恋しき人~天門の先~第三十四話 | シンイ~信義に夢中

シンイ~信義に夢中

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どうしたの?やっぱり眠れない?
いつもの様に縁側に座り天門の方角を眺めていると思っていたウンスが急に話し掛けてきたのに驚くミノ


どうして、分かったのです?
見つからぬよう秘かにお守りしていた筈であった
気配を消しておった故、母上には分からぬ筈だ
もしや血の匂いか?
昼間からミノの鼻からは血の匂いがついて離れなかった
ミノは柱の影から姿を表すと袖に鼻を寄せくんくんと嗅いでみる

やっぱり居た
ウンスはミノを見て微笑んだ

当てずっぽうでしたか?


ん~ちょっと違うんだな~
ウンスはミノに自分の隣に座るよう縁側をぽんぽんと叩いた

昼間、子供達が教えてくれたの
先生は、いつも私を見ていて危なくなったら助けに来てくれるって
だから、居るかな~って


女人が1人この様な夜更けにふらふらしておると良からぬ事を考える輩も出て参ります

此所はお寺よ そんな人、居ないでしょ
ウンスは笑って答えるがミノは笑わない

今は村人が居ります
貴女は警戒心が無さ過ぎます
故に目が離せぬのです

大丈夫よ
私の事は医者だと思っているから
此所では医者は大切にして貰えるわ
先生は心配し過ぎよ
それより…

あのね一緒に飲もうと思って、これ貰ってきたの
ウンスは酒瓶をミノに見せる

いつも助けて貰っているから、たまにはお礼をね
俺に笑いかける母…だが、実は俺を見ては、いない
そう、あの笑顔、父が戦で家を空けた時に見せるあの笑顔だ

…父上の震える手の事を気にかけておられるのか
不安な気持ちを悟られぬよう、そういう折りは努めて明るく振る舞われる方であった


眠れなかったのです
寝酒に丁度良い
ミノは笑って答えると母の隣に腰掛けた
あの頃のように




 

アメンバーの申請時、恋しき人を好きだと言ってくださる方が意外に多いことにびっくり
だって、ヨンの出番少ないんだもん

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