えっ?外したんじゃなくて、勝手に落ちたの!?


先日、アトム電器加賀小松店さんのブログでお客様のところで出くわした酷いエアコン工事の写真をアップされていました。


ひぃぃ~。酷すぎて思わず二度見してしまうレベル。お客様にお怪我がなくてホントによかったです。

21世紀のこの世の中でこんな酷い工事がホントにあるの?、と思うんですが町の電器屋さん達の投稿を見ていると、量販店の下請けや訪販業者(※もちろん真っ当な業者さんも沢山おられます)の工事でこのようなものを時々目にします。

■「家電を安くできる理由」を知れば、安くて良いこととそうでないことが分かる
上記のブログを見た別のメンバー店さんが「家電を安く出来る理由」を分かりやすく解説されていました。

1)交渉の結果、仕入を安く出来たので販売も安く出来る。
2)極限まで利益を削って販売している。

ここまでは商品の場合。アトム電器は①をがんばって、②は止めよう(誰も幸せにならないから)というスタンスです。この後に工事(設置や修理、リフォーム含む)の安さの理由が続いて、

3)工事に使う部材を価格が安くグレードの低い物を使って、資材費用を抑えている。
4)本来使うべき部材を使わなかったり、やるべき工程を端折って俗に言う「手抜き」をする。

③は安い場合も高くなる場合も、本来お客様にキチンと説明してメリットとリスクをご理解いただくのが筋。④は基本的には論外です。町の電器屋さんの場合は販売と取付けする店が同じなのでこれが出来ます。

量販店さんの場合、販売する店と取付けする業者が別なのでこうしたトラブル時は販売側はタッチしてくれません。(というか、その手間を省くからこその安さなんですが)

もちろん真っ当な業者さんも沢山おられます。ですが量販店側で工事価格が低く抑えられているので、件数をこなさないと採算が合わない(時間を掛けられない)、1件当たりで利益を確保するにはある程度は端折らざるを得ない、などの理由で丁寧な仕事をする業者さんほど排除され易い事情もあります。

修理だと上記の事情からエンジニアじゃなくチェンジニアが来ちゃう問題もありますね。

そんな事情を知っていれば、予算の範囲で安さを求めるところと、安さ以上に安全を求めないといけないところが分かり、かしこく買い物が出来ますね。

■悪いのは業者よりも、意味のない安売り
こうした問題が明るみになった時、よく「悪徳業者が」とか「手抜き工事が」という論調で語られがちですが、ボクはそれには与しません。

手抜き工事はもちろん良くないですが、その業者を叩いても次の手抜き工事をする業者が出てくるだけだからです。

それよりもっと消費者さんにこういう仕組みを知ってもらい、安さを優先すべき時とそれ以外(安全、快適さ、楽しさなど)を優先すべき時をかしこく使い分けて頂くこと。そっちの方が、世の中から手抜き工事の危険を無くす近道なんです。

そういった意味でこうした酷い工事はどんどん晒されるべきであるし、同時にそうなってしまう理由をもっと伝えて行かなきゃな、と思います。

それでは今日もよい1日を☆

この記事を書いた人:メオマサユキ

meomasa地域電器店専門の販促・経営アドバイザー。
1972年大阪生まれ。大学卒業後、会計事務所に約12年勤務。2009年より町の電器屋さん「アトム電器」を展開する㈱アトムチェーン本部に勤務。 2012年より始めたご加盟の電器店さんとの個別経営面談会もおかげさまで200件を越えました♪(プロフィール