すべては自分の責任 | 境目研究家@ありさん。

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世の中色々な境目があります。成功する人しない人、うどんの関東ダシと関西ダシ、氣になる境目研究します。

【今日の良い言葉 377 (011)】

おはようございます。


やはり愛と光と忍耐の行動は
真実の一つなのでしょう、
面白いように状況が好転して参りました。

ここで傲慢にならず、
自分の仕事に一所懸命取り組みたいと存じます。

小生の師匠から今年贈られた言葉は、
天台宗の開祖最澄の、

『一隅(いちぐう)を照らす、
これ則(すなわ)ち国の宝なり』

ですので。


さて、今日の良い言葉も、
昨日の続き、

日本一BMWを売った伝説のセールスマン
飯尾昭夫氏のインタビュー記事です。


すべてを自分の責任と考える。
決して逃げることのない行動が
奇跡を生みますね。

今まさに、体験している最中です。
頑張りましょう。


では、今日は週の〆の金曜日。
きっちりと一週間をしめて参りましょう。

皆様の今日一日が愛と光と忍耐で
喜びに満ちた日となりますよう
お祈り申し上げます。


コメント楽しみにしております。


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すべては自分の責任

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【飯尾】BMWでトップセールスを
続けていた中で、
忘れられない出来事があります。

四年ぐらい経った頃だったと思いますが、
テレビや雑誌から取材を受けるようになり、
私は一時期、
有頂天になってしまっていました。

その当時はまだBMWが日本に進出して
間もない頃で、
向こうの環境でつくられた車は
高温多湿な日本の気候にあわず、
故障が多かったんです。


私が出社すると、
電話はもう鳴りっぱなし。

二十件近く修理や整備の依頼がくる。
工場に予約を取り付け、
それから故障車の引き取りや
納車をしていくわけですね。

その合間に商談もこなさなければ
なりませんし、
修理を心待ちにしているお客様に
「明日にしてください」
とは言えません。


ある日、
私は工場長と電話で話していた時、

「まだ直らないのか、
冗談じゃない」と

と怒鳴り散らしてしまったのです。

ふと氣がつくと、
工場長は無言になっていました。

「もしもし」
「・・・・」
「おい、聞いてんのか」
「・・・・」

私は内線を切って、
二階の事務所から工場まで
走っていきました。


「・・・・すみません」


工場長は目を真っ赤にして
涙ながらにこう言いました。

私はこの瞬間、
ハッと我に返りました。

こんなことをやってはいけないと。


その頃、
修理の現場では
難しい修理が重なって
手いっぱいの上に、
いくらトップセールスだからといって、
私のお客様だけを優先することもできず、
大変な思いをしながら
仕事をしていたのです。


何か問題が生じた時に、
おまえの責任だっていうのは
簡単ですけど、
それではなんの解決にもならない。

そのことを思い知らされた瞬間でした。


【記者】相手のせいにしては駄目だと。


【飯尾】やはり、
すべては自分の責任だと思います。

私はよく本を読むのですが、
そういう意味では新渡戸稲造の
『武士道』
などは非常に精神的な支えになりました。

営業においても
自分が最高の状態にない限り、
人を動かすことはできないわけですから、
売れなくても自分の責任なんですね。


私はこれまで
約九千件の商談をしてきましたが、
そのうち買っていただいたのは
二千四百台ですから、
四件に一件程度しか売れていないんです。

残りの七十五㌫の人たちは
よそで買っているわけで、
何か自分に原因があるわけですよ。

それを商品のせいにしたり、
価格のせいにするのは、
腕がないことを
認めているようなものです。

営業マンが一所懸命やれば、
商品も輝くわけです。

ちょっと手を抜いたり、
せこさがあると、
商品は輝かないと思います。


【記者】すべて自分の責任と捉える。
それは自分自身を修める要諦(ようてい)
とも言えそうですね。


【飯尾】そう思います。
それから謙虚な自分を
いつも見つめていないと
いい仕事はできません。

人間はちょっといいことがあったり、
成功したりすると、

「自分が売ったんだ」
「俺が、俺が」と、

どうしても傲慢(ごうまん)に
なってしまうんですが、
そうではないと
自分で自分を戒める氣持ちがないと、
その先の成功はないと思いますね。

営業にはこうやれば絶対に売れるという

「魔法の杖(つえ)」

はありません。

すべては自分の努力次第です。


以前、
半導体製造器で
世界トップシェアを誇るディスコの
溝呂木斉(みぞろぎひとし)会長から

「人間は一級品にならないといけない」

と言われたことがありますが、
売り上げトップだけでなく、

人間として一級品にならなければと
感じています。

最高の自分をつくるため、
これからも研鑽(けんさん)を
積んでいきます。



(月刊『致知』2013年2月号 特集「修身」より)