おはよう ネルグイさんだっけ?
いつも早いわね
ウンスは洗濯物の入った篭を持ち子供達と寺の脇を流れる小川へ行く途中でその若者に声をかけた
あ は…はい おはようございます
緊張した面持ちで挨拶を返す姿が可愛らしいと思えるほどウンスとは年が離れていた
いつも、ありがとう
他の者より早く来て寺の掃除や用事を手伝ってくれるこの若者をウンスは気に入っていた
先生は和尚様とお話し中よ
まだ暫くはかかりそうだけど………
大丈夫です
まだ他の方はいらしてませんし、ここだけ片付けてしまいます
にっこり微笑む顔がまた可愛いらしい
ありがとう じゃあ お願いね
ウンスも笑顔で返すと子供達と歌いながら歩いて行った
まるで天女だ…
ネルグイはウンスの美しさに、うっとりとした眼差しでその背を見送った
おはよう 今朝も早いね
ところでウンス先生を見なかったかい?
ミノが少し遅れてやってきた
おはようございます 先生
神医様は子供達と小川の方へ行かれました
ネルグイの言葉にミノは眉をしかめた
あれ程、先に行くなと申したのに
あ~ネルグイ君悪いが少し待っていてくれ
ミノは顔色を変えウンスの後を追った
あ 先生お待ちください…
ネルグイが人より先に来るのは教えて貰いたい事が山程あったからだ
ちっ… 遠くへ行くわけでもないのに心配しすぎだ
でも、ま あの容姿だ 心配なのも無理は無いか
ネルグイは小さくなるミノの背に向かい呟いた
和尚との話は寺の警備についてだった
寺を訪れる人は日増しに増えている
その中に良くない輩が含まれていてもミノ1人では太刀打ち出来ない
しかも、当の本人に自覚が無いときている
ミノの不安は的中した
きゃあ~
ミノが小川へと続く道を駆けおりて行く途中ウンスの悲鳴が聞こえた
母上 もしやまた、元の輩か
どうかご無事で
ミノは文字通り飛ぶように駆けおりて行った
おちびが昨日から修学旅行でおりません
1人いないだけで静かだわ…
次は娘が修学旅行、寂しい…それよりも懐が痛い(ノ_<。)
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