【時事問題】動画視聴メモ【8月上旬】 | 独立直観 BJ24649のブログ

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流行に浮かされずに独り立ち止まり、素朴に真っ直ぐに物事を観てみたい。
そういう想いのブログです。

 都知事選、内閣改造、そして中国による尖閣侵略と、内政から安全保障まで重大事が続いている。

 そして、天皇陛下のお言葉(勅語)が下された。

 しかし、これらについてどう考えたらよいか知りたく、識者の解説を聞いても、論点自体が多いし、識者ごとにいろんな見解が出されているため、耳で聞いても頭に入りきらない。

 そこで、動画視聴メモを作ることにした。

 

 

 

「2016/8/9 ザ・ボイス 高橋洋一 ニュース解説「経済諮問会議で安倍総理が働き方改革を『最大のチャレンジ』と位置づける」「中国公船の領海侵入に対し岸田大臣が駐日大使呼び抗議」など」 YouTube2016年8月9日

https://www.youtube.com/watch?v=34vqshwVr1w

 

(6分40秒~)

 働き方改革をするにも、金融政策によって失業率を「底まで下げる」ことが必要。

 まだ完全雇用ではない。過去10年ではなく、過去30年のデータを見よ。

 経済財政諮問会議は政府の追認をしている。かつては政府や日銀の不十分な点を指摘していた。

 

(13分50秒~)

 「漁船」は民兵であり事実上の公船。(漁民の自由意思ではなく)中国の国家意思の表れ。

 漁船・公船の背後には軍艦が控えている。「シームレス」に連携している。

 交戦状態に近い。「グレーゾーン」ではない。防衛出動してもよい。日米安保条約の適用範囲内。

 尖閣諸島(の一部)はアメリカの射爆場だから、アメリカにここで演習してもらえばいい。何もしない方が問題。抗議するだけでは不足。国際常識上通用しない。

 

(20分12秒~)

 オバマ米大統領の広島訪問はビッグ・イベントだった。日本としてはチャンス。

 オバマは核政策を見直すかもしれない。核兵器全廃は無理だとしても、先制核攻撃はしないとするかもしれない。

 核兵器保有後発組の中国は先制核攻撃はしないと言っている。アメリカが先制核攻撃をしないと言うことで、中国の転換を牽制できる。

 日本は被爆国の立場から、核兵器全廃を主導すべき。核兵器保有は、外交上、かえって日本に不利。原子力発電は続けた方がよい。

 

(26分25秒~)

 日本銀行の政策決定会合は課題の積み残し。追加緩和をすればよかった。

 金融政策は、インフレ率と失業率を見て行うもの。

 6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で▲0.5。今年は統計のウェイトの入れ替え作業があり、数字が高めに出る上方バイアスがあるため、改訂し直すと、さらに▲0.3~0.5のおそれあり。▲1とすると、デフレ。

 インフレ率を見ても失業率を見ても追加緩和やるべしという結論になる。なのに日銀は動かない。インフレ目標政策になっていない。

 

(32分53秒~)

 森喜朗元総理(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長)と小池百合子都知事の不仲が伝えられるが、二人とも老獪な政治家なので、大した問題ではない。

 予算カットをしすぎると関係悪化になる。東京都は財源を見つけるのは簡単。東京メトロの株式売却など。

 随意契約の見直しなどを細かく行っても、関係悪化するばかりで、財源は小さなものしか出てこない。

 

(38分54秒~)

 細野豪志議員は、蓮舫議員を支持し、共産党との連携を認めるならば、もはや保守派だとは考えにくい。

 自衛隊を違憲とし、個別自適自衛権の行使も認めない共産党と、どう連携するのか。この点を衝かれると、民進党としても選挙上不利なのでは。

 

(43分35秒~)

 ドナルド・トランプが共和党の伝統的な「小さな政府」路線を口にし始めた。

 共和党の主流派から外れたことを言うところに魅力があったのに、これでは他の候補者の方がよかったということになってしまう。

 規制緩和と自由貿易はセットで行わないと富を作れない。その上で減税を打ち出すと、政策に不整合が生じる。

 

