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さて、先日記事 ししました全日空が出資するLCC「A&F・AVIATION(エーアンドエフ・アビエーション)」ですが、ANA出身の井上慎一代表取締役CEO(最高経営責任者)が概略を明らかにしたそうです。
2011年度下期にリース機材を使い、国内線とアジア方面の国際線で運航を開始する。ANAの半額程度の運賃で国内外の旅客を集め、3年後には単年度黒字化、5年後までに累積損失の一掃を目指す考えを明らかにしました。
今後の予定は、3月以降にブランド立ち上げを行い、機体デザインやカラー、客室乗務員のユニホームなどを発表し、11年度下期に関西国際空港を拠点に、国内線とアジア方面の国際線各3~4路線で就航するとのこと。
初年度5機の機材は「200席の中型機」(井上CEO)としており、エアバス320が有力だ。
このあたりも、ボーイングべったりの従来の日系企業からの脱却を図っているのでしょうか。
(もしかして、今ANAで使われている機材のお下がりをリースする可能性もあるのかな?)
5年後には15~20機まで拡大させて年間旅客数は600万人を想定するとのことです。
井上CEOによると、新LCC会社は単一機材、多頻度運航、片道4時間以内のショートホール、社員のマルチタスク化などLCCのビジネスモデルを徹底的に追求する方針だそうです。
注目されるのは想定するコスト水準で、「ANAに対しコストは半分にしたい」(同)と明言しています。
ANAやJALは単位当たりコスト(CASK、総コストを提供座席×運航距離で割った値)が14~15円程度で、この半分となると7~7・5円、既存の格安航空会社であるスカイマークの8・45円より安いコストを打ち出したことになりますね。
「最も参考にしているLCCは英ライアンエアー」(同)といい、ライアンのCASK6~7円に近づくことを目標にしているとのこと。
欧州やアジアのLCCを乗り比べた結果、最も印象的だったのはアイルランドのライアンエアーということも披露しています。
「トイレの有料化や立ち乗り席の導入を検討するなど、(コスト削減のために)そこまでやれるんだという一つのいい例だ」と感嘆する。ただ、「ライアンの成功モデルをそのまま日本に持ち込んでも混乱する。日本流にカスタマイズする」と話し、日本人が求める安全性と定時制を最優先する考えを強調したとのことですが、賢明な選択だと思います。
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また、コスト低減はLCCとしての正攻法で臨むとのことです。
「ライアンと(大手航空会社の)ルフトハンザでは、1人当たり人件費はライアンのほうがわずかに高いく結局、ライアンは優秀な社員が(機内清掃などの)マルチタスクでコストを下げているということ」(同)という。
また機材は大手が1日当たり7~8時間の稼働であるのに対し、他のLCCと同様同12時間程度で座席ピッチも短くして1機当たりの搭乗者数を最大に持って行く計画。
これが収入の最大化に効いてくる計算。
また機材整備などで積極的にアウトソーシングも活用していくというとのこと。
うーん、こてこての正攻法ですね。
但し、機材整備のアウトソーシングですが、安全のレベルを維持しながらCASKの低下につなげることが出来るのですかね。
もっと詳細を知りたいところです。
ただし、エアアジアやジェットスターアジアなどCASKが3円程度とされるアジア勢の水準までコストを下げることはさすがに難しいようですね。
またANAとのすみ分けについては、「運賃を半額程度にして、日本人の旅行や親族訪問利用、さらに価格に敏感なアジアの方の潜在需要を掘り起こしたい。それでパイが広がれば、ANAと多少の食い合いがあってもプラスの意味が大きい」(同)とのこと。
裏を返せば、軌道に乗るまではANAとの食い合いは避けられず、それはANAも覚悟しているということでしょう。
ANA本体の伊東社長も昨年、日経新聞のインタビューにこのように言っていますので、出資と経営陣派遣以外ノータッチということですね。
・すべてのシステムを全日空と切り離し、予約やマイレージのプログラムを別にする。
・パイロットや客室乗務員も独自に採用する。
・新会社の便が欠航しても全日空の便が救済することはない。
・全日空の連結子会社にしない。
CASK7~7・5円を目指す「A&F・AVIATION」に取っては当たり前と言ったところでしょうか。
いずれにしても、本格的なLCC事業が日本で定着するかお手並み拝見です。
2011年2月15日:追記
↓使用機材がA320-200に決まったようです。こちらもご覧ください。
全日空系LCC エアバスA320-200を使用機材に選定 10機体制 A&Fアビエーション
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