こんにちは、
岡田です。 


前回は恥骨痛のQ&Aでした。
今回は尾骨の障害についてお話ししましょう。


尾骨の障害は絶対数は少ないのですが、
問い合わせは多く無視できない存在です。

 
(尾骨のはたらき)

尾骨はおしりの先のとがった小さな骨です。



人間が四つ足動物から進化したときに残った
シッポの残存物のようにいわれることもあります。

無用の骨のような扱いをされていますが、
尾骨はキッチリとした役割があります。

 
尾骨は仙骨とともに1分間に数回、
コックリコックリとうなづき運動をしています。

このうなづき運動は、
昔あった井戸のポンプのように、
脳脊髄液を押し上げる働きをします。

脳脊髄液は、ふつう髄液と呼ばれており、
脳と脊髄を満たしている保護栄養液です。

ダイナミックな背骨の動きの中で、
脳や脊髄を守る潤滑液でもあります。

豆腐を脳脊髄にたとえていえば、
豆腐が浸かっている水みたいな感じです。


髄液が滞ると何かと支障があるので、
仙骨のうなづき運動などがあるのですが、
尾骨の役割はその微調整。

飛行機の垂直翼の先端のラダーのような役目、
髄液循環の微調整をしているわけです。


(尾骨のトラブル) 

代表的な尾骨の障害は尾骨の打撲、
もうひとつは尾骨を押さえつける姿勢。

この二つが尾骨の障害の主な原因です。


打撲の場合は、
脱臼や骨折をともなうこともあります。

ぶつけた時に、
尾骨を内側に折り曲げる力が働くからです。


尾骨を押さえつける姿勢については、

トラブルの原因は、
背中を丸めての座り姿勢や、
尾骨を押さえつけるイスの影響で、
尾骨仙骨のうなづき運動を抑制するからです。

尾骨を押さえる姿勢で勉強していると、
髄液が滞り頭がぼぉーっとして、
能率が下がり集中しにくくなります。


どちらの障害でも、
尾骨の痛みがメインの症状です。

しかし、痛みが消えてもスッキリしない場合もあり、
様々な障害を残すことがあります。

 
尾骨が内側に曲がっていると、
女性では出産時に支障がありますし、

その他の症状は、
臀部の違和感や両足の灼熱感などがあります。


また、腰痛や神経痛などを伴う場合は、
仙腸関節のトラブルと合併していることもあります。
 

(なおし方)

脱臼や骨折の場合は、
尾骨を元の位置に戻すための整復が必要です。

昔は肛門に指を入れて整復していましたが、
最近はあまり行わなくなりました。

現在は、尾骨から仙骨の後ろにテープを貼り、
呼吸に合わせて引っ張るという方法、
テープの張力を利用して尾骨を整復します。

また、脱臼や骨折のない程度の軽いものは、
テーピングだけ行うこともあります。



お尻を押さえる姿勢によって尾骨が痛む場合は、
姿勢を矯正することが第一です。

痛みに対してはテーピングですが、
イスを変えたり座板を使う必要があります。


座板は、いろいろな製品が出ていますが、
実際に座って尾骨が当たらないものを選びましょう。

後ろ側がくりぬかれ、
前下がりの傾斜がついているものは、
自然に背筋がピンと伸びるので一石二鳥です。
   
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まとめると、

尾骨の脱臼や骨折の場合は整復が必要ですが、
姿勢により尾骨が痛くなった場合は、
尾骨が直接当たらない座板やマットに座り、
不要な刺激を減らすのが得策です。

また、仙腸関節がゆがんで、
仙骨尾骨がねじれて痛むこともあります。
この場合は仙腸関節の整復が必要です。