<私見メモ>

 中野正志参議院議員(日本のこころを大切にする党)も、日米同盟が堅持されている限りは核武装は不要だという見解を示していた(http://ameblo.jp/bj24649/entry-12160935273.html)。

 核武装した方が外交上不利になるという理屈が気になるところ。

 

 

 

「2016/8/8 ザ・ボイス 潮匡人 ニュース解説「天皇陛下がお気持ちを表明」など」 YouTube2016年8月8日

https://www.youtube.com/watch?v=imIEXi4FCRM

 

(開始~)

 天皇陛下からお言葉が出されることが事前に報じられていたのに、人々はいつも通りの経済活動を行っており、あらためて戦後日本を感じた。

 NHKが先んじて「生前退位」の意向を報じ、他のメディアが追随し、宮内庁が否定したが、報道の大方の予想通りとなった。宮内庁が否定したのは、天皇は国政に関する権能を持たないことに配慮したからであろう。

 「象徴としてのお務め」という題に違和感。象徴とは務めを伴うものなのだろうか。摂政を置くことにも否定的な考えが示された。

 今回のお言葉を受け止めるならば皇室典範の改正をせざるを得ない。

 現行憲法では天皇の公的行為について位置づけがないが、自民党の憲法改正草案は位置づけている。「2年後」「平成30年」で始まったお言葉であるが、今後2年間をかけて国民的議論をしていくべきであろう。

 特例的な措置で問題を先送りする姑息な対応を取るべきではない。

 

(24分55秒~)

 対中国で、危機がエスカレートしている。

 日本政府は、海上警備行動を発令できるにもかかわらずしてこなかった。外務省は中国に抗議しているが、結果は出ていない。

 外交努力ではもはや中国を止められない。

 日本も新たなステージに踏み出す時なのではないか。

 

(31分40秒~)

 北朝鮮のミサイルに対処するには、破壊措置命令の常時発令しか打つ手がない。いちいち閣議などを開いているわけにはいかない。

 究極的には憲法9条の縛りが問題。迎撃態勢の拡充も必要。

 

(38分~)

 安倍昭恵夫人の髙江訪問

 

(40分7秒)

 タイで民政復帰となるが、実質的に軍政と変わらない。

 平和安全法制の議論の際、東大法学部の憲法学者がクーデター云々と言っていたが、これが本当のクーデター。

 

<私見メモ>

 特例的措置が姑息だとすると、特措法制定を提案している竹田恒泰氏が姑息だということになる。

 

 

 

「2016/8/3 ザ・ボイス 山口敬之 ニュース解説「内閣改造 新閣僚の顔ぶれ発表」「北朝鮮が弾道ミサイルを発射」など」 YouTube2016年8月3日

https://www.youtube.com/watch?v=TzIeEBD1egs

 

(開始~)

 都知事選の影の主役は二人の「茂」。

 内田茂自民党都連幹事長が、増田寛也氏を担ぎ、手を尽くしたがダブルスコアで負けた。7月初頭、石破茂大臣が増田氏に立候補を辞退するよう電話したという情報が自民党幹部の間で流れた。内田・石破の暗闘があった。

 内閣改造で石破大臣が去った。都知事選の背景と無関係ではないと思われる。

 

(4分38秒~)

 麻生太郎財務大臣は口先介入と本当の介入のグレーゾーンを突くのが上手。

 麻生大臣には発信力がある。

 

(6分50秒~)

 安倍総理大臣は基本的に「攻め」の選択肢をとるが、先月に衆参ダブル選挙を避けたことを含めて、今回の人事は「攻めない」。

 怪我の谷垣禎一前幹事長を除き、内閣・党執行部の骨格は変わらない。その中で数少ない目玉が稲田朋美防衛大臣。

 稲田大臣と安倍総理大臣の出会いは、2005年の総選挙。稲田氏は安倍幹事長(当時)から公認詔書を受領した。その前日、後の「小泉チルドレン」たちがぶらさがり会見で危なっかしい発言を連発していた。そこで、安倍幹事長は、稲田氏に、原稿を作って、ぶらさがり会見での発言を指導した。稲田氏は、一字一句間違わずに、しかも自分の言葉で喋っているように、堂々と喋った。安倍幹事長は「あの稲田さんはすごいね」と感想を漏らした。

