自転車日和!ある晴れた日に…(ブレーキの旅人たち その1) | 自転車で糖尿病を克服した!

自転車日和!ある晴れた日に…(ブレーキの旅人たち その1)

Surly Steam Roller
ちょっと久しぶりだったが、固定車体(ピスト)のサーリー・スチームローラーを引っ張り出し、近所を走り回ってみた。(これはそのときの走行中写真。今回はそれほどスピード感がないけれど…)

最近、フリー付きの自転車に乗っていることが多かったからか、やはりこれはかなり新鮮な喜びを感じられる乗り物だ! 10段、11段といった多段変速があたりまえになってきたロード用自転車と比べるとたった1段しかないギアは、あまりにも心もとなく思えてしまうが、“非常識な激坂”さえなければほとんどのルートはこれで何の不自由もなく走りきれてしまう。そして思う…。カンパニョーロの11段変速のスーパーレコードは本当に必要なのだろうか???

サーリー スチームローラー
これもスチロー君ことスチームローラーの別のアングルからの走行中のショット。ある平和な祝日の午後ののどかな風景だ。シングルスピードバイク(=固定車体)は、なにも競輪場だけを走るためのものでもないし、派手なスキッドをしなければいけないというものでもない。

実はこうした平和な“ゆったり走行”がとても楽しくできる乗り物でもあるのだ。(ちなみにこの写真撮影時の速度はだいたい23km/h。写真から受ける印象よりも少し速いか…)

フリーがない分、足の裏を通して、今現在の車輪の回転具合や路面の感触をよりダイレクトに感じることができる。これはシングルスピード固定バイクの大きな利点だろう。

ピナレロの07アングリル
そしてこちらはフリー付きのロードバイク、おなじみの07アングリル。

先日のブエルタ・ア・エスパーニャではじめて現物を見たのだが、このAngliru(アングリル)という名前、信じられないような激坂で有名なとんでもない峠の名称だったのだ! 最大斜度はなんと23.5%! フランスのラルプデュエズ峠など子供だましにしか思えない、超本格派の急坂峠だ。

このエントリーレベルのピナレロが、何故故にアングリル?(せめて「ピナレロ・オオダルミ」くらいのネーミングの方が良かったのじゃ?)と思わないこともないが、まあこのバイクに乗っていれば、そのうちアングリル峠を、コンタドールのようにスイスイと登れるようになるよ…というファウスト・ピナレロからのメッセージであるに違いない…と好意的に捉えることにした。

そして、前回のブログで予告した、この「ウチのピナレロ君」のちょっとした弱点をここで公開することにしよう。

シマノ・アルテグラSLのブレーキ
(実は、この“弱点”、前回のブログからちょっと引っ張り過ぎたかなぁ…と微妙に後悔しているのだが…)

そう、ピナレロ君の唯一の弱点と言って良いのがこのブレーキだと私は感じているのだ。

え?と思われた方もおいでかもしれない。

簡単に事の経緯を説明しておくと、このピナレロ君に最初に(デフォルトで)装着されていたのはシマノ・ティアグラ(4500)のブレーキだった。これは実用上は特に問題はなかったのだが、私としてはより高い制動力とより幅広いコントロール性を求めてこのアルテグラSLのブレーキに交換してみたというワケだ。

で、どうだったか?

確かに制動パワーは増した。

つまり後輪を(やりたくはないが前輪も)ロックさせるほどの急制動がより簡単になったということは確実だった。

まぁ考えようによってはそれは良いことなのだが、でも良く考えるとこれはいつも良いことであるとは限らない…。

話はちょっと逸れる。これは自慢だが、私は実はブレーキングは誰からも羨ましがられるほど上手だ。(お、要注意表現だ。誇張表現の可能性が高い [連邦自転車研究所からの警告])

エンジン付きの乗り物(二輪も四輪も)のときも急制動は結構上手にこなしていた。コーナリングは決して上手くはなかったが、コーナーに入る直前のブレーキングだけは、プロ並み…私はそう自負していた。(再び要注意表現だ。イエローカード1枚! [連邦自転車研究所からの警告]

(さらに自慢の続きだが、)一番短い距離で減速させるためのコツというのがある。

完全にタイヤをロックさせてしまっては、ご存知のように制動距離は一気に長くなってしまう。いや、長くなってしまうだけならまだ良いが、四輪、二輪を問わず、コントロールを失ってしまう場合があり、これは結構キケンだ。

だがその一歩手前、ロックするかしないかの境目…もっと厳密に言うとその境目よりほんのすこ~しだけロックする側に寄ったポイントが一番ブレーキング効率が良いのだ!というのが私の感じている“最高のブレーキングポイント”となる。

