石破茂と前原誠司と増税政局 | 独立直観 BJ24649のブログ

独立直観 BJ24649のブログ

流行に浮かされずに独り立ち止まり、素朴に真っ直ぐに物事を観てみたい。
そういう想いのブログです。

石破茂(自由民主党。幹事長)

ishibahttps://www.jimin.jp/member/member_list/legislator/100476.html


前原誠司(民主党。役職なし?)

maeharahttp://www.dpj.or.jp/member/219/%E5%89%8D%E5%8E%9F%E8%AA%A0%E5%8F%B8


 両者とも、各党内では防衛通に位置し、比較的真人間だと世間に認知されていると思われる。
 両者とも、世間的には保守政治家として認知されているものと思われる。

 昨日、「増税道鏡」という記事を書いたが(http://ameblo.jp/bj24649/entry-11582049716.html)、記事を書き終えた後に、こういう動画を見つけた。

「石破さん、、、駄目だよこれ」ニコニコ動画2013年7月28日
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21459068


 石破氏は、リーマンショックのような例外的な事態でも生じない限り消費税増税を断行するという態度だ。
 前原氏は、消費税増税しない方のデメリットが重大だという態度だ。
 両者とも、増税に前のめりだ。
 「経済音痴」の一言で片付けることもできるかもしれない。
 確か、昨年の自民党総裁選でも、石破氏は、経済政策を特に語っていない。
 民主党政権が日本をボロボロにし、日本を立て直すには、国家観・富国・強兵の立て直しが必要で、腹が減っては戦もできなければ頭も回らないわけで、富国が初手となるのに。
 石破氏の増税推進発言は、聞き捨てならないものがある。

 この二人、ちょっとおもしろい共通点がある
 田母神俊雄閣下の著書を見ると、セットで名前が挙がることがあるのだ。アメリカ派の政治家として。
 田母神閣下は、政治家を、大きく、日本派・アメリカ派・中国派に分類する。
 なお、田母神閣下が自衛隊在籍時に、石破氏は防衛庁長官(第1次・第2次小泉内閣)・防衛大臣(福田康夫内閣)だったわけで、石破氏は、田母神閣下の元上司のような位置づけと言えよう。

tamohttp://www.toshio-tamogami.jp/greet/profile.html


田母神俊雄「自衛隊の敵」(廣済堂出版、2013年)153,154ページ
「アメリカ派は政界やマスコミの一大勢力
 こうしたアメリカ派の政治家や官僚は、現在でも数多く存在する。自民党には親米保守が多いので区別が難しいが、憲法改正や自衛隊の国防軍化に慎重な態度をとる人で、かつ親中派でなければ、だいたいアメリカ派と見ていいだろう。
 誰とは言わないが、現在自民党の要職にあるあの人もそうだし、前原誠司元民主党代表のように、中国派の多い民主党の中にさえアメリカ派がいるくらいだから、これは一大勢力なのである。
 自民党の中のアメリカ派が要注意なのは、保守の顔をしているくせに”日本派”ではないということだ。彼らは中曽根・小泉の両元首相のように、アメリカにいい顔をすることで自己保身が図れるのなら、平気で日本の国益を損なう行為に出るのである。」

自衛隊の敵 (廣済堂新書)/廣済堂出版
¥840
Amazon.co.jp

 個人的には、小泉総理については評価が厳しすぎる気はする。小泉政権以前の自民党政権は親中派が権勢を振るい過ぎたため、反動であのようにならざるを得なかったところもあると思う。ただ、アメリカ派という評価は当たっていると思う。

 田母神閣下が「誰とは言わないが、現在自民党の要職にあるあの人」というのは、何を隠そう、石破茂氏のことである(大して隠してもいないのだが)。

田母神俊雄「間接侵略に立ち向かえ!」(宝島社、2011年)79~82ページ
「日本のために戦える政治家はどれだけいるのか
 では、日本の政治家たちは、日本のために戦う覚悟ができているだろうか。命を賭して日本を守る意思のない者に、日本の政治を任せたくはない。中国の顔色をうかがい、アメリカの機嫌を損ねないように気を遣うより前に、日本の政治家なら日本国民のほうを見てもらいたい。ところが今の日本は「日本のために」と言ったとたんに、なぜか右翼扱いされる風潮がある。もっとも反日の左翼に対して、右翼は愛国である。だが「日本派=右翼」と決めつけるのは偏見である。
 そのようなレッテルを貼りたがるのは親中派で、アメリカはむしろ、親中と親米がせめぎ合っている状態を歓迎しているはずだ。なぜなら自ら手を下さなくても、親米派が親中派を叩いてくれるからだ。いうなれば米中の代理戦争みたいなことが、政治家の間で行われている。
(中略)思いつくままに列挙してみると・・・・・・。
・中国派・・・・・・小沢一郎、加藤紘一、菅直人、鳩山由紀夫、田中眞紀子、他
アメリカ派・・・・・・小泉純一郎、石破茂前原誠司、他
日本派・・・・・・安倍晋三、平沼赳夫、高市早苗、山谷えり子、他「創世「日本」」のメンバー
 アメリカ派は、将来的には自衛隊を国軍に昇格させ、自主防衛を目指すにしても、現状ではアメリカの経済力と軍事力には対抗できない。また強大な中露の軍事力から国を守るためには、日米同盟に依存せざるを得ないと考える。従って、当面はアメリカの政略に協力するしかない、すなわち現状維持がアメリカ派の基本的な思想である。この考え方の背後には大きな自己保身思想が存在している。アメリカとぶつからない方が政治家としては楽に暮らせるのである。
(中略)今の日本だけではなく、我々の子供や孫の代に至る将来の日本に責任を負ってくれる、真に日本の国益を追求する、日本派のリーダーの出現が待ち望まれる。」

