尿素の保湿クリームは、湿疹に塗ってもいいの? | 子肌育Blog アトピーに負けない生活。

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尿素の保湿クリームは、湿疹に塗ってもいいの?


こんにちは。橋本です。


尿素の保湿クリームを、湿疹のあるところに塗るのは、あまりおすすめしません。


冬は、空気の乾燥がすすむ季節。


冬場になると、薬局、ドラッグストアをはじめ、いろんなお店で、たくさんの保湿剤が並びますよね。


たくさんの保湿剤のなかでも、「尿素」が配合された保湿クリームは、とても人気があります。


人気の理由は、


安全なため

比較的、安いため

肌がうるおうため

カチカチの肌をやわらかくするため


この4つが考えられます。



メリット1: 安全


尿素は、人間の体にもある成分なので、毒性がなく安全。


そのうえ、化学的に合成したものが製品には使われているので、天然成分のように予想できないようなバラつきがない。


「毒性がない」「安定している」。2つの意味で安全なんですね。



メリット2: 比較的、安い


尿素は、化学物質なので、大量に生産することができるため、とても安く手に入ります。



メリット3: 肌がうるおう


「尿素は、水になじみやすい」。この性質を利用したのが、尿素配合クリーム。


肌に尿素クリームを塗っておくと、尿素がしっかりと水分をつかまえます。


そのため、本来肌から逃げていくはずの水分が、肌の中にとどまる。結果、「肌の乾燥が防げる」というわけです。



メリット4: カチカチの肌をやわらかくする


尿素は皮膚表面の余分な角質を除く働きもあります。


そのため、カチカチの「かかと」が、やわらかくなることもあります。


肌は、ミクロの世界でみると、ミルフィーユのように細胞がいくつもの層に重なっています。


肌のいちばん表面にあたる層は、「角層」または「角質」とよばれています。


この「角層」の中のタンパク質は、お互いにがっちりつながっています。


尿素は、そのタンパク質のつながりを一部分、溶かしてしまいます。


そのため、硬い肌の「角層」がやわらかくなって、ツルツル感が出てきます。


つまり、尿素には、肌のうるおいを保つだけでなく、肌をやわらかくし、ツルツルにする効果もあるわけなんですね。



さてさて。


ここまで聞くと、「尿素って、すごい肌にいいじゃん」と思いますが、デメリットもあります。


それは、「尿素の保湿クリームを使うと、ヒリヒリとした刺激を感じることがある」ということ。


「なんか、しみる感じがする」という人もいます。


尿素が入った保湿剤は、刺激を感じることがある


デメリット: ヒリヒリした刺激を感じる場合がある


刺激感は、「尿素が水分を引きつける圧力によるもの」だといわれています。


肌にダメージを与えているわけではないので、刺激感で直接、皮膚に炎症がおこるわけではありません。


「尿素が肌に悪い」というわけではないので、誤解しないでくださいね。


しかし、その刺激感で「かゆくなってしまう」ということがあります。


刺激感には個人差があって、すべての人に、ヒリヒリした感じが出るわけではありません。


ですが、保湿剤はほかにも、たくさん種類があるので、湿疹にあえて尿素配合のものを使う必要はありません。


尿素の保湿クリームには、肌をうるおす能力、肌をやわらかくする能力がある。


その一方で、肌にヒリヒリした刺激を感じることも。


その刺激がきっかけで、かゆくなってしまうこともあります。


そのため、皮膚の状態が悪いところには、尿素配合のクリームは使わないようにしたいんですね。