この微妙な、そう、とんてもなく微細な理想のブレーキングポイント(力の入れ具合)を探るためには、ブレーキのコントロール性というのが非常に重要となってくる。

もちろん、微妙な速度コントロールのためにも、ブレーキのコントロール性というのはかなり重要だろう。

やっと話は戻る。

シマノのこのアルテグラSLのブレーキは、コントロールできる幅が非常に狭い感じがしたのだ。

そう、私という“ブレーキコントロールの名手”(イエローカードもう一枚ね!)を持ってしても、このブレーキはコントロールが難しい…そう感じてしまうのだ…。
(この表現は厳密には適切ではない。リムとの相性もあるはず…後述※)

必ずしも“自転車のブレーキ研究家”でなかった私は、これでも“まあこんなもんだろう。制動力自体は結構あるからまぁいいか…”と思っていたが、やはりこれは結構マズいのではないか…そう思いはじめのだ。

きっかけは、“街乗りバイク”トレック1200の登場だった。

トレック1200のブレーキ
これがトレック1200(トマト号)に装着されていたノーブランドブレーキ(いまだブランド知れず…)。このブレーキ、制動力自体は決して自慢できるレベルに達していなかったが、そのコントロール性の高さだけはアルテグラSLを遥かに凌駕していた!こっちの方が10倍くらコントロールがラクかも…そう思えるくらいだった!!(ただ、このブレーキ、実は他に大きな問題を抱えていたのだけれど…)

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というワケで私は“ブレーキの旅人”になった。

いや、自ら望んでそうなった…というよりは、そう成らざるを得なかった…といった感じか。

そして、まずはこうなった。

シマノ105のブレーキ
トレック1200に装着されたシマノ105(5600)のキャリパーブレーキ。ノーブランドブレーキをやめて、コレにしてみた。さてさて効き味のほどは?

コレ、実は結構よいブレーキだと思った。

奇跡的なコントロール性の高さを持つノーブランドブレーキを何故やめたか?という疑問の答えだが、実はこのトレック1200はタイヤとブレーキ装着ポイントの距離が結構あり、このノーブランドブレーキのままでは、ブレーキシューがどうやってもタイヤに当たってしまう…という大きな欠陥があったからだ。

で、105のブレーキだが、制動力は必要にして充分ある感じがする。全く問題はない。コントロール性に関しては、さすがに“奇跡のノーブランドブレーキ”に比べると見劣りはするものの、まあまあコントロールは効く。これも問題はないだろう。

「お、この105のブレーキ、結構いいじゃん!」

というのが私の正直な感想だった。特にシマノのWH-R550のアルミリムとの相性も良く、少なくともドライコンディションである限り、不足はない。そんな結論だった。

だが、その数日後には、その好印象が一変してしまう事件が起きる。

豪雨だ。

ゲリラ雷雨だ。

いや、厳密には雷はなかったから「ゲリラ雷雨」ではないが、私は走行中に突然の豪雨に襲われたのだ。

乗っているのは105ブレーキが装着されたばかりのTREK 1200。

私は、この突然襲う“不幸”を特に“不幸”とは認識せず、期せずしてブレーキテストの好機を得た!とちょっと嬉しい気持ちになりながら、雨の中、びしょびしょになるのを顧みずを激走した!(本当はウチに帰らなければいけなかったので、それ以外のチョイスはなかったのだけれど…)

で、私はちょっと衝撃を受けた。

このブレーキ、雨の中では効かないのだ!

いやいや、客観的な比較対象がなく言っているのではない。

「ジャイアントホープ」ことジャイアントエスケープR3に後から装着したシマノDeoreのVブレーキは豪雨の中でもそれほど制動力を落とすことはなかったし、そもそもこのトレック1200に装着されていた“奇跡のノーブランドブレーキ”で雨の中を走ったときも、それほど制動力の不足は感じなかった。

だが、コイツは効かない…制動距離が相当伸びてしまう!

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ちょっとした衝撃を受けた私だったが、立ち直りは速い。

早速、その翌日、コイツならどうだ!とばかりにシューのみを“天下のデュラエース”に交換してみたのだ!

これなら雨の日も絶対に効くハズ!でなけりゃツールやジロで使える訳はない!

このDura-Aceのブレーキシューのウェットコンディションでのテストをすぐにでもしたいゾ!

そう思って私は雨が降るのを心待ちにしている。

だがそれ以来3日間、雨が降る気配が全くない。あんなに雨ばかり降っていたのに…。

私は絶好のサイクリング日和とも呼べる晴れ渡った秋の空を、“恨めしげに見つめる”というはじめての体験をすることとなった。嗚呼!

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※そして、ピナレロ君装着のアルテグラSLのブレーキの弁護をひとつ。

ブレーキはおそらくリムとの相性が結構重要なことのよう。そういった意味ではMO.st.のホイールのリムとシマノのブレーキ・シューでは相性が良くないのかも…。そんな感じもしてきた。だからアルテグラSLのブレーキがそんなに悪いわけではないのかもしれない。

そのあたりは、“連邦ブレーキ研究所”として、追ってテストをしていく予定!

次回は、ある日の自転車通勤…の予定かな?

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