Parade : Prince And The Revolution | Yokohama Beat Junkie

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FMから流れてきた殿下の新曲「Kiss」。ファルセット・ボイスで唄う殿下。使われている楽器が極端に少なく、ほぼドラムだけ。あとはキーボード少々とイントロや間奏でのギターだけ。

「なんだ!このケッタイな曲は?!」

ボクがもっと驚いたのは、このケッタイな曲が全米チャートNo.1を獲ったという事実だった。音数が少なくても楽曲が優れていればチャートは獲れる、という典型例だった。PVもすんげー珍妙なのに(大好きだけど)、こんなに売れてしまうなんてアメリカ合衆国恐るべし。

前後して殿下主演の映画「Under The Cherry Moon」とサウンドトラックがリリースされた。映画は完全なる駄作と酷評されたが(すいません、未だに観てません…)、サントラはそれはそれは素晴らしい出来だった。

Yokohama Beat Junkie-Parade

Prince And The Revolution/Parade: Music From The Motion Picture Under The Cherry Moon

またしても前作と路線ががらりと変わっており、A面に収録されているファンクチューンやバラードが怒涛のメドレーになっていた。B面は2nd シングルカットされた「Mountains」から始まって、間に前述の「Kiss」を挟んで、美しいバラード「Sometimes It Snows in April」で終わり、まさに捨て曲なし。ファンの中でもこの作品を最高傑作とする人は多い。

他のUS/UKアーティストとは異なり、ほぼ一年毎に新作をリリースし、全て毛色が違い、全てが傑作…。もはや殿下の音楽は黒人音楽、白人音楽という垣根を軽~く超越して、とてつもなく高い次元へ到達してしまっていたのだった。