樹生かなめさんのホワイトハート2006年作品、
『もう二度と離さない』の番外編が載っているということで購入。

でも、この番外編はとても短くて、
もう1本の海外舞台の時代物がメインって感じでした。
これは、オリジナルなんですかね?


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もう二度と離さない

BLレビューby-cocolo--DANKE
DANKE 著者:樹生かなめ
GARBO 同人誌 2010年12月


『もう二度と離さない』番外編は、本編その後の二人です。

日本でも全国各地に転居を重ねていた渓舟と司。
それは、司の身体を気遣う渓舟の、
夏は涼しい場所に、冬は暖かい場所にという配慮から。

そして今、二人がいるのは
クリスマスムードが味わいたいからと司が希望したドイツ。

冒頭での、
「この世で一番憎くて、一番愛しい男だ」という
司のモノローグが切ない。

そして、本編。

やはり司は罪の意識に苛まれています。

自分は幸せにな気持ちになってはいけないのではないかと。

「お前は何も悪くない。悪いのは俺だ」
と渓舟は何度も伝えますが、
司の自分を責める言葉は続きます。

でも、そうやって司が吐き出して、
それを渓舟が受け止めるのも
二人の心の傷の為に必要なことなんでしょうね。

だって、二人が離れることはないのだから。
お互いがお互いを必要とし、
ともにいることでしか生きていけない。

二人とも消えることのない罪の意識を
ずっと抱えながら生きていくしかないのだから。
たぶん、それが二人にとっての贖罪。

割れ鍋綴じ蓋カプは
こうしてこれからも苦しみながらも愛し合っていくのでしょう。

樹生さんのコメント、同人誌にもHPにもありますが。
本編『もう二度と離さない』は読者の賛否が分かれたようで、
同人誌で幸せな二人を書いてフォローしようと思われたそうです。
でも……結局切ない内容で……。

いえ!那義は満足です~!
だって本編大好きだもの。
あの本編のその後がラブラブハッピーでは
たぶん、ちょっと、違和感だったかもと思うので(笑)


同時収録されてるお話も面白かったです!
タイトルは…ないですwww
日本人、フランス人、ドイツ人が出てきます。
お貴族様が出てくる時代物BLです。

フランスとドイツの大きな財団同士の争いという背景に
武器と兵器売買や殺し屋といったハードな要素も盛り込まれ、
父と実の息子と養子の息子という人間関係が絡み合います。

このお話、いったいどこへ向かっていくのか?
という樹生さんならではの展開に
ぐいぐい引き込まれました。

ラブはあるのだとわかりますが
鈍い受けと不器用な攻めのせいで最後の最後まで
その実像が見えてこないのがまた樹生さんらしいwww


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