 幹事長は、二階俊博議員以外の選択肢はなかったと言えるだろう。幹事長は人事とカネを握っており、実質上の党首。安倍・菅・麻生の「二等辺三角形」に谷垣・高村を加えて「四角錐」の安定した構造だったが、谷垣→二階で、安倍総理大臣を支える「四角形」が別の形になり得る。政権のあり方にも影響するだろう。

 安倍総理大臣は事前に「安定安心」などと言っており、谷垣前幹事長が怪我をしなかったら二階前総務会長が幹事長に就任することはなかっただろう。

 安倍・二階は「戦略的互恵関係」と表現する人もいるが、二階議員は直属のボスには逆らわず、忠実な参謀となる。安倍総理大臣としては、二階議員を近くに置いておいた方が安心。しかし、幹事長は王様であって参謀ではないという面もある。

 憲法改正を実施する上では、憲法調査会長が最重要人事だ。内閣に憲法調査会長が入っていない時点で、憲法改正は先送りになっていると見てよい。安倍総理大臣は長期的視野を持って人事を行っている。

 

(19分22秒~)

 北朝鮮はしょっちゅうミサイルを発射しているので、「慣れ」が生じている国民が多いと思われるが、どのミサイルをどの方角に向けて撃ったのかのには注意する必要がある。

 ノドンは最大射程2000kmで、日本の都市と米軍基地を狙うために設計された。ノドン発射は日本に対するメッセージ。

 男鹿半島沖250kmに落下。その延長線上には三沢基地がある。その気になったらこの基地を攻撃できるという脅し。

 ノドンはペイ・ロードで、1tから2tの兵器を載せられる。北朝鮮はプルトニウム型・ウラン型の両方の核兵器開発を進めており、一部完成したという情報がある。しかもノドンは移動式。

 とすれば、北朝鮮は核爆弾を日本に落とすことができる。

 テポドンなどが落下するというのとは異質。このことを国民は考えるべき。平和ボケしている場合ではない。

 

(23分20秒~)

 内田氏は都知事選が分裂選挙になってしまったことなどの責任を取って幹事長辞任。

 他方、石原伸晃都連会長は、会長を辞任したが、閣僚としては続投。

 この人事は、「政府の落ち度ではない」という意味。

 菅義偉官房長官も増田氏を担いだ一人であり、石原大臣を続投させないと、官邸・政府にまで累が及ぶおそれがある。官邸・政府は都知事選と無関係だからこそ、安倍総理大臣は都知事選の間に夏休みをとり、増田氏の応援にも行かず、動かなかった。

 これが第一次政権と第二次政権の違いであり、ここ半年くらいの違いでもあると思われる。安倍総理大臣の動きが本質的に変化している。

 第一次政権では、安倍総理大臣は、「美しい国へ」を掲げ、教育基本法改正など、保守政策に真っ直ぐに突っ込んでいった。そして病気で退陣した。闘い続けるイメージがあった。第二次政権になっても、特定秘密保護法案や原発再稼働や安全保障関連法案など、議論が割れる課題に正面から取り組んできた。

 しかし、最近になって、衆議院を解散せず、衆参ダブル選挙を避けた。都知事選の最中に夏休みをとるなど、第一次政権では考えられない。人事でも骨格を変えなかった。

 今の安倍総理大臣は「攻めない」。これは果たして戦略なのか。とにかく今までとは違う。安倍総理大臣の真意が読めない。だから安倍総理大臣に注意が集まる。しかし、政権維持の守りに入ったとか、政敵がいなくなって「ボルテージ」が落ちたとか、悪い見方もある。

 今回の内閣改造では、事前に情報がダダ漏れだった。党人事も閣僚人事も、前日・前々日から報道各社が断定で記事を書くのは安倍政権になって初めて。安倍総理大臣は今まで情報管理に気を配っていた。

 石破前大臣を閣外に出したことについては、石破前大臣が大臣を固辞したという見方があるが、安倍総理大臣もあまり一生懸命に引き留めていなかったと思われる。ポスト安倍として自分に牙をむきかねない人を閣外に出してしまった。ただし、ポスト安倍で石破議員を担ごうとする時の中心人物となる山本有二議員が入閣している。石破議員とのやりとりができるとも見られるし、石破議員の参謀を安倍総理大臣側にとっているとも見られる。

