データで見るライオンズ・リリーフ陣 vol.2 | Peanuts & Crackerjack

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今シーズン、交流戦終了(48ゲーム=シーズンの1/3消化)時点において
ライオンズ救援陣の残してきた成績を客観的なデータで示すことで

その成績を向上させていくためには
そのうちのどの部分をこれから集中的に改善していくべきなのかを
詳細に見ていきました。

(※参照 : 【 データで見るライオンズ・リリーフ陣 】

結論として、

①FIP、つまり四死球数を減らし本塁打数を減らすこと

②被BABIP、つまりチームの守備力を改善すること


この2点を挙げました。

さて今日はこの2つの課題は現在、オールスター・ゲーム終了時点
つまり73ゲーム=シーズンの約1/2消化時点において

どれだけ改善されているだろうか、もしくは
どれだけ悪化しているだろうか、を見ていきたいと思います。


【 73ゲーム終了時点での生データ 】


$ピーナッツとクラッカージャック-RP2011072401

  ※なお、ここでいう先発陣とはゲームの最初にマウンドに登り投球した投手で
   それ以外の2番手以降の投手はすべて救援陣に含めております。

   ですので、平野さん・ミンチェさん、そして牧田さんは先発陣にも救援陣にも両方に名を連ねております。


例によって、このデータを少しわかりやすく加工します。


【 9イニング=1試合へ換算する 】


$ピーナッツとクラッカージャック-RP2011072402

まず、ここまでのライオンズ投手陣の分担イニングをそのまま9イニングに凝縮します。

そうすると、結果9イニングあたり先発陣 6 1/3 イニング・救援陣 2 2/3 イニングとなり
平均して先発陣はおおよそ7回の1アウトまでを担い、そこで救援陣に交代し
救援陣はそこから9回終了までの8つのアウトを担っていることがわかります。

そしてそれぞれの担うイニングを消化する過程において
それぞれがどれだけの打者と対峙し、いくつの安打を浴び、いくつの四死球を与えるかが
その右のデータのあらわす数値となります。

これを見ると、ライオンズ救援陣は7回1アウトからの 2 2/3 イニング、
つまり8つのアウトをとる過程で平均11.2人の打者と対峙しており
四死球を1.06個与え、安打を2.5本浴びそのうち二塁打以上の長打は0.68本で
奪三振は1.8個ということになります。

次に、先発陣と救援陣の残してきた成績を比較しやすくするために
どちらも9イニングを先発陣だけ、もしくは救援陣だけで担当したと仮定した場合の
それぞれの安打数、四死球数などの平均本数、個数を表示します。

$ピーナッツとクラッカージャック-RP2011072403

これをみると、交流戦終了時点(シーズン1/3消化時点)に比べ
(※ 先発投手陣の成績の落下もありますが)
だいぶ先発陣と救援陣との成績の差が縮まってきたことが見て取れます。

ただし、与四死球だけは今(シーズン1/2消化時点)でも
9イニング換算で1個以上という大きな差が未だにあることは非常に目立ちますね。


【パ・リーグの各球団および平均データとの比較】


最後に、ライオンズ内での比較だけではなく
パ・リーグ5球団のデータと、またライオンズを含んだリーグ平均のデータとの比較を
様々な指標を使って行っていきます。

  ※なお、ライオンズ以外の他チームおよびリーグ平均のデータは
   えるてんさんがプロ野球 ヌルデータ置き場にて集計なさったものを利用させていただきました。

   この場を借りて心より御礼申し上げます。

$ピーナッツとクラッカージャック-RP2011072404
     $ピーナッツとクラッカージャック-2011_defense

  ※文末に指標の算出方法とその意味するところを簡単に記しておりますので併せてご確認ください。

結論は、今も変わらずに

①FIP、その中でも特に四死球数を減らしていくこと

②被BABIP、つまりチームの守備力を改善すること


この2点であることは明確ですね。

交流戦終了時点に比べ
ライオンズ・リリーフ陣の四球率、HR率など改善している部分も見られますが
まだまだ改善していくべき必要がある物足りない成績であることも確か。

今後も引き続き今シーズンのライオンズ救援陣のデータ、見守っていきたいと思います。

≪終≫




  ■ WHIP ■

    Walks plus Hits per Innings Pitched の略。
    (被安打数+与四球数)÷投球回数 で算出し
    1イニングあたりどれだけの安打および四球を許すかを意味します。

    概念としては、被出塁率に限りなく近いと言っていい指標ですね。

  ■ 被BABIP ■

    BABIPBatting Average on Balls In Play の略。
    (被安打数-被本塁打数)÷(被打席数-与四球-与死球-被本塁打-奪三振) で算出し
    本塁打を除きフィールド内に飛んだ打球のうち安打になった割合を示します。

    守備指標DER(Defense Efficiency Ratio)が同じ概念から出発し
    1-被BABIP の近似値であることからもわかるように

    他チームとの比較において被BABIPが低ければそのチームの守備力が高いといえます。

  ■ K/9 ■

    9×奪三振数÷投球回数 で算出し
    9イニングあたり何個の三振を奪ったかをあらわします。

  ■ BB/9 ■

    9×与四球数÷投球回数 で算出し
    9イニングあたり何個の四球を与えたかをあらわします。

  ■ HR/9 ■

    9×被本塁打数÷投球回数 で算出し
    9イニングあたり何個の本塁打を浴びたかをあらわします。

  ■ FIP ■

    Fielding Independent Pitching の略。
    {被本塁打数×13+(与四球数+与死球数-敬遠四球数)×3-奪三振数×2}÷投球回数+3.12 で算出し
    野手(投手を含む)の守備による影響を受けない
    純粋に100%投手の担うべき結果(被本塁打、三振、四死球)のみで投手を評価したもの。
  
    もちろん値が低いほど、その投手陣は優秀な投球を展開していることを表します。