そのクロスバイク、うっかり追い越すと…【「ジャイアントホープ」吠える!】 | 自転車で糖尿病を克服した!

そのクロスバイク、うっかり追い越すと…【「ジャイアントホープ」吠える!】


走行距離6000kmを告げるメーター 積算走行距離6,000kmに到達したその瞬間!

「ジャイアントホープ」ことジャイアント・エスケープR3は、2007年のある夏の日、走行中にふとメーターを見るとまさに6,000kmを示していた。たまたま持っていたデジカメで撮影したのがこの写真。思えば長い距離を走ったものだなぁ、とゆっくり感慨にふけようと思ったが、唐突に前方の信号が青になり、仕方なく先へと急いだ(そう、信号待ちをしていたのだ)。※Escape R3実際の走行距離はこれより少し多い。大雑把だがおそらく6,232km前後か(大雑把じゃないやん)。ちなみに「ピナレロ君」ことPinarello Angliruの走行距離は現在約5,200km程。そう遠くないうちに逆転される可能性も…。


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【前回からの続き】


追撃の「ジャイアントホープ」


思ってもみないかたちで国道246でのロング・バトルに巻き込まれることになってしまったB夫と「ジャイアントホープ」。もはや“荒馬”と化した「ジャイアントホープ」は、先行する「トレックディスカバリ」を猛然と追撃しはじめた


それはまだ肌寒さも感じる2007年1月のある日のこと。日が暮れてからすでに2時間以上が経過し、いくら東京が暖かいとはいえ、本来なら薄着のB夫は多少の寒さを感じても良さそうなものだが、今はまったくその懸念はなかった。B夫は、できるならTシャツの上に着込んだ薄手のジャンパーを放り出したいと思った。先ほどからの全力走行で、すでにTシャツは充分に汗ばんでいたからだ。


2台のスポーツバイク、い、いや駿馬2頭は三軒茶屋の交通の混乱の中を多少の機転を利かせながらそれほどスローダウンすることなく通り過ぎ、環七との交差点(上馬交差点)を目指す。


ここに来て「ジャイアントホープ」は、悔しいことに先行する「トレックディスカバリ」からじりじりと離されはじめた。「ジャイアントホープ」は勇ましく吠えるが、どうもスピードが今ひとつ乗らない…。


まだ、先ほどの全力走行の疲労が抜けきらないのか、本来の調子が出ない。いや、原因は疲労だけではなかった。環七との交差点までのおよそ700メートルは、先ほどの池尻大橋~三宿間のように微妙な、そう、クルマではちょっとわからない程度のゆるい上り坂になっていたのだ。700メートルは決して無視できる程度の長さではない。


渋谷を過ぎたあたりからずっと鞭を入れて走ってきた「ジャイアントホープ」にも疲れがあったのかもしれない。そして、その疲れた足には登り坂は少々酷だった。平地でのパフォーマンスでは重量はそれほど大きな影響を及ぼさないが、登りとなると、B夫の82kgという重量は確実にハンデとなるのだ。スピードがじりじりと落ちはじめてきた。なんとかこのまま、スピードを落とさずに残り400メートルをしのがなければならない。


一方、「トレックディスカバリ」は、B夫と「ジャイアントホープ」の“下り坂系コンビ”に比べて遙かに軽量だった。決して大柄ではない騎手の重量はおそらく60kg台前半~中盤。そして「トレックディスカバリ」だけでの重量も9kgを切っているだろう。両者の合計でも総重量はたったの70kgそこそこに過ぎない。「ジャイアントホープ」組の総重量93kgと比べると雲泥の差だ。


彼、軽量級の騎手は自らのパフォーマンスと「トレックディスカバリ」のロードバイク、いやサラブレッドとしての力に満足の笑みを浮かべた。小癪なクロス種にほんの一瞬、後塵を拝しかけたが、しっかりとそのお返しはした。


そう、ロードバイク、いや純血のサラブレッドたる「トレックディスカバリ」が汎用タイプのクロス種などに負けるワケがないのだ!ちょっと全力で走っただけで、しかもこの短く、坂とも言えないような“へなちょこ坂”でゼェゼェ言ってちぎれそうになっている哀れなクロス種よ。もっともっと修行を積むがよい。おととい来いよ。生意気な命知らずめ!(な、なんてひどい…)


と思ったのか思わなかったのか…真相は定かではないが、いずれにせよ、この“へなちょこ坂”で「ジャイアントホープ」が「トレックディスカバリ」に遅れをとったことは事実だった。青とシルバーの塗装が精悍な「トレックディスカバリ」に乗る軽量級の彼は、一瞬後ろを振り返ると、さらに勝利を確定的なものにすべく速度を上げ、環七の交差点を目指した。彼と「トレックディスカバリ」はダンシングで文字通り“踊る”ように上体をひらひらさせ、後方のクロス種にサラブレッドとしての優秀さを見せつける…そんな解釈さえできそうな明らかな挑発行為だった。


勝機は訪れるのか!?


半年前のB夫だったら、おそらく悔しさのあまり、このまま全力でもがき、そしてそのままちぎられる…という最も惨めな結果でこの勝負を終えていただろう。


だが、今日のB夫はここで以前とはちょっと違う行動を取った。「ジャイアントホープ」のトップチューブ、いや鬣を軽くB夫はなでると、あえてここは足を緩め、若干スローダウンし始めたのだ。「ジャイアントホープ」はまだまだ全力で先へ走りたがったが、B夫はあえて手綱を強く引き、強制的にスローダウンさせた。環七との交差点まではあと数百メートルほど。端から見ると明らかにB夫は勝負をあきらめたように見える行動だった


だが、B夫には秘策があったのだ!


クロス種のプライドに賭けて、今日の勝負は絶対に勝つ!

そう「ジャイアントホープ」にテレパシーを送り、この先のルートを思い描いた。


「ジャイアントホープ」はそのテレパシー波を理解したのか、人間には見えない尻尾(そんなものあったのか?)を軽く振り、惰性のまま交差点へと近付いていく。前方には「トレックディスカバリ」が見えているが、B夫の“作戦”になど全く気づかず、相変わらずダンシングでお尻を振りながら先を目指す。騎手の特徴的なフォームはそのままだ。


あぁ、なんと長い1日!このバトルはまだ第三コーナーにすら到達していなかったのだ。


[次回へ続く!]


私には休憩が必要だ!どうしよう、全然終わる気配が見えない!

というわけでとりあえずは明日…



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