間接侵略に立ち向かえ!/宝島社
¥1,365
Amazon.co.jp

 石破茂氏は、「防衛通=愛国者=保守派」と認識されがちであり、また、自民党の有力政治家であることからだと思われるが、田母神閣下は石破氏をしつこく批判する。

「第二次安倍政権に期待する」田母神俊雄ブログ2013年1月19日
http://ameblo.jp/toshio-tamogami/entry-11452255266.html
「経済を立て直しながら、安倍内閣で国の守りの態勢も立て直してもらいたい。安倍総理にはそれができると思う。安倍総理は東京裁判史観、即ち自虐史観に取り付かれていない数少ない政治家の一人である。自虐史観に取り付かれている石破茂氏のような人が総理大臣になっては国の守りが改善されることはないと思う。意外に思われるかもしれないが、石破氏は靖国神社に参拝したことはなく、これからも参拝するつもりはないと明言している人だ。そのような人が総理では自衛隊の精神的支柱は得られない。また歴史認識で諸外国から論争を仕掛けられた途端に圧力に抗することが出来なくなる。自民党政権なら誰が総理でもいいというわけではなく、安倍政権でなければ駄目なのだ。」

 「田母神塾 これが誇りある日本の教科書だ」(双葉社、2009年)は、「教科書」と銘打っているわけで、田母神閣下が日本人にぜひとも知っておいてほしいことが書いてあると受け取れる。
 そして、目次を見てみると、なんと、2回も石破批判の内容が出てくるのである。①「石破茂・元防衛大臣の卑怯な態度」②「石破茂・元防衛大臣が発表した噴飯モノの論文」と。大事なことだから2回言いました、ということだろうか(ニコニコ大百科参照。http://p.tl/QssZ)。
 要するに、本書では、①石破氏は防衛大臣時代に、自衛官は専門的立場で発言するのは義務だとさえ言っておきながら、田母神論文が発表されると、責任逃れの保身に走るという、指揮官として最低の態度をとった、②石破氏は自衛隊がクーデターを起こす危険があると誤解する上に、文民統制についても誤解している、ということが述べられている。

田母神塾―これが誇りある日本の教科書だ/双葉社
¥1,365
Amazon.co.jp

 石破氏は、いざという時に日本を裏切りかねない要注意人物かもしれない。
 石破氏は、竹下登元総理に対する敬意を表明するという、妙な態度を示す(「竹下登の亡霊」倉山満ブログ2012年10月7日http://www.kurayama.jp/modules/wordpress/index.php?p=969)。

 安倍晋三総理大臣の最大の政敵は誰だろうか。
 民主党の海江田万里代表だろうか。日本維新の会の橋下徹代表だろうか。はたまた生活の党の小沢一郎代表だろうか。
 実は、安倍総理の最大の政敵は、石破幹事長である。

「【倉山満の砦】安倍総理の勝利は単純化の向こうに在り![桜H25/2/6]」YouTube2013年2月6日
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=2L-sn53hH1I&t=158


 党内情勢を見極める小泉進次郎氏、どう動くのか。
 昨年の増税法案を巡る動きでは、小泉元総理が水面下で自民党に増税反対の呼びかけをし、財務省良識派(反勝栄二郎派)も水面下で増税反対のために動いていたようだが(「永田町と霞ヶ関の暗闘」倉山満ブログ2012年7月31日http://www.kurayama.jp/modules/wordpress/index.php?p=920)。
 増税政局は、与野党の駆け引きや、与党内の駆け引きや、経済の誤解や、外国派の工作や、ポピュリズムなどが絡み合っていて、カオスだと思える。麻生太郎財務大臣が増税に前向きな発言をしたのが気がかりだ(「消費増税へ意欲示す 麻生氏、3党合意踏まえ」MSN産経ニュース2013年7月20日http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130720/stt13072011330001-n1.htm)。

 デフレ不況脱却前に消費税増税を強行すれば、経済苦を理由とした自殺者が増加しやすい(上念司「歴史から考える 日本の危機管理は、ここが甘い 「まさか」というシナリオ」(光文社、2012年)110ページ参照)。
 消費税増税を議論する人たちは、こういう感覚を持っていただきたく思う。
 ”防衛通””保守”を僭称する政治家が、国民を自殺に追い込むアブない政策を推進するなど、”噴飯モノ”だと思うのである(なお、田母神閣下は増税に反対。田母神俊雄「日本はもっとほめられていい」(廣済堂出版、2012年)100ページ以下)。

日本はもっとほめられていい (廣済堂新書)/廣済堂出版
¥840
Amazon.co.jp