「英国王のスピーチ」
The King's Speech
という訳で、早速だけどこれを見てきた。
映画館は初日だっつーのに結構空いてて、まあきっとテーマがテーマなもんで、文学部系列の学生さんか、
オスカーの行方が気になる映画ファンかどちらかが熱心に集まったのかなーという感じ。
こないだ見た「ザ・タウン」のがお客入ってたぞヽ(;´Д`)ノ
こんなんだからこの地にはこういう、文系が愛する映画がなかなか来ないのよねえ。
さて映画。
これから見る方のが絶対多いと思うので、あまし中身については触れないようにしますね。
しますが、
ヤバいよジェフリー・ラッシュ、泣かされちゃったよ良過ぎて。
いやホント、泣けたよ最後のあの顔見てさあ。
あえて言わせて貰う。この映画、コリン・ファースよりジェフリー・ラッシュである!
いや、勿論ファース兄もいいのに間違いはないんだけど、とにかくラッシュおやじが良過ぎ。
堪らんよ、ああいうベテランの芝居は。もう最高。オスカー確実。助演男優賞ノミニーだっけ。間違いなし。
そうそう役者で言えば、まさかファース兄の兄貴役でガイ・ピアースが出ているとは知らなんだ。
パンフ見ながら思い出したんだけど、この2人、「秘密のかけら 」で大胆な演技見せちゃってたのよねーwww
まさかあの時のあの2人がここで再共演とはね。いやあ映画はココが楽しいのよね。
「ハート・ロッカー 」とか「ザ・ロード 」とか、最近脇でいい仕事してるよね、ガイぴー。
ヘレナボナムが素晴らしいのは言うまでもなく。「かとうかずこに見えて仕方がなかった」とは連れの弁www
シェイクスピア作品や作家の名前が当たり前のように随所に散りばめられており、
それだけでも英文学に興味のある人にはほくほくもの。
あそこのハムレットとあそこのリチャード三世、いやあ印象的だった。
どこまでも後ろ向きな人をどうにかこうにか前を向かせなくちゃいけない、
そういう時どうしたらいいのかって事がこの映画には描いてある。
連れも言ってたけど、セラピストの走りだったって事なんだろうね、この人は。
どうやったら心の傷が癒えるのか、どうしてやったら心の負荷が減るのか。
それとね、パンフにあったのの受け売りなんだけど、この映画は片方だけが心理分析されてる訳じゃなく、
双方が鏡のようになってて、それで双方が答えを見つけているって部分があるのね。
これに気付かせてくれたパンフは凄い。名越康文先生、ありがとうございました。
私の父は運動神経抜群で、何をやらせても滅法上手なんだけど、
私に自転車の乗り方を指導することはできなかった。
私の母は輪っかのついてるものは悉く嫌いで、車やバイクはおろか自転車にも乗れないのだが、
私に自転車の乗り方を教えてくれたのはこの母である。
以上実話。
でもさ、こういう事ってさ、たまにさ、あるじゃない?
皮肉だけど、免許云々じゃないんだと思う。
どんなに試験に受かっても、その仕事に向いてるかって言うとそうじゃない場合がある。
特に教師や医者や弁護士みたいに「先生」と呼ばれる仕事はね。
要は、素質と、見抜く力だ。
試験なんかじゃ絶対に計れない、それは。
役者の賞はこっちだな。でも映画としては正直、あっちに取って貰いたいかな。
こっちの監督はまだもう一作くらい撮ってからでも、いいんじゃないのかしら。と、ふと、ね。