DVD, 2006: sylvia | **コティの在庫部屋**

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「シルヴィア」

Sylvia


シルヴィア・プラスという詩人の名前を聞いたのは、院生の時に後輩の学部生が卒論の題材に選んだ時が初めてである。
1932年生まれで、イギリス文学史的には大変新しい人になるので、当時は文学史の教科書にも取り上げられていなかった。
ただし彼女は63年にはこの世を去っている。
ガスオーブンの中に頭を突っ込んで、一酸化炭素中毒自殺を図った。


映画では、テッド・ヒューズという彼女の夫であり、やはり詩人である人物との愛憎と葛藤を丹念に描いている。
シルヴィアを演じたグウィネス・パルトロウは、本当にシルヴィアに似ており、そういう意味でも大変リアルに見える。
ちなみにテッドを演じたのは、今度新・ボンドに決まったダニエル・クレイグ。
シルヴィアの母を演じたのがグウィネスの本当の母親であるブライス・ダナーである事も含めて、役者で見ても面白いと思う。


愛する人と結ばれた瞬間から、シルヴィアは詩が書けなくなる。
夫であるテッドはどんどん成功して自分より前に行く。周りには常に女の匂いがする。自分達には2人の子供がいる。そして彼女に「詩人なら書け」と言う。

やがて彼女が書ける瞬間が来る。

これ以上言うのは、野暮だろう。


グウィネスの力量が存分に発揮された作品。
吸い込まれそうな目が最後まで心に残る。


重いけど、こういうのを映画っていうんだと思う。