遠野春日さんの『情熱シリーズ』3作目。
東原と貴史の掌編も収録されてます。

【関連レビュ】
ひそやかな情熱  情熱のゆくえ

情熱の飛沫(しずく) 著者:遠野春日 イラスト:円陣闇丸
ゲンキノベルズ BL小説 2004年5月
★★★★
情熱の飛沫(しずく) (ゲンキノベルズ)/遠野 春日
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◆あらすじ(裏表紙)
秋の終わりから同じ部屋で休むようになった遥と佳人。 ささやかな幸せを噛み締める日々の中、佳人はかつての級友・赤坂と偶然出会う。 麻薬取締官となっていた赤坂は、昔から佳人をライバル視しており散々嫌味を言う。 その場はそれで別れたが、東原を交えた香西の船でのクルージングの日、身分を偽った赤坂と再会し、驚く。 ひとり悩む佳人を見守る遥の、そっけない態度には優しさが垣間見え…。 春の雨のように降り注ぐ熱い想い――。 読者待望の「情熱」シリーズ第3弾!! ◆

今回は、カプに何か問題が起きるわけではなく、
佳人の高校時代の同級生が絡んだお話でした。

コイツが傲慢で横柄で嫌なヤツなのです。
そんな男がヤバイことになってしまうと…。

人が苦しむのを放っておけない佳人の気持ちを
察した遥が共に動くという、
遥の佳人への愛情がたっぷり伝わってくる話でした。

あとがきに「サ○エさんチックな描写」とあるけれど、
この二人にとってはヤクザ絡みのネタや救出劇ですらも、
もはや「サ○エさん的」な日常だったりするのかも(笑)

事件そのものは、またもやハードな展開ですが、
遥と佳人の日常もたくさん描写されてて良かったです。
二人の関係がしっかりと深まっているのがわかりますから。

自分が無愛想だと自覚しつつも、
どんな言葉をかければいいかがわからない遥は、相変わらず不器用です。
それでも、少しずつ態度や表情が柔らかくなってきたかな。

そんな遥をちゃんと理解してる佳人です。
でも、佳人自身も言葉が上手くないので、
素直に言えば遥が喜ぶだろうにって言葉を飲み込んじゃってたり(笑)
まぁどっちもどっちってことですが、
そのあたりも二人が分かり合ってるからいいんですよね。

一緒にいて、言葉がなくても気詰まりでなく、
安らげる関係というのはステキですよね。
そんな時間と空間を持てるようになった二人にホッとします。

東原と貴史の関係は進展ないですが、
遥が何度かツッコミ入れてますし、
東原もなにやら思うところはあるようなので
今後に期待できそうです(o ̄ー ̄o) ムフフ

同時収録されてるお話も、
遥の言葉に刺激されたのかどうかわかりませんが、
突然マンションを訪ねてきた東原と貴史の一コマのお話でした。
(∩゚∀゚∩)

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