東京都目黒区中目黒で子どもの英語教室&アドラー勇気づけ講座を開催しているA+SMILEの田中彩子です。
今日は小学生のレギュラークラス。
そろそろ教えたいと思っていた不定冠詞の「a」と「an」の違いを、少し前にレッスンで紹介しました。
What's this? It's a ruler.
What's this? It's an eraser.
など、文房具を使って学びました。
その前に、アルファベットをTree mapに分類するというアクティビティで(詳細は→こちら)母音と子音の違いについて教えていたので、「名詞がひとつで、その名詞が母音で始まる場合には、『a』ではなく『an』がつく」ことを皆、理解してくれました。
毎回、そのことを意識しながらレッスンに臨んでいてくれる6年生のTちゃん。
今日は、こんな質問をしてくれました。
私が、名詞の前に来る「the」の使い方を説明していたときのこと。
Tちゃんの質問は、
「もしかして、名詞が母音で始まると『the』じゃなくなるとか、そういうのもあるんですか?」
というもの。
私のレッスンでは、母語も外国語も言語の習得に重要な「ことばへの気づき」を重視していますが、この女の子の質問はまさに「ことばの成り立ちに気づいた」もので、言語の細かい仕組みを意識した質問でした。
小学生がこんなに高度な質問をできるんだ、と私はとてもびっくりしました。
私が英語を学んでいたころは、こんなことを考えたことはなかったような気がします。
そして、肝心の質問への答ですが、名詞が母音で始まると「the」はどうなるか。
日本人は大人でも知らない人が多いですが、「the」の発音が変わってきます。
たとえば、
Where's the red pen? (直後の『red pen』が子音で始まる)
の「the」の発音は {ðə}
Where's the orange pen? (直後の『orange pen』が母音で始まる)
の「the」の発音は {ði}
になります。
私は実は今日のレッスンで、Tちゃんから質問が来るちょっと前に、この「the」の発音の違いについて子ども達に教えるべきかどうか瞬間的に迷った結果、「そんな面倒なことを言っても混乱してしまうだけだろう」と無意識に考え、「教えるのはやめよう」という結論を出していました。
でも、Tちゃんがせっかく気づいてくれた大事なポイント。
子ども達全員に、母音の前では「the」の発音が変わることを教えました。
子ども達はちょうど、指を使って「th」を正しく発音できるように練習しているところなので、舌の位置は変わらないけれど、「the」が{ðə}になったり{ði}になったりすることを学びました。
Tちゃんは、「やっぱりー。変わるんだー。大変だ!」と言っていたので、
私は、「こんなこと、大人でもめったに気づけないことだよ。すごいね!」と勇気づけ。
Tちゃんのように、自分でいろいろな疑問を持ち、発見していくことで、「自立した学習者」になることができます。
語学の習得にはこれは非常に重要なことです。
そして私は今日、「子どもを決して過小評価してはならない」ことを再認識しました。
来週以降、レギュラークラスの子ども達は、「a」と「an」、{ðə}と{ði}、と、気を付けなければならない点がたくさん出てきますが(笑)、子ども達が楽しめるゲームにして、たくさん「引っ掛け問題」をつくって遊びたいと思います。
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日経DUALに取材・掲載されました!
「アドラー流 子どもを英語嫌いにさせない方法」
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「英語を遊びに!アドラー流家庭学習のポイント」
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