【書評】いい仕事をする人の3つの断り方!
人からの頼まれごとを断れない人、結構いると思う。
先日、勝間和代さんの『断る力』の書評 を掲載させていただいたけれど、同系統の本でさらに理解を深めていきたい。
著者の臼井さんも、これまでのご経験から察する限りでは、勝間さんと同様に相当に厳しい方というイメージを持っているのだけれど、本から受ける印象は柔らかな感じ。
そもそも、「断れない」という性質をお持ちの方は、もしかするとこういうトーンの本の方が向いているのかもしれないなと思いながら読み進める。
しかし、厳しい印象がどうとかは結局はあまり関係なく、次の考え方は共通しており、これは「断る」という行為を意識して行っていくに当たっては大事な考え方なんだろうと推察される。
それは、
「断ったほうがいい」とか、「断らないほうがいい」という問題ではないのです。自分がどう思われるかではなく、長い目で見て、自分はどうなりたいのか
という考え方。
言い回しや言葉遣いが相当違うけれど、要は自分の中での判断軸をしっかり確立しているかどうか。
ここがしっかりしていないと、そもそも流される生き方にならざるを得ない、あるいは、その時々によってスタンスが変わり、相手方からの信用を得られないということになってしまう。
さらに、
断ることは、人間関係を悪くすることでも、自分が気まずい思いをすることでもない。「上手に断ること」は、相手ある仕事において、お互いの意見をぶつけ合い、よりよい仕事に仕上げていくことにある。
断ることで、かえって人間関係がよくなり、周りから応援されたり、信頼されてしまう
という考え方。
臼井さんは、いままでにない「究極の断り方」と書いているけれど、断られない人は、この点が全く実感できないのだろう。
仕事をしていて多くの人が経験しているのではないかと思うのだけれど、合意の上で任せたはずのものが出来ていない、出来てこない、しかも、締め切り間際になってそのことを知らせてくる人間というのは、基本的には二度と一緒に仕事をしたくないタイプだ。
逆に、最初に自分では対応できない(他で手一杯で締切までには対応できない、能力的に自信がないなど)ことを伝えてもらっていれば、こっちは全く違った対応が取れる。
日常的なことではあるけれど、こういったことの積み重ねが、長い目で見たときの人間関係、周りからの信頼というものを築き上げていく。
多くの方が、断られる立場に立った時に実感しているはずのことなのに、何故か自分が断る立場に立った時には出来ていないかもしれない。
自戒の念を持って、もう一度自分の行為を見返してみる必要がある。
最後に、これは勝間さんからはあまり読み取れず、臼井さんからの明確なメッセージとして、心に残しておきたいことがある。
それは、
「断る」のではなく、断らないことを基本に考える
ことである。
「断り方の本じゃなかったっけ?」と疑問を持たれた方。
狙い通りだ(笑)
そんな方は、是非、本書をお読みいただきたい。
この考え方を明確にベースに置いて打ち出しているので、「断れない」人にも入っていきやすいと思っている。
健全な「断り方」は、どんな人でも身につけておきたい/身につけておいてもらいたい「スキル」。
お互いがお互いを思い遣ることで、いい仕事をし、いい人間関係を築きあげていきたい。
ちなみに、僕は本書および勝間さんの本を読み、これまでに色々考えてきたことが混ざり合って、ブログの運営であることを決心した。
取るに足りない小さなことだけれど、ああ、僕もそうだったのかもしれないなあと思わされたことだった。
それについては、また明日書かせていただきたい。
【関連リンク】
臼井社長の幸せバンクBlog
【第三回書評ブロガー達が勝手にインパク本レビュー企画】
本レビューは 本魂!(ホンダマ) が企画したイベントへの参加であり、同じくイベントに参加しているブロガーの方々のレビューは以下のとおり。
是非、それぞれのブロガーの独自の視点を比べて楽しんでもらいたいが、さらに、本書をお読みいただき、感想を聞かせていただけたら、非常に嬉しい。
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【基礎データ】
著者: 臼井由妃
出版社: 青春出版社 2009年7月
ページ数: 202頁
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妥協のYESではなく、提案のNOだから---
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