アッシュ王子と英二姫の結婚式があと1週間後に迫っていた。悪魔の森に住んでいた7人の小人たちは、結婚式の準備に追われていた。結婚式に招待された彼らは、披露宴で余興をすることになった――。
【7人の小人メンバーとその性格】
シン 曲がった事が嫌いで真っ直ぐな性格。小人たちのまとめ役。
ボーンズ おとぼけ役だが実は優しい。コングと仲良し。
コング 小人の中では一番大きい。食欲旺盛、やや天然。
アレックス おちゃらけて見えるがしっかりしている。
アキラ 紅一点。思った事をハッキリ言う。シンの事が好き。
ショーター お調子者で世話好き。ムードメーカー的存在。
ケイン クールな性格。兄貴肌。
「なぁ――アッシュ王子と英二姫の披露宴での宴会芸は何にしようか?」
まとめ役のシンが皆に意見を聞く。
「そうだな、あと1週間後だしなぁ」
「皆でアイディアをだそうぜ――」
まだ披露宴でする余興は決まっていない。小人たちが大好きな二人の幸せを祈って、印象に残る余興をしたいと全員が思っていた。
「皆で『歌う』のはどうかしら?きっと喜ぶわよ 」
アキラが提案する。
「俺、音痴だから音楽は無理だよ……」
「俺も人前で歌うのは恥ずかしいよ」
コングとボーンズがアキラの顔色をうかがいながら、申し訳なさそうに言う。
「えー、7人で『お嫁サンバ』を歌いたかったのに……仕方ないわね」
残念ながら、この案は流れてしまった。
「それじゃぁ、皆で『ダンス』をするのは どうだ?」
ショーターが提案する。
「俺、ダンスは苦手だよ」
「俺も人前で踊るのはダメだな……」
シンとアレックスが残念そうな表情で言う。
「なーんだ、せっかく皆で 『ヒゲダンス』 を踊ろうと思ったのに。ドリフはウケるのに……仕方ないよな」
ショーターは残念そうに言った。
「良かった、ヒゲなんて付けていられないわ」
アキラはホッとした様子だった。
「それだったら、二人をイメージした『カクテル』を作るのはどうだ?」
ケインが大人向けの提案をした。
「まぁ、素敵なアイディアよ!」
アキラは目を輝かせる。
「ハートの形をしたストローで一緒に飲んでもらうのか?」
「アッシュ王子はともかく、英二姫は酒に弱いぜ」
ボーンズとコングがニヤニヤと笑う。
ショーターが大事な事に気がついた。
「っていうか――俺たち、未成年だろうが!」
思わずおっさん顔のケインにつっこむ。
「国民の目もあるし、これは仕方ないな―。他には?」
「じゃぁ『花嫁あて』はどう? アッシュ王子に目隠しをして、英二姫や俺達と握手して、誰が本物の英二姫か当ててるゲームだよ。王子が間違えて、違う男を選ぶと面白いぞ……」
ノリノリでアレックスが提案した。
「バカだなぁ。勘のするどいアッシュ王子が英二姫を間違えるワケないだろう? きっと握手しなくても、気配ですぐ英二姫のことが分かるはずだよ」
シンのつっこみに小人全員が納得した。これではゲームにならない。
「そうか、仕方ないな――他にはないか?」
「それじゃぁ……『新郎新婦の馴れ初めから プロポーズに至るまでの寸劇』なんてどうだ?」
ニヤニヤと笑いながらボーンズが提案した。
「いいな――感動的だろうな! 」
皆、まんざらでもない反応だ。
「でもまてよ……英二姫役はアキラがするとして、誰がアッシュ王子役をするんだ? 」
「ハーイ! 俺が王子役をやる! 」
「俺だよ、俺! 前からやってみたかったんだ! 」
「ふざけんな、俺に決まってるだろ!」
「ハゲがどうして王子役をするんだよ! 髪伸ばしてから言え! 」
「うるせー、この巨体! メタボのアッシュ王子なんてみたくねぇ!」
小人たち(アキラ以外)は全員立候補した。そんな彼らをみてアキラは……
「みんな……アッシュ王子役をするだなんて10年早いわ! 」
