【書評】ビジネスマンの父より息子への30通の手紙
僕の父はサラリーマンだった(もう定年を迎えているけれど)。
サラリーマンの子がサラリーマンとしての人生を歩むことを「同じ道を志す」と言うのは、何か違和感があるけれど、僕は何となく規定路線でサラリーマンになった感じで、それ以外の選択肢は考えなかった。
父から人生の進路について、助言にせよ苦言にせよ、何かを言われたという記憶はほとんどない。
最初の就職も事後報告だったし、転職ももちろん事後報告。
それに対して、まあお前が考えて選んだことだから、といったことを言われたくらいだと思う。
(逆にもういない祖父からは「弁護士だけはなるな」ということを言われたことはある。
なりたくてもなれないけど(汗))
そういえば、高校生だった頃か大学に入ったばかりの頃に一度だけ父から言われたことがある。
あれは、父の仕事仲間の飲み会の席(もちろん僕は酒抜きなので誤解なきよう!)。
「この業界だけは入らないほうがいいぞ」
(実際は方言があるので、こんな奇麗な言い方ではない。)
居合わせた仕事仲間の方々も口を揃えて同じことを言う。
田舎の営業所勤務とはいえ、みんな名の知れた大企業に勤めていた方たちだったんだけど。
特に意識したわけではないが、その業界の会社には勤めていないし、今のところ勤める予定もないので、記憶にある唯一の助言(?)を守っていられてよかったのかもしれない。
今回紹介する本は、そんな親子とは違い、企業経営者である著者が、まさに同じ経営者の道を歩まんとする息子に対して、一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウ、ビジネスマンとしての「常識」を語っているもの。
それも、大学合格から始まって事業を譲り渡すに至るまでの、様々な事柄について語られている。
正直、実際に父からこんな手紙をもらったら、僕は鬱陶しいと思ってしまうかもしれない…。
恐らくそれは、父がまだまだ元気であるからこそ言える、親不孝な息子の発言なのだろうけれど。
失って初めて分かる大切さとは言うけれど、まだまだそれを実感できないお子様な自分がいるわけで。
しかし、本書に収められた著者からの言葉は、一人の人生の先達の言葉として含蓄に富んでいる。
例えば、19通目の「読書の価値」で、読書を通じて経営の腕を磨こうとする息子に対しての助言を見てみよう。
読書を通じて自己を高め人生をよりよくしようとしている人が当ブログの読者には多いだろうから、ちょっと長くなるが参考になると思う。
こうした熱い言葉をたびたび投げかけられた息子はといえば、素直に受け入れたかどうかは分からないが、最後に事業を譲り受けるところまで父親と同じ道を一歩一歩確実に歩を進めたことが、ある程度のことを物語っているだろう。
僕は父からこうしたことを言われたことはないけれど、今、自分が父親になっていて、息子にこんな言葉を伝えてやれるような人生を送れているだろうか。
そう思った時に、これだけは息子に伝えておきたい、と思えるだけの「一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウの集積(p.3)」を作らなければならないという焦りにも似た気持ちを感じた。
父を想い、子を想い、自分自身を想う。
色々な視点から読み解ける一冊であり、男子なら必読の一冊。
追伸:
女性には姉妹編の『ビジネスマンの父より娘への25通の手紙』があるようだが、ちょっと入手しにくいか…。
【第31回書評ブロガー達が勝手にインパク本レビュー】
本レビューは 本魂!(ホンダマ)が企画したイベントへの参加であり、同じくイベントに参加しているブロガーの方々のレビューは以下のとおり。
是非、それぞれのブロガー独自の視点を比べて楽しんでもらいたいが、さらに、本書をお読みいただき、感想を聞かせていただけたら、非常に嬉しい。
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僕の成功バイブル本
【基礎データ】
著者: G.キングスレイ・ウォード
訳者: 城山三郎
出版社: 新潮社(新潮文庫) 1994年4月
ページ数: 292頁
紹介文:
父親が自分と同じ道を志そうとしている息子へ、男の言葉で語るビジネスの世界のルールと人間の機微。ここではビジネスマンがその生涯で遭遇すべきあらゆる局面が取り上げられ、その対応の姿勢が経験をもとに熟考されたウイットのある表現で語られている。若いビジネスマンのみならず、ミドルもトップも必読の、人生論のあるユニークなビジネス書としてミリオンセラーとなった本。
サラリーマンの子がサラリーマンとしての人生を歩むことを「同じ道を志す」と言うのは、何か違和感があるけれど、僕は何となく規定路線でサラリーマンになった感じで、それ以外の選択肢は考えなかった。