 

(32分5秒~)

 民進党は、政権交代を可能にする政党だと言うのであれば、この国をどっちに導いていくのかを明確に発信できるリーダーを選ぶ義務がある。

 共産党と共闘するのであれば、共産党を閣内に入れるのか、閣外協力なのか。政策課題はどうするのか。

 こういうところを明確にすることを逃げて協力だけしていると、野合と言われる。

 

(35分9秒~)

 三菱自動車の、2000年のリコール隠しと今回の燃費不正は似ている。

 不正が「体質」だと言われてもやむを得ない。

 

(38分50秒~)

 原発のテロ対策は情報を出さない方がよいが、民主主義国家では出さざるを得ない。

 

(40分18秒~)

 安倍総理大臣は、都知事選中、小池氏の批判をしなかった。

 今後、官邸と東京都が連携することを見越していたのだろう。

 両者とも、腹には一物あるはずだ。

 

<私見メモ>

 麻生大臣の評価が高く、「強い円」みたいな話も出てくるが、白川日銀的な経済観があるかもしれない。円高・株安の理解も怪しいかもしれない。

 

 

 

「【緊急特番】国民の心得~天皇陛下の「お気持ち」表明を受けて~|竹田恒泰チャンネル」 YouTube2016年8月9日

https://www.youtube.com/watch?v=jghF23DV1LQ

 

(開始~)

 天皇陛下自身のお言葉は「勅語」。

 平成の御世に勅語が発せられたのは2回目。1回目は東日本大震災の時のもの。

 勅語は合計4回。1つは昭和天皇の終戦の玉音放送、もう1つは明治天皇の教育勅語。それ以前は天皇が全国民に向かって勅語を発したことはない。

 

(4分18秒~)

 憲法上の制約のため、天皇陛下は今回の勅語でも政治的発言はしていない。産経新聞の号外は「生前退位 強いご意向」という見出しだが、そこまで読み取れるものではない。

 「生前退位」ではなく「譲位」が相当。「生前」は死を意識した表現であり、使用が憚られるもの。

 天皇陛下自身は「生前退位」とも「譲位」とも仰っていない。天皇陛下が仰ったのは、このままだと象徴としての務めを果たすことが難しくなるということ。この課題をいかにすべきかは国民が考えること。

 国民としては、譲位していただくか、公務を縮小して在位し続けていただくか、大きく2つの考え方ができる。

 課題が示されただけで、その解決方法については天皇陛下は仰っていない。

 

(15分50秒~)

 天皇の本質論が問われる。

 昭和天皇がご病気になった時のことを思い出してほしい。寝たきりになっても、摂政が置かれることもなく、ずっと天皇だった。

 その時、「天皇として機能していないから退位しろ」「さっさと摂政を立てろ」などと考えたか。

 寝たきりでも昭和天皇は象徴だった。

 天皇の本質は祈ることだ。昭和天皇は、自分のことは口に出さず、国民を想うことしか口に出さなかった。

 これも1つの天皇のあり方だ。

 天皇とは何かを考えてみる必要がある。国民は天皇を理解しようとしてこなかった。天皇は「しらす」存在であり、国民を理解しようとしてきた。

 その上で、譲位がよいのか、譲位しないのがよいのか、議論を深めていく必要がある。どちらもあり得る考え方。

 天皇陛下のお気持ちを断定的に語る識者に流されるな(所功など)。

 

(27分50秒~)

 天皇陛下は摂政を置くことに慎重。

 天皇陛下は、象徴としての務めを果たすことに重きを置いていらっしゃる。全身全霊でこの務めを果たせなくなることに危機感を抱いていると思われる。摂政を置いてもこの問題は解決しない。

 昭和天皇の晩年は、これはこれで重みがある。

 天皇によっても考え方が違うかもしれない。

 「退位」「譲位」という結論ありきで思考停止してはいけない。

 現在の天皇陛下が譲位なさることについては、おそらく問題はない。

 しかし、譲位を制度にすると、過去の歴史に鑑み、問題がある。平安時代には、天皇が上皇となって権勢を振るうということがよくあった。後鳥羽上皇や後白河法皇など、たいてい問題が生じている。皇室典範制定時、伊藤博文がこの問題点を指摘していた。

