこと。夕方になってもなかなか手が空かなかったときのことだが、しろねこ が一心に柱を見上げているのに気がついたことがある。何を見ているのか、と しろねこ の視線の先をたどった筆者は思わず「そんなことってある?」と声に出してしまった。しろねこ の視線の先には、猫ブラシが柱にかけてあった。しろねこ は習慣になっている夕方のブラッシングを「早くしてよ!」と訴えていたのであるよ。

筆者は猫ブラシを取って しろねこ の前に持ってきて「これ?」と聞くまでもなく しろねこ は「ニャーーーーーーーー」と返事をしたものだった。「やっとわかってくれたの?!」とでも云うように。

猫はみんなそんな風に飼い主に対してメッセージを送っているものなのだろうか。

ちゃとら を見ていると、どうもそうではないらしい。

ちゃとら は捨て猫だった。その日突然、母ネコからも、見慣れた「おうち」からも引き離されて、田んぼや畑の広がる田舎道に放り出された。生まれてまだひと月半かふた月しか経っていないチビネコは大声で鳴きながら疲れ果て、さまよっていた。

しばらくして様子を見に来たオバサンに捕まえられ、見知らぬ家に連れてこられた。その家には白っぽい毛の長い(多分)お母さんネコよりはずっと年が上のネコがいることはいたのだが、近づくと「フー、シャー」と叱られ、取り付く島もなかった。

その家の人間たちは、いささか脱水気味で声をからし、空腹で疲れ果て、途方に暮れ、不安を抱えていた(だろう)そのチビネコを抱き、撫でて落ち着かせ、水を飲ませ、離乳食のような手作りゴハンを食べさせ、眠らせてくれた。

その後、ちゃとら は寂しくなったり不安になったり、求めてもなかなか受け入れてもらえない しろねこ の態度に絶望すると、飼い主たちの足元に行き、一心に顔を見上げるようになった。抱き上げてひざに乗せてやると ちゃとら は飼い主たちの体に登って首のあたりの襟に爪を立て、ゴロゴロ云いながら自分のあごを飼い主のあごにこすり付けてくるようになった。

最初のうちは、甘ったれているのだと思った。最初は小さな子猫だったので気の済むまでそのゴロゴロに付き合ってやることにした。ちゃとら の鼻水だかヨダレだかで、飼い主たちのあごはベトベトになるのだが。

が、そのうちに、あごをこすりつけてくるときは大抵ドライ・フードを出して欲しかったり、原発の事故の後は、外に出してもらいたいときだったりと、何かして欲しいことがあるのかもしれない、と気がついた。必ずしも甘えたくて来るわけではないようだ、と。

何かして欲しいことがあるとき、ちゃとら はまず自分の存在に気をひきつけようとするのに対し、しろねこ はして欲しいことやものが何かを知らせようとするのかなぁ、などと。ムカシいた しろねこ の母ネコは、何かして欲しいときには一心にこちらの目を見つめて飼い主の足元の正面に座り「ニャー、ニャー」と鳴いていたような気もする。一匹一匹みんなちがうものかもしれない。
今日も二匹ともあまり食べない。予防にもなるはずだから、と二匹に毛球症対策ペーストを舐めさせることにした。一食目をほとんど食べないのは、今日はかなりの早朝から気温が上がったからだろうという気はするのだが。

我が家の猫たちは、ひんやりとした空気が感じられるときは日中でもしっかりと食べるが、暑いときにはぐたっと寝そべり、水を飲む以外ドライ・フードもあまり食べようとしない。夕方までうつわにたくさん手作りゴハンが残っていることを確認していても、夜中に涼しくなれば、朝までにほとんど残りがないほど食べていることもある。

なにしろこの暑さなので、一食目は朝6時ごろに作ることが多く、すぐに食べないときには、昼過ぎにニワトリにでも与えた方が…一食目には鶏肉を入れないので…いいかな、と思い始めている。食欲があればドライ・フードで満たしてやることができるから、いくら手作りといっても傷んだものを食べて食あたりにでもなればそれこそおお事だもの。
昨日戻したと思しき ちゃとら はドライ・フード以外はほとんど食べないが、しろねこ は連日の暑さにもかかわらず体重をしっかり維持しているし食欲もある。

ちゃとら は食欲はあまりないようだが走り回ったり、外に出かけたり、あるいは しろねこ に絡んだりの行動はほぼいつもと変わらない。何か病気で食べないということではなさそうで、我が家で何度となく経験している「毛球症」と見てほぼまちがいなかろう。

与えたゴハンが傷んでいたのなら しろねこ の体調も悪くなっているはずで、しろねこ は元気そのものだし食欲もある。ちゃとら に毛球症対策ペーストを今日も舐めさせておこう。
まだ早朝といってもいいかもしれない頃、筆者は戸外に出してある鉢物などに水遣りをしていた。家の中から ちゃとら の、猫がサカリのときのような声が聞こえていた。

ちゃとら を旧居のすぐそばで拾ったのは昨年9月の終わり、ちゃとら が生後ふた月ぐらいのときだった。そろそろ ちゃとら もオトナになり、サカリを迎える時期なのかしらん、などとのん気に思いながら水遣りを終え、台所の片付け仕事を終えて回線の工事がまだでインターネットに接続できないパソコンに向かおうとして。

家計簿をつけようと買い物のレシートをまとめて入れた袋の上に少しかかって、毛の混じったものがある。

先の声はこれにちがいない。ものを戻すときにしばしば猫たちは半ば苦しそうな何ともいえない大声を出すことがある。それを「サカリ」等と勘ちがいしてはいけなかった。毛球症対策ペーストを舐めさせてやろう、と。

さて。一昨日、昨日と、旧居からダンボールに入れて持ち込んだ我が家の居間や台所のあれこれを、タンスやら収納カゴやらに収めたのだが、毛球症対策ペーストが見当たらない。さて、どこに入れたものやら、とまた所用で外出している家族にメールで相談したりして探し回ったが見つからない。

どこにしまいこんだものやら、と半分諦めかかった頃に、家族から電話がかかってきた。
「猫ブラシのそばにない?」…「あ、ホントだ、あった、あった!」

ペーストを持って二階に上がり、上半身を反転させて眠り呆けている しろねこ の上唇につけると、しろねこ はきれいに舐めた。

ちゃとら は、と見回すと、ダンボールの箱の向こうで目を開けて寝そべっている。明らかに今眼を覚ましたという表情でこちらを見ている。ちゃとら の唇の前に、指に着けたペーストを差し出すと ちゃとら はぺろぺろときれいに舐め尽してくれた。
しろねこ も ちゃとら もそれぞれ個性的な寝相で、暑い二階の板の上で眠り込んでいた。朝方の少し涼しいうちに与えると手作りゴハンもよく食べる。