“攻め”の投球の本質 | Peanuts & Crackerjack

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$ピーナッツとクラッカージャック-BS20100703

6回裏1アウトランナーなし、1ストライク0ボールから
左打者、大松選手に投じた85球目、内角へのシュート。

7回裏リードオフの場面、2ストライク1ボールから
右打者、的場選手に投じた93球目、外角へのチェンジアップ。

今日の帆足さんはそれまでシュートやチェンジアップを使わず
時折カーヴを混ぜてアクセントをつけながらも

それ以外はすべてが速球とパームのコンビネーションで
右打者の内角、左打者の外角へ重点的に配球してきました。

今日はラインアップ自体も3番クリさん、4番ナカジさん、
そして5番に高山さんというクリーンアップを組み

2番に阿部さん、6番にブラウンさんという
大幅なシャッフルがなされてきたのですが

やはり最も重要な“気分転換”だったのは
昨日私も提案した、キャッチャー野田さんでしたね。

結果から見ますと今日の帆足さんは

71/3回を投げて打者32人に対し投球数114、
被安打11、与四球2ながら奪三振5で自責点・失点ともに2の


QSをきっちりクリアしてくる素晴らしい投球結果。

内容をエアボール・グラウンドボール比率で見てみますと

全32回のうち四球2、三振5を除く計25度の勝負において

グラウンドアウト実に12(うち併殺打3)、グラウンドシングル6と
グラウンドボールは計18、実に72%を占め

一方外野へ到達したエアボールは
フライアウトわずかに2、フライシングル3、ラインシングル2の
計7個、28%のみという結果、


みごとにその特長を発揮してくる素晴らしい投球でした。

今日の帆足さん、そして野田さんのバッテリーは
その基本である“攻めの投球”をみごとなまでに貫き

マリーンズ攻撃陣から順調に1つ1つ
アウトを重ねていくことに成功しました。

“攻めの投球”といえば一番にイメージされるのが
“逃げない投球”たる打者の内角を厳しくつく投球ですが

そんな投球を過剰な意識でムキになって続けたところで
もともとその投球を得意としていなければ

帆足さんの前回登板ゲームでの投球のように
制球がばらつき死球や痛打の可能性は飛躍的に高まります。

本来“攻めの投球”とは打者の“意識”を
左右し利用することを目的とするもので

自分の生命線たる得意とする球種を得意とする場所へ、

「これだけ続ければもしかすると狙われ痛打されるかも」という
自分たちの“恐怖心”に打ち勝ち、粘り強く投げ続け

その球の軌道をじゅうぶんに相手打者に“意識”させること。

ですから帆足さんにとっては最初からムキになって

右打者の外角へ制球された速球やチェンジアップ、そして
特に左打者の内角へ制球された速球やシュートを

投球の幅として意識させるのではなく

その“魅せどころ”、“武器”である
右打者への内角、左打者への外角への速球とパームを
これでもかと意識させることが大前提としてあり

その軸のもとで活きるのが

終盤の、それもランナーを背負う場面で投じる
右打者外角“寄り”の速球とチェンジアップであり

そして相手打者が過剰に意識するあまりに
かえって力んで多少制球がばらついても打ち損じる
右打者内角への速球やパームだということでしょう。

ここまで内角を意識させておきながら一転外角を攻め続け
最後の勝負球だけまた厳しく内角を突き三振を奪った

5回1アウト1・2塁での今江選手に対する投球や

同じくここまでじゅうぶんに内角を意識させておきながら
その初球、“甘い”真ん中低めへのチェンジアップで
みごと打ち損じを誘発しナカジさんへの併殺打とした

7回1アウト1塁での西岡選手への投球は

序盤、中盤までのバッテリーの攻めの投球の
“意識づけ”の成果だといえる素晴らしい投球でしたね。

こうやって帆足さんがその一番の“魅せどころ”を
みごと発揮してくる投球を重ねているうちに

ライオンズ攻撃陣は2回、そして3回に
それぞれ犠牲フライで1点ずつをもぎ取り、

5回には2アウトからナカジさんのソロHR、


続いて高山さんを2塁においてのブラウンさんの2ランHR、


そして平尾さんのソロHR、


3本のHRで一気に4点を奪う
ビッグ・イニングを作り上げました。

そんな攻撃陣のもぎ取ってくれた多くの得点に
1つ1つ最大限の感謝を示すとともに

この今日のゲームでの“気分転換”ともいえる
野田さんと組んだバッテリーでの素晴らしい投球を
ひとつのきっかけ、ヒントとして

“攻めの投球”をじゅうぶんに
相手打者に意識させたうえでこそ

今シーズン取り組み、使ってきた新しい武器が
その威力を最大限に発揮するのでしょうから

帆足さんはこれからもまずは
帆足さんなりの適切な“攻めの投球”の意識を

貫くことを揺るがぬ軸としてほしいですね。



Good Job !  Dive into Lions nation !