 もう1つの問題は、天皇の意思に反して、時の権力者が天皇を退位させるという事態が生じ得るというもの。崇徳天皇がそうだった。これがきっかけで保元の乱となり、平安時代が終わり、武家政権が誕生するという大政変となった。

 さらに、天皇が絶妙なタイミングで退位することで、政治に圧力をかけることができるという問題もある。江戸時代の後水尾天皇や孝明天皇の例がある。

 明治時代にこういう議論があり、譲位を制度化しなかった。終戦後にも議題になったが、やはり制度化しないこととなった。昭和天皇が82歳となった時にも同じ議論があった。その時にも宮内庁は譲位を認めるべきではないと答弁している。

 現在の天皇陛下・安倍政権ではこういう問題は起きないであろう。

 譲位を可能とする方法は2つある。1つは、皇室典範を改正して制度化すること。もう1つは、現在の天皇陛下一代限りの特措法を制定すること。過去の問題点もあるし、将来の天皇が昭和天皇型の考え方をするかもしれないし、後者の方が上策だと思われる。

 

(42分18秒~)

 報道機関が「右へならえ」になるのに違和感。

 天皇陛下は「墓は小さくせよ」と仰った。これに従ってはいけないと思う。持統天皇以来1600年間、歴代天皇は皆こう仰る。しかし歴代天皇の墓は大きい。国民が従わなかったからだ。「墓を大きくしろ」などという天皇はいない。

 天皇の仰ることに盲目的に従うのも問題がある。天皇を知り、議論することが必要。

 

(46分~)

 今回のお言葉にはドキッとさせられる内容もあった。

 天皇陛下は「個人として」と仰られる。

 天皇には2種類あると考えられる。国家機関としての法的概念の天皇と、その国家機関を担っている生身の天皇だ。

 今回のお言葉は、生身の天皇として、象徴天皇を担ってきた苦悩等を述べられたものだと解される。あくまで政治的発言はしていないが。

 今回のお言葉では、天皇は「伝統の継承者」という言葉が用いられている。制度を変えるという改革よりも、制度のどこを守るべきかという問いかけになっている。

 天皇陛下は、公務を縮小していくことには「無理」があると仰られた。天皇陛下の真面目な性格が出ている。

 

(54分8秒~)

 上皇を認めるとなると、皇位継承権があるのか、重祚は可能か、などの問題が生じる。

 法整備については、天皇陛下は政治的発言をしていないことを前提に議論せねばならない。

 

<私見メモ>

 昭和天皇は大日本帝国憲法下で即位している。今上陛下は日本国憲法下で即位している。

 この違いが、寝たきりになっても天皇であり続けることをよしとするか否かに関わっているのだろうか。

 

 

 

「【8月8日配信】緊急特番「陛下のお言葉を受けて」竹内睦泰・倉山満【チャンネルくらら】」 YouTube2016年8月8日

https://www.youtube.com/watch?v=ChUh7_BYN4g

 

 天皇陛下は言いたいことが言えない。

 天皇は憲法に規定されているが、本来は憲法の外にあるはずのもの。政体と国体。政体としてお言葉を発するほかなかった。

 天皇陛下は象徴天皇としては事実上初代の天皇。天皇陛下は、かかる天皇のあり方を真剣に考えられてきた。

 天皇陛下は、言葉を選び、譲位・退位という言葉を使わなかった。現在の憲法下では天皇が決めることではないから。

 天皇陛下は、政教分離の観点から、神道について語るわけにはいかない。しかし、遠回しに殯(もがり)について語られた。神道について語れないという行間を読むことが必要。

 天皇陛下は、過去・現在・未来を考え、「中今」の思想を語られたと思われる。

 

<私見メモ>

 憲法上、天皇が国政に関する権能を有しないというところに着目する解説はいくつも見られるが、政教分離に着目するのは珍しいかもしれない。

 

 

 

「【Front Japan 桜・特別版】天皇陛下のお言葉を承って[桜H28/8/9]」 YouTube2016年8月9日

https://www.youtube.com/watch?v=vHVmilTEDW0

 

(開始~)

