人間のニセモノには押せない リセットボタン  | “Mind Resolve” ~ この国の人間の心が どこまでも晴れわたる空のように澄みきる日は もう訪れないのだろうか‥

 
 
 
 
  連日の連夜に渉る奇怪で忌まわしい夢とはべつに 
  いまさっき ひさびさに自分らしい夢を見た 
  あれなら こんにち これまで観てきた幾つかの夢 と辻褄があう 
 
  地球は極端な温室温暖化を迎えさせられ 
  ヒトの世では最早 食糧を生産することが困難になってしまった 
  残された命の数を十分に賄いきれるだけの物資など 
  到底 その棲み飼いする時間に追いつけるモノではない 
  わずかな資源と限られた食糧はおろか 
  水や空気の余裕さえも奪いあう始末 
  あらゆるモノの育つ場所が破壊され 今まで通りの栽培や飼育は不可能 
  目の前に用意される計算されたモノだけ喰い漁るにも 
  そこに血の通った信頼関係など在りはしない 
  世界各地で略奪 強奪が繰り返され 
  自然界より先に壊れたヒトびとの大半が暴徒と化す 
 
  連日連夜に亘り 異様なまで精神の穢れた部分を解毒する夢とはべつに 
  いまさっき ひさびさに自分らしい夢を見た 
  あの夢 のつづきだ  あれなら辻褄があう 
 
  もう二度と あと戻りできない人間の生息区域  
  荒れ果てた大地を歩くヒトびと  日増しに募る不安感  
  どこもかしこも それらを いとも簡単に圧し潰すほど
  言葉を失う出来事 その数々 
  観るモノ訊くモノすべてにおいて新しいはずなのに 
  生きながらえる一秒ごとに荒廃する精神に刻まれる記憶の数々 
  一部の地域で大規模な戦争が勃り 
  神も仏も人間を救わない世界を目の当たりにする人類 
  やがて 着の身 着のまま 誰かと誰かの行方を捜し歩く数日… 
  幾日が経過して どこにいて どこへ行くのか 
  誰の何を信じて 自分自身を見失わずに生きるのか 
  もう そんな余裕もない  いったい誰にあるのか?  
 
  連日連夜くり拡げられる息ぐるしさを引き摺る夢とはべつに 
  ついさっき ひさびさに自分らしい夢を見た 
  あれなら 己の役割を怠った事実の清算から逃れ 
  誰かと傷を嘗めあい 往生際わるく慰めあう必要もない 
 
  昨日まで何かを訴えつづけて人の世から逃げ隠れしていた彼女は 
  2~3人の同志? 仲間とともに 
  どこかの建物の中で息を潜めた生活を送っている 
  彼女の反対側の立場にある者が彼女を捜す 
  以前に そのような隔たりある関係にされる… それよりずっと以前に 
  まだ この世に産まれる以前からの約束だったのだろうか? 
  そこへ来るまでの森で出逢った彼の記憶の中に たしかに 
  彼女の面影が在った 
  くすんだ色の服装をしていた彼女の顔に見覚えあった 
  誰なのか? 名前も知らない 
  ただ顔だけは その眼差しだけは正真正銘の本人だった 
  「待て!スティーヴは ここにいるよ。 ほら 君に逢いたがっていたんだ」 
  「ニルスはどこ?」
 
  友人ではないが 彼の生存の確認を安心している間もなく 
  彼女は別の名前を呼んでいた 
  「彼なら ここへ来る前に はぐれた」 
  黒人の少年… 
  「あいつなら どんなに精密なコンピューターの故障だろうと
  すぐに原因を突きとめられる
  身のまわりの家電製品でもなんでも機械は数分で治せるよ」
 
  誰が尋ねるまでもなく 彼について自分で説明していると 
  「彼は既に地殻の一部を刺激してしまったの」 
  「なんだと?」 
  あっけにとられ眼を疑いながら鮮明なモニターを覗く我々の後ろで 
  白い顔の彼女が云った 
  「まもなく地球は自主熔解の段階に入るわ」 
 
  どこで いつ なにを覚ってしまったのか? 
  まだ あんなに若いのに 
  何年も前に確認された安全装置 を解除する以前の 
  踏みとどまる気持ちを抑えるヒトであることを超えたのか… 
  彼は創造した側から命じられたように 
  この世を凄まじい高熱で殺菌 浄化する その
  すべてのリセットボタンを躊躇いなく押してしまった 
 
  連日連夜に巡り吐き気を催すほどの悪臭を放つ夢とはべつに 
  ついさっき ひさびさに自分らしい夢を見た 
  あれなら 今日まで生きてきたことにヒラキナオル必要もない 
 
  やがて各国の山々や海底から噴きあがる溶岩の気配 
  森を焼き尽くす炎の匂い 
  河川を洗い清め 地の奥底まで すべてを焼き掃っても 
  そこには なにかの種が残されているのか? 
  誰かが残しているのか?  
  貴重なビニール袋にでも入れて? 
  ゴミひとつない海を元にあった状態に? 
  次に息吹く命の仲には再び 
  同じような大地の上へ人間の姿も芽生えるのか? 
  そこには しっかりと立つ男と ちゃんとした女がいるのか? 
  次こそ まちがいなく 自然界のあらゆる恵みに感謝して従い 
  地球上を正常に遣いこなせるだけの素直で正直な 
  地球上に相応しい人類として… 
 
  そんなこと心配する階級へ位置してもないのに 
  いろいろと想いを巡らせながら そこで眼が醒めた ( 24日 未明 ) 

 
 
 
 
 
 
 
      Electronic - Flicker   
 
 
  そして この曲 が聴きたくなった。 
  ジョニー・マー の演奏が入ってるんだ。 
 
  この自然界に生息を許されていたはずの人類だけが 
  果敢なくも宇宙の一点において 
  まるで地球を蝕む悪性新生物が増殖するかの如く 
  必要以上に膨れあがった人口 
  自分たちが生きるためには必要以上の知識  
  便利さも快適さも豊かさも必要以上な経済の追求  
  今その時とばかりに体裁を見繕う必要以上のミテクレ 美意識の過剰…  
  
  そんな世界の片隅  
  誰にも何にも遠慮なんてする必要なく 
  のびのびとギターを弾いてくれている。