彼女の一言で、全員挙げていた手をおろした。残念ながらこの案も流れてしまった。
「それじゃぁ一発芸なんてどうだ?」
コングが提案した。
「例えば?」
「全員でコーラ一気飲みしておめでとうと言う!」
「バカ! ゲップしちまうだろうが!『おめで……グフォッ!』 となるじゃないか! 」
残念ながら、即座にコーラ案は却下された。
「それじゃぁトーテムポールの真似をするのは? 」
「一番下で支える役になりたくないなぁ 」
「ちょっと! 女子がここにいるのよ! パンツが見えたらどうするのよ! 」
残念ながら、即座にトーテムポール案は却下された。
「じゃぁ、アキラによる『りんご握り潰し』! 」
シンが提案した。
「何よそれ? 」
嫌な予感がしたが、アキラはとりあえず聞いてみた。
「りんごは、予め芯を抜き取って 冷凍し半解凍しておくんだ。こうすることで、非常にもろくなるからそのりんごを一思いに、ぎゅっと握り潰すんだよ」
「女がしたら、インパクト大だぜ」
「コングには生のリンゴを持たせて、わざと潰せないようにするんだ」
仲間達はまんざらでもなさそうだが、アキラは反対する。
「いやよそんな怪力女になるのは。私、お嫁にいけなくなっちゃうわ」
りんご握りつぶし案は、乙女のハートも握りつぶしてしまうという理由で却下された。
小人たちの話しあいはまだまだ続く……。
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皆さま おはようございます! らぶばなです。
披露宴での余興は迷いますよね? らぶばなも、ネットで色々なネタを調べ上げてやりましたよ~。ウケるのかハラハラしながら……。
上記ネタで、らぶばなが実際にしたのは「カクテル」です。レストランバーでの人前式をしたので、事前にバーテンダーさんと話し合いながら、新郎考案カクテル・新婦考案カクテルを作りました。当日はドリンクメニューとして、お客さんにふるまうのです。お客さんは気を遣ってくださったのか、ほとんどの人がオーダーしてくれましたよ。
もしアッシュ王子考案カクテル・英二姫考案カクテルがあれば、飲んでみたいです。 アッシュ王子は 綺麗なグリーン色で さっぱりとした味がいいですね。 英二姫のは とにかくカラフルで(ピンク・オレンジ・イエローのグラデーションとか) やや甘めの味にしてほしいです。
らぶばなの時は サプライズのイベントをウエディングプランナーさんと一緒に考えました。それはオリジナルの余興「カクテル選手権」です。
お客さんの中から「ノリのいい人物」「真面目そうな人物」を数人ピックアップして、当日の受付で「カクテル選手権に参加して下さい」と手紙を渡すのです。
バーテン経験のない人達と新郎が横一列に並んで、適当にお酒を選んで混ぜて、シェーカーを振ってもらいます。 下手くそな振り方が楽しいのですが、ノリのいい人物がいると面白い振り方をしてくれるので笑いもとびます
こうして出来あがったカクテルを新婦が飲んで一番美味しいカクテルを作った人物に優勝商品を渡すという余興です。 私は素人が作ったカクテルの不味さに驚きました。「ただの泡」になっていて、ストーローで吸えないカクテルもありました。
7人の小人による「カクテル選手権」も楽しそうですよね。小人がそれぞれカクテルを作り、アッシュ王子にも参加をしてもらうのです。そして英二姫に飲んでもらって一番美味しいカクテルを作った人にキスのプレゼント…… 自分以外の人にキスさせたくないアッシュ王子は、必死になって……。これだけでギャグ小説が作れちゃいそうです。
さて、小人達はどんな余興を選んだのでしょうか。次回の後編は、いきなり余興が始まりますよ。お楽しみに!
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