 今回のお言葉では譲位などについて具体的に述べられてはいない。

 現在の憲法下で象徴としての天皇の役割はどのようなものであるか、その役割を律儀に守ることが困難になった時にどういう方策があるかについて、感想として語りかけられた。

 

(15分20秒~)

 渡部昇一氏は、「正論9月号」において、明治の皇室典範では譲位が除かれ、現在の皇室典範でも変わりはないことを指摘し、摂政を設ければよいとする。これが最善の方策だと考えられる。これを妨げる事由はない。

 大正10年、大正天皇が重病で公務の執行が困難となった時、皇太子だった昭和天皇は摂政となられた。そして5年間、その務めを果たされた。この慣例を踏襲すればよい。

 さほど困難な状況が生じたわけではない。

 なお、大正天皇は周囲の者が公務執行の困難を判定したが、今回は、天皇陛下自身が自ら公務執行の困難性を述べられている。

 

(20分23秒~)

 新聞に出てくる「生前退位」は聞き慣れない新語。

 本来は「譲位」と言うべきところ、「生前退位」という語が使われるのは、「譲位」と言ってしまうと、皇位継承権者第一位の皇太子殿下に替わるというニュアンスが生じてしまうためではないかと思われる。「生前」は余計であるが、「退位」という言葉には、退位した後のことは臣下が「よきにはからう」という含蓄があるものと解される。「退位」の方が意外と無難。

 皇太子殿下に皇位継承することにこだわらないという意味ではなく、現行の皇室典範の規定に従えばよいという含みになる。皇太子殿下が皇位を継承するということになる。

 

 「生前」は、俗用の表現をそのまま使ってしまったのではないか。わかりやすいが、不敬な表現。誰が「生前退位」という言葉を作ったのかは気になるところ。

 

(32分10秒~)

 2ヶ月の殯の行事、そして葬儀に関する行事が1年近く続く。これは残された皇族方にとって大変な負担となる。

 気になるのは、以前に「火葬でもよい」と仰ったことだ。これは残された皇族方および国民の負担を念頭に置かれた、非常に貴いお気持ちだ。しかし、臣下としては、そこまでお考えにならなくても、後はお任せ下さい、と申し上げたい。

 

(38分45秒~)

 安倍総理大臣が「重く受け止める」と簡潔に述べたのは良かった。臣下としては重く受け止める以外にない。天皇陛下の困難を察し申し上げて、対応を考える。

 

 気になるのは、摂政についての天皇陛下のお気持ちだ。摂政を置くことに消極的なお言葉だと解釈するメディアが多いようだ。しかし、摂政を置いた場合にも、「天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま」ではあるけれども「生涯の終わりに至るまで天皇であり続ける」と、天皇の位にはついていただけるという含みがあると解することができる。そして、象徴としての務めは摂政である皇太子殿下に任せると読んでよい。

 このお言葉に乗じて共和主義革命を目論む輩には気をつけなければならない。

 

(47分~)

 皇室典範を改正するにしても、譲位を設けるよりも、宮家を充実させることの方が重要。

 摂政となる東宮殿下の支えになる。

 天皇陛下も、いくらか安心して摂政に国事行為の代行を任せやすくなる。

 女性宮家・女系天皇の策謀に乗せられないために、資料を集めておくことが必要。

 

<私見メモ>

 小堀桂一郎氏が、天皇陛下は摂政を置くことについて必ずしも消極的ではないという解釈を述べるが、これには違和感がある。

 天皇陛下が現行制度および慣例に従って摂政を置いて終身天皇であってよいとするならば、わざわざ史上稀に見る勅語を出す必要などないのではないか。粛々と現行制度を慣例に従って運用すれば済む話になってしまうのではないか。

 天皇陛下は摂政を置くことには消極的だと解した方が素直だと思う。もっとも、臣民が議論した末に摂政を置くという結論に達したならば、天皇陛下がこれを拒むこともないとは思うが。

 旧宮家の復活によって、天皇陛下の摂政を置くことについてのお気持ちが変わることはあり得るかもしれない。とはいえ、旧宮家が復活しても、長らく臣籍降下されていたわけで、即座に皇室の藩屏として十全に機能するかという疑問はある。この点は大正時代と異なるであろう。