地方の会社の資金調達の難しさ
8月5日
先日東北の某県某町にある建設会社からファクタリングのご相談がありました。
最近は地方の会社へのファクタリングサービスを積極的に行っていますので、
審査を進めようとお客様と電話でお話をさせていただきました。
このような時、まずはファクタリング対象に成り得る売掛債権があるかどうか?
そして、2社間ファクタリングはコストが高いから、
次のポイントを確認させていただきます。
・高いコストを吸収できる売上規模と利益が上がっているかどうか?利益率はどのぐらいか?
・継続してファクタリングを利用しなくても良くなる時期の目安が立っているのかどうか?
ところがこのお客様の場合、
特にここ最近非常に利益率が低くなっていて、
売上は伸びているものの利益率は低下傾向にあるとのこと。
このような場合売上が伸びれば伸びるほど、
相当資金繰りは厳しいはずで、
その旨確認したところ、
最近は仕事をこなしてもこなしても常に資金繰りは厳しいとの回答でした。
以前他社のファクタリングを1回利用されたものの、
その時の手数料は30%で、その資金調達で完工したプロジェクトの利益と比較すると、
完全に逆ザヤで、その負担は大きすぎたので、
今回は10%の私どもにHPをご覧になって相談いただいたのです。
有難い話でできれば実行させていただきたかったのですが、
前に利用されたファクタリング会社よりは安いとはいえ、
私どもの手数料料率は約10%。
利用額を月商の30%程度の抑えても、
間違いなくファクタリングの負担を吸収することができないのです。
この結果、利用すれば、利用直後は資金繰りが楽になっても、
そのファクタリングを精算した後は、
高い確率で現在よりもさらに資金繰りは厳しくなる懸念が高くなります。
当然ながら、ファクタリングは利用されない方が良いと言う結論になったのですが、
その後の対応策についてのご相談で話していて、
改めて地方の会社の資金調達の難しさを感じました。
現状では債務超過でもなく、前期も黒字は確保されているので、
現在取引している銀行に、プロジェクトに対応する、
1ヶ月ごとの短期融資の話ができないのかどうか確認したところ、
地元の地銀も信金も保証協会付融資には対応してくれても、
プロパーとなると、短期資金でも積極的に対応してくれないとのことでした。
であれば、前期決算の内容を見れば、他の地銀や信金に相談すれば、
決して門前払いされるようなコンディションではないから、
少し時間はかかるかもしれないけれど、
常々、新規の調達先を探すことも必要と、お奨めしたところ、
次のような話をされたのです。
現在取引している地銀や信金にばれるのが怖い!
ばれたら現在の取引に支障が出る懸念が高いとのこと。
これを聞いて、改めて地方にある会社の難しさを思い出しました。
前職の時、もう30年近く前の話ですが、
九州の福岡ほど大きくない都市で不動産投資をしようとしていて体験したことがありました。
それは、世間の狭さをと言うか、人間関係が濃すぎると言ったら良いのか、
とにかくプライバシーと言うか秘密保持がかなり難しいことでした。
当然ながら不動産投資をするには金融機関の協力は不可避で、
地元の銀行からの資金調達を前提として考えていました。
その地域には地元のライバル的な銀行が2行あって、
2行から融資付の物件の話があって比較検討した訳ですが、
1つの物件の方に心が傾いて話を詰めていたところ、
言わないのに、なぜかもう一つの物件を提案している銀行にばればれで、
超レスポンスよく、うちのはどうしてもダメですか?と連絡があったことを思い出します。
要は話がばれていた銀行の担当者に、
話を進める物件を提案してくれている銀行の支店長と、
車で移動していたのをどこかで見かけていたようなのです。
普段体験しないことだったので、正直ヤバいと思いました。
またこれも九州の某都市であったことですが、
そこでオープンしたカラオケビルの件でその都市に行った時、
納入業者から訪問のアポの連絡をもらったのですが、
その日はたまたまスケジュールが非常にタイトで、
今日は福岡にいて、そちらに行かないから別の機会にと断ったところ、
昼飯で入った飲食店舗でアポを断った当人と出くわしたことがありました。
東京や大阪などでも起こることもありますが、
それは10年に一度あるかどうかの頻度で、
そう言えばその当時、このような話はいっぱいあったことを思い出します。
確かに電話でご相談を受けていたお客様の言うことはその通りで、
大きなリスクかもしれません。
東京だと、まず他行に融資の相談に行っても、
既存取引先の銀行にばれるようなことはほぼなく、
もちろん取引が始まれば分かりますし、決まれば先に言った方がベターですが、
まだ新規の銀行でどうなるのか分からないような段階でばれるような懸念はほぼありません。
だから軽々に東京での話を、地方のお客様にしてはいけないと感じたところです。
次回もう少しこの話を続けます。
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