『忘れないでいてくれ』のスピンオフ作品。
前作でチラリと出てきた花吹雪先輩のお話。

タイトルに合う美しく素敵な装丁です。
イラストはありません。
挿絵もありません。

前作のイラストを担当された
朝南かつみさんへの追悼本でもあるからです。

透明カバーをつけて大切にします。

【関連記事】
忘れないでいてくれ

サクラ咲ク 著者:夜光花
リンクスロマンス BL小説 2013年1月
★★★★
サクラ咲ク (リンクスロマンス)/幻冬舎
¥898
Amazon.co.jp


◆あらすじ(裏表紙)
高校生の頃、三カ月の間行方不明となり、その間の記憶を無くしてしまった早乙女怜士。 明るかった性格から一変し、殻に閉じこもるようになった怜士の前に 中学時代に憧れ、想いを寄せていた 花吹雪先輩――櫻木と再会する。 ある事件をきっかけに、怜士は櫻木と同居することになるが… ◆


感想は読メからコピペしたものに加筆修正しています。

自分を魔法使いだと言う花吹雪先輩。
不思議ちゃん系というのではなく、
理知的でありながら、
ふわりふわりとどこか浮世離れしている印象です。

羽根が生えてるという表現がぴったりな
花吹雪先輩=櫻木が掴めなさすぎて、
こういう人に恋すると本当に大変です。

誰にも執着しないから誰にでも優しい。
そんな人の一番になる方法はあるのだろうかと
読みながらちょっと不安になったほど(笑)

怜士は過去の事件がきっかけで
ガラリと性格が変わってしまった重いトラウマ持ち。
ネガティブ思考で笑うことがなかなかできないんです。

中学時代に憧れていた櫻木と再会し、
再び彼を慕う恋心が育っていくのですが、
なにしろ相手は花吹雪先輩ですから!
一筋縄ではいきません。

前作に続き、こちらも封じ込めた記憶によるトラウマという重い題材があり、
恋の進展と事件の真相という2本立てで展開していきます。

前作のキャラである清涼、秦野、塚本も出てきます。
清涼は櫻木だけでなく、怜士とも繋がりがあり、
彼の特殊能力が記憶に関わるものでもあるので、
しっかりと話に加わってきます。

怜士の封じられた記憶が明かされる後半は痛く重いです。
事件の大詰めシーンでの怜士の行動は
予想してなかったので愕然としました。
ショックでした。

でも、怜士の笑顔というあたたかいラストで締められていて良かった。

櫻木の怜士への心情変化の根拠が曖昧ですが、
本人もきっと把握しきれてないんだろうなと解釈しました(笑)
怜士の心の底からの笑いを見たいという想いそのものが
恋だったのかもしれません。

イラストについて。
朝南さんの絵がないのがとても哀しく、
櫻木と怜士を朝南さんはどう描いただろうと
終始頭の中で朝南さんの絵柄を思い浮かべながら読んでました。

私、この作品は朝南さんの絵以外は受け入れられず、
どなたが描かれたとしても違和感を持ったと思うので
イラストなしで刊行という英断に感謝してます。

そして…。
夜光さんのあとがきに涙しました…。

≪夜光花作品INDEXへ
≪朝南かつみ挿絵作品INDEXへ  (ナギ読了本のみのINDEX)
≪朝南かつみ挿絵作品リストへ  (全ての作品のリスト)

↓クリックよろしくお願いします♪壁||ョ*´ェ`) 
にほんブログ村 小説ブログ BL小説読書感想へ  にほんブログ村


忘れないでいてくれ (リンクスロマンス)/幻冬舎コミックス
¥898
Amazon.co.jp