独りきりの夜が、やっと終わる――
(帯キャッチ)

木下けい子さんの『幾千の夜 最終夜』、シリーズ完結編です。

木下さんらしい繊細な描写で、
全巻、切なさに頬を濡らすシリーズです。
最終夜も切なくてもどかしくて、なんど涙腺刺激されたか!

あぁぁ、私は何故これを年末に読まなかったのか!
これ、読んでたら年間ランキングの上位に入れてたよー。
(≧△≦)あぁもうナギのばかばかばかー!

んでも、昨日の12月ベスト5記事にも書いたけど
実際、12月にこれ読んでたら月間ベストの選択に悩み悶えたよねwww
でも、それくらい大好きってことで( *´艸`)ムプ
これは、読メのコミュに提出する(予定の)年間ベストに挿れよう!

【関連レビュ】
幾千の夜 第一夜  第二夜

幾千の夜 最終夜 著者:木下けい子
ミリオンコミックス BLコミック 2012年1月
★★★★★
幾千の夜 最終夜 (ミリオンコミック CRAFTシリーズ49)/木下 けい子
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◆あらすじ(裏表紙)
数年前、宙はこの世で一番大事で特別な存在だった哲弥と別れることを選んだ。 守られるだけの自分から変わるために、哲弥に哲弥自身を大事にしてもらうために。 未熟な子供から大人になり、街で歩いていても哲弥と似た人をつい探してしまう。 もし、もしもう一度てっちゃんと逢えたら―― そんなとき、偶然ふたりは擦れ違い!? 幾つもの夜を越えたふたりの想いは…… ◆

大人になって再会したふたり、
お互いに想い続けてるのに心が繋がらないのがもどかしいのです。

というのも、てっちゃんがかなり後ろ向き。
てっちゃんにとっての宙は守るべき存在であり、
自分だけが、宙を守れる人間でありたかった。

てっちゃんの中での宙はいつまでも、
幼い頃の真っ白でフワフワな穢れないもので…。
そんな宙を自分の劣情で汚して壊してしまったと自責の念に駆られていて。

てっちゃんは宙を偶像化していたというか、
自分の中にある過去の宙にとらわれていたというか、
てっちゃんの宙への想いが純粋だとも言えるのだけど。

そして、宙。
てっちゃんに庇護されるのではなく、
てっちゃんと並んで歩いていくために、大人になるべく頑張っていた。

一方的に守られるだけじゃなく、お互いに支え合っていく。
男同士のカプなら、なおさらですもんね。

成長した宙の髪をてっちゃんがクシャっとするシーン、
その時の、てっちゃんのネガティブなセリフと共に胸に来るのですが、
それよりさらに切なかったのが、
一人でちゃんと生きてることを、
てっちゃんにホメて抱きしめて欲しかったと泣く宙でした。

てっちゃんと再び会う日のために頑張ってきた宙。
それなのにてっちゃんたら…ヘタレ過ぎるよ!(≧△≦)
攻がヘタレるのはカプになってからにしてくれ~(笑)
てっちゃん、しっかりしろ!
マジ、てっちゃんってば、ダメ男でした。

てっちゃんの元カノも登場しますが、
ヘタレ哲弥のせいで、なんだか彼女が可哀相になりましたヨ(´;ω;`)

リョーちんのアドバイスもあり、大切なことに気づいた宙。
宙の方がしっかりしててホッとしました。
性格的には変わってないけど、
心を決めればきっちりと行動できるようになり、
すごく成長したのがわかります。

キスシーンもHシーンもとても綺麗な描写でうっとりでした♪
「幾千のキス」のラストに向かうモノローグがとても好きです。
表紙のイラストにも繋がる文章で感動です。

ふたりが重ねていく幾千の夜から生まれるたくさんの幸せが見える。

――心の狭いてっちゃん、
あなたが真っ白でフワフワの宙を染めてあげればいいんだよ――

てっちゃんと過ごす時間の中で、
宙はきっと温かく幸せな色のフワフワになるんだろうね。
そして、てっちゃんもそんな色になってるに違いない♪

描き下ろしもペーパーも可愛い二人に笑えました♪
バカップルになったふたりに、いつか逢えたらいいな~
その頃にはてっちゃんの心も15ミリ四方くらいには広がってるかしら?(笑)

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