恋しき人~天門の先~第三十五話 | シンイ~信義に夢中

シンイ~信義に夢中

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ちと飲み過ぎではありませんか?
ミノが一杯飲む間にウンスは二杯三杯と空けていく

あら? そうかしら?
今日は一日たっくさん働いたから自分にご褒美をあげなきゃ
ね? 先生も飲んで飲んで
さあさあ
ウンスは上機嫌でミノに酌をする

そうだ先生に良いもの見せてあげる
ちょっと来て
さっさと部屋に入り何やら四角い箱の様な物を机の上に置くウンス、夜中に女人の部屋に入ることに抵抗を感じるミノは戸の前で困り果てていた

何してるの?入って入って
酔っているのであろうウンスは、上機嫌でミノを呼ぶ

ウンス殿、夜中に女人が部屋に男を招き入れるなど、誰かに見られたら誤解を受けますよ

あら~先生 私の許嫁じゃあなかったでしたっけ~?

語尾が可笑しい、やはり酔っておられるミノは何を言っても無駄だと思い言われるままに部屋に入った

戸を閉めてね 誰かに見られると困るから

な? 戸を閉めると? それこそ、誤解を……

ごちゃごちゃ言ってないで、さっさとする
ウンスは四角い箱を弄くりながら、ほらほらとミノを急かせた

はい早く此所に座って
いい? いくわよ
ウンスは嬉しそうにつまみを押した

ウンス元気かい
年配の夫婦と思われる二人が壁に映し出されミノは驚きのあまり腰を抜かしそうになる

もののけか?
身構えるミノを見てウンスは、けらけらと笑い出す

あれはね 私の両親なの
机に突っ伏しながら視線の先には壁に映る2人がある

不思議でしょ 此所に居ない人が映ってる
でもね…もうバッテリーがないの

ばってりーとやらが無いとこの方達には会えぬのですか?

うん … そう … もう直ぐ会えなくなるの
でも不思議ね…やっぱり先生は驚かないのね

ウンスの言葉にミノが振り向くと机に突っ伏したまま眠るウンスがいた

こんな所で寝ると風邪を引きますよ
肩を揺らしてみるが起きる気配は無い

全く 父上が知ったら叱られますよ
いや…俺が殺されるか
ミノは苦笑いを浮かべながら、ウンスを布団に寝かせた

壁に写しだされていた映像は、いつの間にか消えていた

あの方々が俺の祖父母なのか… お目にかかることは無いと思っていたが、思いかけずお会いできて良かった
ミノは壁に向かい頭を下げ、もう一度母を見た

夢でお会い下さい
おやすみなさい母上

ミノは静かに部屋を出ると酒盛りの続きを始めた

手酌の酒は思いの外、酔いが回る
さて もう寝るとするか
夜空の月に先程の祖父母の顔を重ね合わせ手を合わせる

母をお守りください…と心に念じながら







 
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