若さ | Peanuts & Crackerjack

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$ピーナッツとクラッカージャック-20090913

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今日のゲームでは成長途上の若いチームの
脆さとその力強さが共にあらわれましたね。

まずは先発、野上さん。

3回の2アウトを取ってからカブレラさんに浴びた3ランHR、
1ストライク3ボールから四球を恐れ次のローズさんを恐れ
どうしようもなく腕を振って投げたストレート。

内角を狙ったのが力が入って外角に流れ
カブレラさんの読み通りドンピシャのHRになってしまい
打たれた瞬間マウンドに崩れ落ちる野上さん。

9月6日のホークス戦で松中さんと小久保さんに浴びた
2つのHRのリプレイのようでしたね。

クリーンアップを任されるベテランの強打者に対しては
まだまだ絶対の自信を持って打ち取れる決め球を持っておらず

それを相手のベテラン強打者にも見透かされて
どっしりと構えられ読まれていずれも速球を一撃で決められる。

この辺り、まだ若くって未熟だなあ、と思いますね。
マウンド度胸はとてもいいものを見せていますが
まだまだこれからどんどん痛打される経験を積んで
決め球を磨いていき自信を持ってクリーンアップの
ベテラン強打者に向かえるように成長していってほしいですね。

それは木村さんも同じですかね。

自信のある速球で押して2アウトを順調に取るものの
そのあとその速球に2人続けてうまくあわされランナーを背負うと
また2ストライク3ボールから四球とその後に続く
カブレラさん、ローズさん、フェルナンデスさんという
バファローズの誇る強力クリーンアップを恐れて
投げた内角へのストレートをベテラン阿部さんにうまくあわされ
ライトへのシングル・ヒットで2失点、そしてその後
カブレラさんにこれも速球を打たれ二塁打でもう1失点。

もちろんその後ローズさんを速球で空振り三振に仕留めたように
その速球は木村さんの最大の武器であることは間違いないのですが

とくにここぞのピンチの場面で苦しくなったら
そのボールに頼らざるをえない、というのでは
ベテランはきちんと読んでうまく打ってきますよね。

6回の大沼さんの2失点も含め
打たれたのはどれもストレートでしたね。

若く経験の浅いライオンズ投手に対しその心理を読んで
うまく撃破したバファローズ攻撃陣の素晴らしさと
ライオンズ投手陣の若さからくる脆さが垣間見えました。

野上さん、木村さんにはこのゲームでの投球、
とても素晴らしい経験になったことと思います。

ランナーを置いて主砲を迎えるのは当然避けたいところですが
もっと避けたいのはその恐怖に支配されて
その前の打者との勝負においてまで相手に優位に立たれること。

目標は各チームのベテラン主砲に対して恐れることなく
自分のボールに自信を持って投球ができることですね。

そして、今日は5本のHRと2本の二塁打の長打攻勢の
ライオンズ攻撃陣も若さゆえの脆さを露呈しながらも
それを補って余りある力強さをじゅうぶんに魅せてくれました。

ライオンズ攻撃陣は皆ある程度完成されたベテランではなく
まだまだ自分の理想の打撃を追い求める成長途上の選手たち。

つまりは相手投手にプレッシャーをかけ選択肢を狭め
四球を奪うことも視野に入れながら有利なカウントへと整え
自滅に追い込み打ちやすい球を狙っていくというよりは

相手投手の素晴らしい投球を自分の狙いとタイミングで
失敗を恐れることなく積極的にどんどん狙っていき

その結果がどんなものであれそれを貴重な経験として
自分の血肉として成長の糧にしていくことを狙っています。

結果、それが成功したときはホントに“常識外”の
他の人には真似のできないような素晴らしい打撃が残りますが

失敗したときはわざわざ難しい球を打ちにいって打ち取られたり
簡単な球をみすみすミスショットしたりして
苦しい相手投手を助けることも多々ありますよね。

今日ももうひと押しの場面で初球から積極的に打ちにいったり
0ストライク3ボールから打ちにいったりして
ミスショットでチャンスをつぶす場面も結構ありましたが

その一方で今日のゲームで出た5本のHRはどれも
ナカジさん、剛也さん、GGさんでしか打てないだろうという
まさに常識外れ、規格外の素晴らしいパワーと技術の結晶。

わたしはその姿勢はホント大好きですよ。

もちろん今自分の置かれている状況は
冷静に正確に把握しているけれども

目標はどんな状況でも自分の打撃で局面を打開し
結果を残していける自分を培っていくことなのですから

結果がなかなか出なくっても迷いなく自分を信じ続けて
状況にかかわらず自分の打撃を継続していってほしいと思います。

結果なんてホント紙一重なのです。

チャンスの場面で0ストライク3ボールになればそりゃあ
確率的には粘って四球を選ぶ方がやりやすくって安全策だし
まわりの期待もまあなんとか四球を選んでくれるだろうとなる。

でもそこでもなお自分の打撃に徹して好球必打を貫くと
打ちそこなってチャンスをつぶすという
期待を裏切る失敗の確率も当然出てくるけれども

それと同じくらい当然に、完璧に撃破して大量得点という
期待以上の素晴らしい成功を収める確率もでてくる。

ある程度完成されたベテランならば相手との関係を重視し
駆け引きを楽しみながら今の結果だけに最大限拘るべきでしょうが

まだまだ未熟で欠点も多く失敗を多く重ねながらも
自分の武器をどんどん磨き素晴らしい成功体験を積み重ねていく、

これが“若さ”の特権ですよね。

ハラハラドキドキで首脳陣もタイヘンだとは思いますが
それでもその“常識外れ”のパフォーマンスは本当に魅力的。

今日もその未熟さゆえの失敗も含めて
見どころたっぷりのホントに素晴らしいゲームでした。



Nice Game !