90s ローランド VS−880 | Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

伝説のギタリスト、ブラックバード・マックナイト。その一環した職人気質な音作りとは裏腹にお茶目なブラックバードの一面を、日本生まれの日本育ち、ミセス・マックナイトがご紹介します。

先日また、ギター・ワールドから連絡があって、90年代スペシャル企画のためのアンケートにお答えしました。80年代スペシャルがとても好評だったと言うことで、お次は90年代となったそうです。

 

先日のブログで、カセットテープからストリーミングまで、音楽を聴く手段が大きく変わった話をしました。

 

 

同じように、レコーディング機器も恐ろしい発達を遂げました。我が家が結婚した頃、ブラックバードはジョージと一緒に仕事をするためミシガンにいましたが、その頃に、華々しく登場したレコーディング機材がこちら。

 

 

Photo from roland.com

 

ローランド社のVS−880デジタル・スタジオ・ワークステーション。当社のウェブサイトによると、世界初の安価なデジタルレコーダー、デジタルミキサー、デジタルエディター、そしてエフェクトプロセッサーが一台に統合された機材と言うことです。ウィキペディアを見ると、VS−880発売まではカセットテープによるマルチトラックレコーダーが主流だったが、ハードディスクによるランダムアクセスと無破壊編集がメリットとなりベストセラーとなったと書かれています。

 

ブラックバードがこのギアを入手したのは、1996年、ミシガン大学があるアンアーバー市の小さな楽器屋さんでした。まだ出たとこだったんじゃないかな。

 

当時、我が家は、湖のほとりのモーテルの1室を借りて住んでいました。作りはちっちゃなキッチンとリビングに、結構大きな寝室。ツインベッドの部屋だったのですが、ブラックバードのスタジオを組み立てたいと言ったら、オーナーがベッドを1つ取り除いてくれました。夜中にごそごそ起き出してレコーディングをしているブラックバードと、作業音など物ともせず熟睡するMrs.。そこにやってきたVS-880、ブラックバードがいつも言います、田舎で周りには何にもないし、あの頃は曲を書きまくったって。

 

ブラックバードのソロ作”’Bout Funkin’ Time”。このアルバムに収録された曲のいくつかは、その頃作り始めたものです。例えばこちら。

 

 

もちろん、このアルバムが発表となる頃には、自宅録音のテクノロジーは大きく発達し、パソコンベースとなっていました。ブラックバードは、VS−880以前のカセットテープも含め、仕上げていない音源が山ほどあるんですよ。そういうところ、妙にジョージに似てる。

 

しかし、安価といっても、当時2500ドルもしました。今、子供たちが、スマートフォンにくっついてくるフリーアプリ、または高くても数百ドルほどあれば入手できるソフトウェアで、ガンガン音楽を作っていることを考えると、時代は変わりました。

 

今のレコーディング手法は便利になったと言えば言えるのですが、パソコン、レコーディング用ソフトウェア、それに追加するプラグインなど、どれかがアップデートするたび、何か不具合が起きるんだよね。テクノロジーには、何か頭痛の種がつきものだと思うのは、世代のせいでしょうか。VS−880の時代は、物事がもっとシンプルでした。

 

BB : ”僕、今でもVS−880、大好きだなぁ。また使えるよ。“

 

なんて、言ってますが、Jazz Driveとか一緒に使うもの入手できるんでしょうか。それに、今思い出すと、外付けドライブが、なんか、うまくいかないこととかなかったっけ?いくつも違うドライブ、買ったよ、確か。

 

ま、いっか。良い思い出だけが残る、これは楽しい人生の基本ですものね。