父から人生の進路について、助言にせよ苦言にせよ、何かを言われたという記憶はほとんどない。
最初の就職も事後報告だったし、転職ももちろん事後報告。
それに対して、まあお前が考えて選んだことだから、といったことを言われたくらいだと思う。
(逆にもういない祖父からは「弁護士だけはなるな」ということを言われたことはある。
なりたくてもなれないけど(汗))
そういえば、高校生だった頃か大学に入ったばかりの頃に一度だけ父から言われたことがある。
あれは、父の仕事仲間の飲み会の席(もちろん僕は酒抜きなので誤解なきよう!)。
「この業界だけは入らないほうがいいぞ」
(実際は方言があるので、こんな奇麗な言い方ではない。)
居合わせた仕事仲間の方々も口を揃えて同じことを言う。
田舎の営業所勤務とはいえ、みんな名の知れた大企業に勤めていた方たちだったんだけど。
特に意識したわけではないが、その業界の会社には勤めていないし、今のところ勤める予定もないので、記憶にある唯一の助言(?)を守っていられてよかったのかもしれない。
今回紹介する本は、そんな親子とは違い、企業経営者である著者が、まさに同じ経営者の道を歩まんとする息子に対して、一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウ、ビジネスマンとしての「常識」を語っているもの。
それも、大学合格から始まって事業を譲り渡すに至るまでの、様々な事柄について語られている。
正直、実際に父からこんな手紙をもらったら、僕は鬱陶しいと思ってしまうかもしれない…。
恐らくそれは、父がまだまだ元気であるからこそ言える、親不孝な息子の発言なのだろうけれど。
失って初めて分かる大切さとは言うけれど、まだまだそれを実感できないお子様な自分がいるわけで。
しかし、本書に収められた著者からの言葉は、一人の人生の先達の言葉として含蓄に富んでいる。
例えば、19通目の「読書の価値」で、読書を通じて経営の腕を磨こうとする息子に対しての助言を見てみよう。
読書を通じて自己を高め人生をよりよくしようとしている人が当ブログの読者には多いだろうから、ちょっと長くなるが参考になると思う。
こうした熱い言葉をたびたび投げかけられた息子はといえば、素直に受け入れたかどうかは分からないが、最後に事業を譲り受けるところまで父親と同じ道を一歩一歩確実に歩を進めたことが、ある程度のことを物語っているだろう。
僕は父からこうしたことを言われたことはないけれど、今、自分が父親になっていて、息子にこんな言葉を伝えてやれるような人生を送れているだろうか。
そう思った時に、これだけは息子に伝えておきたい、と思えるだけの「一生の経験から学んだ人生の知恵やノウハウの集積(p.3)」を作らなければならないという焦りにも似た気持ちを感じた。
父を想い、子を想い、自分自身を想う。
色々な視点から読み解ける一冊であり、男子なら必読の一冊。
追伸:
女性には姉妹編の『ビジネスマンの父より娘への25通の手紙』があるようだが、ちょっと入手しにくいか…。
【第31回書評ブロガー達が勝手にインパク本レビュー】
本レビューは 本魂!(ホンダマ)が企画したイベントへの参加であり、同じくイベントに参加しているブロガーの方々のレビューは以下のとおり。
是非、それぞれのブロガー独自の視点を比べて楽しんでもらいたいが、さらに、本書をお読みいただき、感想を聞かせていただけたら、非常に嬉しい。
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【基礎データ】
著者: G.キングスレイ・ウォード
訳者: 城山三郎
出版社: 新潮社(新潮文庫) 1994年4月
ページ数: 292頁
紹介文:
父親が自分と同じ道を志そうとしている息子へ、男の言葉で語るビジネスの世界のルールと人間の機微。ここではビジネスマンがその生涯で遭遇すべきあらゆる局面が取り上げられ、その対応の姿勢が経験をもとに熟考されたウイットのある表現で語られている。若いビジネスマンのみならず、ミドルもトップも必読の、人生論のあるユニークなビジネス書としてミリオンセラーとなった本。
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫
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G.キングスレイ ウォード G.Kingsley Ward
新潮社
売り上げランキング: 1515
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