昨日、マイルス・デイビスの甥っ子、ビンス・ウィルバーンから電話がありました。なんでも、SFJAZZ Centerが5年前のマイルス・エレクトリック・バンドのショーをライブ・ストリームするらしく、ご招待していただいたんです。ビデオをライブなんて笑っちゃうなぁと思ってたのですが、出だしのところでビンスのインタビューがありました。そこがライブだったんですね。
日本は新型コロナ、また酷くなっているようですが、アメリカではもう、パンデミックなんて記憶の片隅にも残ってない人が多い。ローラパルーザがフルキャパでの開催が決まったって言ってたな、大丈夫かよ。ただ州によって対応は様々で、NBAのプレイオフがいい例なんですが、NYなんて満杯の会場で大盛り上がりなのに、レイカーズなどカリフォルニアのチームは観客数制限があるので、ホームコート・アドバンテージなんて名ばかり。という事で、まだまだ満杯の会場でライブという訳には行かないカリフォルニアのコンサート会場、苦肉の策でしょう。
ブラックバード、Mrs.が撮るビデオも含め、自分のパフォーマンスを見る事はあまりありません。好きじゃないらしいんですが、この日は一緒に見ることに。自分の演奏となると、この世で一番厳しい批評家と化すブラックバードですが、このライブは珍しく気に入ったようです。ストリームはメンバーオンリーのイベントでしたが、その後、Youtubeで公開されているようです。いいビデオですよ、皆さんもマイルス・デイビスの世界にどうぞ。
Miles Electric Band、来日もしたんだよね。
皆さん、お体にはくれぐれも気をつけて。早くパンデミックが終息して、こんなライブができるようになるといいね。
さて、本日のお昼ご飯はナポリタン・スパゲティ。Mrs.のナポリタンは昔、姉が連れて行ってくれた洋食屋さんの味を再現しようとしているもの。
当時大学生だったMrs.、土曜日はまず家にいると知っていた姉が、また美味しいお店を見つけたから出ておいでと連絡をくれました。早速、姉のバイト先に出向きます。昭和の香り漂う商店街の外れにそのお店はありました。中に入ると、オープン・カウンターの中に、真っ白なシェフ・コスチュームに身を包んだオーナーがいて、我ら姉妹を迎え入れてくれました。商店街の一角のお店とは思えません。
カウンターに座ると姉が言いました。
N：“ここはナポリタンがおいしいねん。”
姉が美味しいというものに間違いがあったことなど、ただの一度もありません。でもちょっと不思議に思ったMrs.。当時はいわゆる創作スパゲティが台頭し始めた頃。今では当たり前のメニューですが、タラコスパゲティとか、きのこバター醤油とか、そう言うやつですよ。もちろん姉はその手のお店もいち早く見つけていて、Mrs.も教えてもらって学校帰りによく立ち寄りました。そんな時代にナポリタン？
Mrs.世代の人はこの感覚、きっとわかっていただけると思うのですが、Mrs.が子供の頃、スパゲティと言えば喫茶店の軽食、ミートソースかナポリタンだったんですよ。美味しいから食べると言うよりは、小腹が空いてるから頼んだって感じの存在。なので、グルメの姉の口からナポリタンと言う言葉が発せられたことに驚きを感じたんです。
でも姉と一緒にナポリタンを注文、カウンターで見ていると、シェフ、玉ねぎを炒め始めました。手つきはもちろん素晴らしいですが、やってることは喫茶店と同じように思える。ベーコン、スパゲティを加え、最後にソースです。シェフ、柄の長いおしゃれな玉じゃくし（もっといい言葉きっとあるはず・・・）でステンレスの深い鍋からトマトソースをすくい、頭くらいの高さからその真っ赤なソースをフライパンに注ぎ込みました。
おお、これはすごい！こんなパフォーマンス、今まで見たことありません。ジューと言う勢いのいい音がして、甘いトマトの香りが店中に広がりました。めちゃくちゃ美味しくて、もう、何十年も経つのに、あの味が忘れられない。
ナポリタン・スパゲティと言えば、ご家庭ではケチャップじゃないですか。でもあの目の玉が飛び出るような砂糖の量をみると、ケチャップを使うことなどできません。と言うことでMrs.、トマトピューレや味醂などで作っていたんですが、先日、最強のケチャップを見つけたんですよ。こちらです。
本当のケチャップというものがこの世にあるとすれば、きっとこれ。成分はトマト、ビネガー、オニオン、ガーリック、スパイス、トマトの甘みだけで勝負です。以前、りんごで甘みをつけたノンシュガーのケチャップを買ったこともありますが、ちょっと違うんだよね、美味しかったけど。
と言うことで、このケチャップとひよこ豆のパスタで作ったら、あの真っ白の背の高い帽子をかぶったシェフのナポリタン・スパゲティが、ご家庭でできちゃったんですよ。
欲しいものの入手が難しくなる中、色んな新しい発見もあるパンデミック。